パワーハラスメントの予防と対策。講師派遣・セミナーはNPOハート・コンシャス 心理カウンセリング,ネットカウンセリング(Skype),電話カウンセリングも行っています。
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企業、会社でのパワーハラスメントの予防と対策
大学やスポーツ界でのパワハラが大きなニュースとなりました。 そして、厚生労働省自殺対策推進室が発表したデータ、「平成29年自殺者 原因.動機」では、仕事の人間関係が481人となっています。 NPOハート・コンシャスは、心理の観点からこのパワーハラスメントという問題に取り組み、企業のセミナーやカウンセリングを行っています。
パワハラの構造
まずは、法的にはどのような行為をパワハラとしているかを見てみましょう。 1.上司の、部下への指導監督や業務命令の裁量権の濫用 2.社員の自由の侵害 3.社員の精神疾患等への安全配慮義務 これらがパワハラの裁判では指摘されています。 もう少し具体的に言うと ・退職勧奨 ・仕事を与えず一定の場所にいることを強制(松陰学園事件) ・懲罰的教育訓練 ・不当な配転 ・過度な心理的負荷を与える厳しい指導 などが過去の裁判例として挙げられています。 もちろん、程度というのは個別に勘案されます。 さて、社会的問題となっているパワーハラスメントですが、厚生労働省が発表したデータ 「平成28年度職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、予防・解決に向けた取組を考えていない企業は、「職場の生産性が低下する」、「企業イメージが悪化する」などの認識が取り組んでいる企業に比べて特に低いということが調査結果には書かれています。 また、この調査では、パワーハラスメントを受けた経験が一度であっても、怒りや不満、仕事に対する意欲の低下などの心身への影響が多く見られ、不眠、休み、通院、服薬などのより深刻な心身への影響は、パワーハラスメントを受けた頻度が高くなるほど比率が大きく高まるとなっているのですが、パワーハラスメントを受けたと感じた者が、「何もしなかった」と回答した比率は40.9%であり、その理由として「何をしても解決にならないと思ったから」、「職務上不利益が生じると思ったから」と回答した比率が高いそうです。 ちなみに、平成28年のパワーハラスメントの発生状況ですが、過去3年間に1件以上パワーハラスメントに該当する相談を受けたと回答した企業は36.3%、過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した従業員は、32.5%となっており、表に出ているもの、つまり泣き寝入りをしたり、抗議をせずに辞めていった人は数に入れていない数字なのに、3社に1社はパワハラがあり、3人に1人はパワハラを受けているということとなります。 なお、予防・解決に向けた取組状況としては、パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施している企業は52.2%ということですが、逆に言うと約半数の企業は取り組んでいないという実態が読み取れます。 しかも、企業規模が小さくなると実施比率は相対的に低くなるということですので、中小企業でパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組をしている会社は、かなり低い率となりそうです。 (以上 出典「厚生労働省 職場のパワーハラスメントに関する実態調査」) さて、パワーハラスメントとは何か。 まずパワハラは、基本的には「いじめ」の構造と重なります。 (太字は「いじめ」の定義) ・権力が上位の者から下位のものへの一方的な不快な言動や処置 ・受けた方が深刻な苦痛を感じている・それは合理的な範囲を、客観的に見て超えている ・それは継続的である ・それに反撃するのは簡単ではない ・正当化される場合が多い また、パワハラのパターンは ・攻撃・強要型 ・ディスカウント型(ケチをつける 引き下げる) ・無視型(仕事や情報を与えない グループ等からはずす) という3つに大きく分類できます。 そして、パワハラの影響は ・本人及び周囲のモラル(やる気)が低下する ・生産性が低下する ・環境が不安定となる ・能力が低下する ・イメージが低下する などで現れます。
コミュニケーション心理学から見たパワハラ
認知の枠組み パワーハラスメントのセミナーのセミナーでは、よく次のような質問を承ります。 「どのような言動がハラスメントに該当するのか?」 「部下への『教育』や『叱咤激励』が、『ハラスメント』だと言われてしまったが?」 「『指導』と『ハラスメント』の境界線は?」 「何がハラスメントになるのか怖くて管理職が委縮してしまっているが、どうすればいいか?」 これらは非常にデリケートな問題で、形式だけのセミナーでは確かに理解できないと思います。 例えば、教師の言葉で『やる気が出るか出ないか』が決まる、という調査データがあるのですが、それによると「やれば出来るじゃないか」という言葉をかけられた場合では、やる気がでるという生徒は90.2%で、逆にやる気を失う生徒は2.9%となっています。 (奥山・新井1991 「よくわかる発達と学習」新井邦二郎他著 より引用) ところが我々の調査では、この「やれば出来るじゃないか」という言葉を書いた紙を大人に提示したところ、怒りを感じたり約3割の人が気分が悪いと感じたのです。 つまり、受け取り側が持っている認知の枠組みや、声をかける人に対して好感を抱いているか嫌悪感を抱いているかによって、受け取り方は変わってしまうんですね。 そこで、下記にそこのところを、もう少し詳しく説明します。 「悩みと言うのは、出来事から生じるのではなく、その出来事をどう受け止めるかによって生ずる」というのは認知療法の核となる考え方ですが、この【どう受け止めるか】は、個人個人によって違ってきます。 これを『認知の枠組み』と呼んでいるのですが、実はパワハラも、その認知の枠組みによって問題となったりならなかったりします。 つまり、『同じ言葉を聞いても、受け取ったその人の心の枠組みによって、違う意味として伝わってしまうことがある』んですね。 例えば、次の例で考えてみましょう。 仕事がうまくいかないと悩んでいる太郎君がいたとします。 そして、それを見た上司が「なにをしているんだ」と声をかけました。 さぁ、ここです。 もし、太郎君が自由奔放で、そんなに責任感が強くないタイプだったら、彼はこの上司の言葉を聞いて「手伝ってくれるのかな?ラッキー!」と思うかもしれませんね。 でも同じような状況で、義務感が強く自己肯定感が低いタイプの花子さんが、この場面で「なにをやっているんだ」と言われたら…。 そうです。「私のことが嫌いなんだ」とショックを受けて落ち込んでしまうかもしれないんです。 もし、パワハラだと訴えられて、「どうしてこんなことでハラスメントになるんだ」とあせっている人は、こういうことを知っていたら防げたかもしれませんね。 ちなみに、パワハラだと訴えられる人の性格パターンに多いのは、『完全主義』や『白か黒か思考』、また「~であるべき」という『べき主義』の傾向が強い人で、パワハラで悩む人は自罰傾向がある人や、自己評価が低い人が多いようです。なお、これらの傾向は心理テストを行えば、かなりの部分がわかりますので、早めの対処や相談できる人が必要です。
ダブルバインド(二重拘束)
パワハラの問題には、ダブルバインドというものが絡んでいることが多いことがわかっています。
ではダブルバインドとは何か…。
これは、まず或る命令(例:「右に行け」)が下されます。仮にその命令をAとしましょう。
次に、そのAとは相反する命令B(例:「左に行け」)が同じ人に下されます。
そして、命令された人はそこから逃げ出すことはできません。
これでダブルバインド完了です。
別に珍しい話ではありません。
例えば下記がそうです。
ケース1
A;残業せずにはできない量の仕事を頼まれた
B;「この仕事を定時までにやれ。残業はするな」
断ったら左遷される
ケース2
A;自主的に動くと、上司から「指示に従いなさい」と怒られる
B;指示を伺うと、「やるべきことはいくらでもあるはずだ!自分で考えなさい」と言われる
動いていないと怒られる
これらは意外と職場にはよくある話なのです。
パワハラだけではなく、悩んでいる人の多くはこのダブルバインドに嵌っているんですよね。
発達障碍
パワハラ問題においては、パワハラをした人が「相手の気持ちや立場を理解しない」のではなく、「理解できないタイプ」、つまり自閉スペクトラム症(アスペルガー)のグレーゾーンである場合もみかけられます。
また、同じく発達障碍のADHD(注意欠如多動症)のタイプには、短気、怒りっぽい、待てないなどの問題でパワハラとなりやすいケースもあります。
ちなみに、「発達障碍の可能性のある」とされた児童生徒の割合は6.5%となっており、グレーゾーンを入れると全体の1割以上はそういう傾向があると言われていますし、その傾向は大人になっても持ち続ける場合が多いので、このような場合は、発達障碍に詳しいカウンセラーの助言を受けた方がよいでしょう。
パワハラの対処法
まず、企業は、パワハラは「職場の生産性が低下する」、「企業イメージが悪化する」などの認識をしっかりと持つ必要があります。
ネットの時代となり、ブログやSNSでパワハラのうわさや評判はアッという間に拡大し、長年築き上げてきた信用が崩れ落ちてしまうことだって無いとは言えません。
また、週刊誌などのメディアは今やツイッターやFace bookなどのSNSを監視し、ネタを収集しています。
大学のスポーツ界のパワハラ事件を他山の石とし、従業員向け相談窓口を設置するとか、パワハラのセミナーを開くなどの対応が必要であると考えられます。
なお、パワーハラスメントに限らず、従業員向け相談窓口を設置している企業が73.4%あると厚生労働省 職場のパワーハラスメントに関する実態調査にはありますが、しっかりと機能しているかどうかのチェックも必要でしょう。
会社内での「コミュニケーションスキル セミナー」等も有効です。
特に、【自分の意思や気持ちを、非攻撃的に伝えるスキル】を社員(特に役職者)に習得してもらうことは、パワハラの予防としてとても重要と思われます。
次に、パワハラを受けた人の対処法としては、まずはパワハラの立証が大事です。
また、法規との照らし合わせも必要ですので、専門家に相談することも大事でしょう。
パワハラを受けた人は、心が傷つき冷静な判断ができなくなっていることも多いので、そういう場合はパワハラの専門知識のあるカウンセラーや精神科医に相談しましょう。
パワハラを受けて精神的にまいっている人は、追い込まれて視野が狭くなってしまい、客観的・冷静な判断ができなくなってしまいます。
また、パワハラに遭いやすいキャラクターの人も多く見られます。
世間ではパワハラと一括りにされがちですが、色々なパターンがあり、いろいろなキャラクターの組み合わせが有って問題が深刻化しているケースが多いのです。
NPOハート・コンシャスでは大学で心理学を教え、いろいろな公共団体や企業でのセミナーを引き受けている講師がセミナーの講師やカウンセリング(有料)を担当します。
ネットカウンセリング(Skype),電話カウンセリングも行っています。
また、優秀な弁護士もすぐにご紹介できますので、お気軽にお問合せください。
ご連絡先⇒玉田 tamada@heart-c.org 0586-72-7880
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好評発売中の「パワハラ対処」の本 心理から見た「パワハラの予防と対処」 ~交流分析 認知療法~ 鷲津秀樹著 (お求めはアマゾンで↑) パワーハラスメントを心理から解説した本です。 コミュニケーションの相互作用の行き違いや、物事の捉え方や受け取り方の違いが原因となって、人にも組織にも大きな傷をもたらすケースが多いパワハラ問題を、認知の枠組みや性格のパターンを具体的に取り上げて解説しました。 また、交流分析や認知療法の理論をわかりやすく説明し、パワハラを受けた人に役立つ内容となっています。
パワハラ・セクハラの研修,セミナーの講師ご依頼先
パワーハラスメントの講演依頼は【講演ページ】をご覧ください。 お問い合わせは、メール玉田 tamada@heart-c.org もしくは、電話 0586-72-7880 へお願い致します。パワーハラスメントの研修、セミナー、講演
小学館集英社の「パワーハラスメント予防研修」 小学館集英社プロダクションの「パワーハラスメント予防研修」の講師を務めました。 スタッフのマネージメントに携わる方々に熱心に聴いていただきました。一宮市消防局の「パワハラ防止セミナー」 愛知県一宮市消防局の「パワハラ防止セミナー」で、NPOハート・コンシャス顧問(名城大学心理学非常勤講師)の鷲津が講師を勤めました。
清州保健所の「自殺対策人材育成研修」 愛知県清州保健所の職員対象に「自殺対策人材育成研修」が開かれ、講師を務めました。
三重大学の「教職員ハラスメント研修」 三重大学医学部臨床第三講義室で行われた全教職員対象の「ハラスメント防止研修会セミナー」で、講師を勤めました。
■講演実績の一例
愛知県動物保護センター 職員コミュニケーション研修
三重大学 教職員対象にハラスメント防止の講演
田原青年会議所 企業コミュニケーション理論講演
国分寺青年会議所 大人と子供のコミュニケーション講演
日本ポスティング協同組合 全国組合企業管理者研修会
独立行政法人雇用・能力開発機構 関東地協セミナー
上尾商工会議所青年部 エゴグラムとコミュニケーション
碧南青年会議所 人間関係の達人になる方法
南山経済人クラブ 心理から見た「好きな人にモテる方法」
名古屋市社会福祉協議会 ケアする仕事においてのコミュニケーション
集客塾 全国の有力ホテルや旅館の経営者対象の組織内コミュニケーション講座
不二サッシ全国安全大会 心理から見た安全について
長崎市介護支援専門員連絡協議会 ケアマネージャーに役立つ心理学
ゲオ ビジネスサポート コミュニケーションセミナー
日本易学連合会大阪支部総会 深層心理学
碧南市健康を守る会 ~メンタルヘルスとコミュニケーション~
愛知県農林水産事務所 ~心理を知って自分を磨こう!~
名古屋市 保育リスクマネジメント研修
和歌山県 ネット依存防止セミナー
愛知県一宮市消防局 パワハラ防止セミナー
愛知県清州保健所 自殺対策人材育成研修
他多数
また通年で愛知大学社会人講座や各地の公共団体や学校、教育委員会のセミナーにて心理学の講義を行っています。