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『好き』と『愛』の違い

恋愛や子育てにおいて、気を付けていないといけないこと。

『好き』『愛』は同じとは限らない。


『好き』というのは、例えば「Aさんのことが好き」とか「自分の子どもの太郎君が好き」とかいう感情ですよね。

じゃあ、『愛』は?

「Aさんのことを愛している」とか「自分の子どもの太郎君を愛している」というのは、最初に書いた『好き』というのと、どう違うのでしょう?

『好き』というのは、感情ですね。

『愛する』というのも、もちろん感情だと言っていいでしょう。
でも、感情だけかというと『行動』という概念もあるのではないでしょうか。

ひろさちや氏(宗教学者)によると、『LOVE』という英語は、昔の日本では『お大切に』と訳されていたそうです。
ということは、『愛する』ということは、『大切にする』ということですよね。

自分が『好き』な女性に、自分が『好き』な焼肉屋に誘う…。

でも、彼女は焼肉はあまり好きじゃなくて、しかも断るのが苦手な人だったとしたら?

自分が『好き』な男性に、自分の『好き』なリゾート遊園地に連れて行ってと甘える。

でも、彼は飼っていた犬が死んじゃって、どこへも出かけたくない気分だとしたら?


もし、『大切に』考えていたら、そうするでしょうか。


ということはつまり、『好き』というのは『自分の感情』であり、好きなことをするというのは、自分の『快・不快』を大事にすることであって、それに対し『愛する』っていうのは自分の『快・不快』だけではなく、相手の『快・不快』も大事にするということなんですよね。


これを心理学的に言うと、『好き』というのは欲求の中の一つだということになります。
フロイトという心理学者は、この好き嫌いということ、つまり『快・不快』は、心の中の【エス】というポジションから生じると考えたんです。

そして、それを【自我(エゴ)】というポジションが制御すると考えたんですね。

また、それらのもう一段上に、【超自我】という「こうであるべき」という道徳などを担うポジションがあるとも考えました。
(詳しくは当ホームページの心理の話 フロイトの部分をご参照ください)

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さて、エスは快楽原則で動き、自我は現実に即応して現実原則で動きます。
そして、相手を大切に思い行動するというのは、つまり本当の意味での思い遣りの心というのは、心全体が磨かれないと育っていきません。

そうやって考えると『愛する』っていうのは、本当に難しいことですね。




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