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カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群(ASD)の特徴のある身近な人との関係によって、心身の不調が生じる状態のことです。

(大人のアスペルガー症候群については、下記のNPO日本次世代育成支援協会のホームページに詳しく書かれています↓ https://npo-jisedai.org/aaspe.html

主に夫婦や恋人関係において、パートナーの共感力や想像力(察する能力)が低いことにより孤独感やつらい思いをしているパートナーに起こる場合が多いのですが、親子間や職場での人間関係においても生じることがあります。

これは心理学者ローリー・レイトン・シャピラという心理学者によりと名付けられましたが、アダルト・チルドレンやHSPと同じく明確な診断基準は定められてはおりません。

写真 この「カサンドラ」というのはギリシャ神話に出てくるトロイという国の王女の名前で、素敵なカサンドラを彼女にしたいと思ったアポロン神は、予言の能力を授けるので付き合ってほしいと頼みます。
OKを出したカサンドラですが、予知能力を身に着けた彼女はアポロン神が自分を捨てて去ってしまう未来を予知し、アポロン神との交際を拒否してしまいます。

それに怒ったアポロン神は、カサンドラの予言は誰にも信じてもらえないという呪いを彼女にかけました(己の軽さを棚に上げて、それはないだろうと思うのですが)。
それにより、彼女は誰にも信じてもらえない人生を送ります。

さて、アスペルガー症候群の人のパートナーとなった人は、上記のようにパートナーの共感力や想像力(察する能力)が低いことにより心身の不調に陥ることがあります。

写真 なお、アスペルガー症候群には
・自分のことばかり喋り続ける
・知識をひけらかす
・相手が何か言っても、すぐに自分の話に戻す
という「積極型」と
・自分から関わりを求めない
・積極的な人に支配されやすい
・自分の趣味や楽しみを優先する
という「消極型(受動型 孤立型)」がありますが、前者の積極型の方は結婚後早めに問題が表面化しますが、後者の消極型の方はかなり時間が経ってから離婚問題が起きることも珍しくありません。

また夫婦間では、特に子育てにおいての問題が大きいようです。
そもそもアスペルガー症候群の人は自身が共感力が低いため、寂しさを感じたり、何かを一緒にしたり、感情を共有したいという気持ちが少ない場合も多いので、子どもにも関心がない場合も多く、関心がある場合でも自分のパターンをパートナーにも子どもにも押し付けがちです。

また、これはアスペルガー症候群(ASD)だけではなく発達障碍全般において言えることですが、幼児性が強い場合が多いので、例えば子どもが一人いて夫が発達障碍の場合、妻は子どもが2人いるような状態となっていっぱいいっぱいになる場合が多く見かけられます。


カサンドラ症候群簡易テスト


(Copyright(c)合同会社ベルコスモ・カウンセリング不許複製)

よく当てはまる場合は3点、まあまあ当てはまる場合は2点 たまに有る程度なら1点、当てはまらない場合は0点を付けてください。

1.体がだるかったり、肩こりがひどい等様々な不快症状が現れている
2.パニックに遭ったように興奮してしまう(ヒステリックになる)ことがある
3.頭痛がある
4.気分が落ち込み抑うつ状態となる
5.無気力だ
6.自己評価が低い
7.孤独だと思う
8.倦怠感がありやる気が出ない
9.体に鈍重感がある
10.食欲や睡眠が不調で、自律神経失調症ではないかと思う
11.情緒不安定で、よくイライラしたり腹が立ったりする
12.体重が減った(増えた)
13.何のために自分が存在しているのかわからないと思う
14.意見が違うことがあっても押し通されてしまう
15.誰も自分の苦しさをわかってくれないと思う
16.結局自分が悪いのではないかと罪悪感を感じる


なお、採点の際に13番から16番の得点は2倍にして合計点数を出してください。
合計が40点以上だと注意が必要となります。


カサンドラ症候群の対処法


さて、ASDは本人が『やさしくない』のではなく、「仮に○○さんの立場に立って考えてみると…」と機能する脳のある部分がうまく働かないことによるものなんですね。

下図をご覧いただくとわかりやすいかと思うのですが、『思い遣り』というのは自分というものを相手の考え方の枠組みの中に『遣って』、相手の立場に立って『思う』ことなんですね。

それをするためには、まずは相手の考え(認知の枠組み)が理解できなくてはいけません。つまり理解できるためには『レーダー』が必要なのです。

察する

このレーダーの性能が良い人ほど、察する能力が高いということですね(HSPというのは、このことです)。

そしてそのうえで、次に先ほど言った「仮に相手の立場に立って考えてみると…」と進んでいくわけです。

察する

実は、ここが『やさしさ』に当たります。
察するだけではなく、わざわざ「相手の立場に立つ」という『意思』を持ち、『行動』を行うわけですから。

ところが、アスペルガータイプの人は脳の機能(レーダー)の問題で、それができないということなのです。
思い遣りがないというより、出来ないということなんですね(喩えやさしさが有ったとしても)。

察することができない

ということは、「どうしてわかってくれないの?」という問いは、意味を持たないということになります。
たとえて言えば、著者は歳のせいか聴覚が衰えてきて、何度も聞き直さないといけなくなってきたのですが、
「どうしてしっかり聞いてくれないの?」
と言われても……。

もっとも聴覚は補聴器を使えばいいですし、眼が悪ければ眼鏡をかければいいのですが、はこの『察する』ことについては、その人によってパターンもかなり違いますし、「どうすればいいか」は複雑になります。

例えばアスペルガータイプの人は、『文字通りに受け取る』のが特徴です。
だから、皮肉やメタファや曖昧な言葉が通じません。
従って、周囲は『正確に告げる』ことが必要です。

…と言っても、沢山の情報ほ一字一句正確に伝達するというのは、とっても大変な場合があるので、そういう場合は視覚情報、つまり箇条書きで書く、手順を絵で書く、図で説明するとか工夫が要ります。

ともあれ、カサンドラ症候群の人が自分の気持ちを伝えるのには、かなりの労力がいることは間違いありません。

発達障碍とカサンドラ症候群の相談では


人間関係、仕事、子育てで悩んでおられる方の中には、発達障害が関係するケースがかなりあります。
医療機関において「WISC」や「WAIS」というテストを受け、発達障害と診断された方だけでなく、親子・夫婦など関係する方にも悩みを抱えておられる方がたくさんいます。

診断テストでわかるのは大きな特性であり、個々の悩みはいろいろです。
それに、苦手なことがわかっても、どうすればいいのかがわからないと先に進めません。
やはりもし上手くやっていきたいのなら、夫婦そろってのカウンセリングを発達障碍とコミュニケーションの問題に詳しい専門家の助けを借りるのが近道だと思われます。

発達障害に関する悩みにおいては、傾聴という従来からのカウンセリングでは、「悩みを聞いてもらって楽にはなったが、問題は解決しない」と言われる方が多いのも事実です。


    Copyright(c)2016 合同会社ベルコスモ・カウンセリング
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この内容はNPOハート・コンシャスの鷲津が、愛知大学OCでの講義の内容を元に書いております。
著作権はNPOハート・コンシャスにありますので、無断使用、複写等はできません。ご了承ください。

NPOハート・コンシャスでは、カサンドラ症候群には認知行動療法と家族療法の中の解決志向アプローチ(SFA)という方法で、また大人の発達障碍は応用行動分析と認知療法を組み合わせ、【工夫】をメインとして対応しています。
カサンドラ症候群においては、これで悩みが軽減された方がたくさんおられます。


家族療法⇒ https://npo-jisedai.org/brief.html
解決志向アプローチ⇒ https://npo-jisedai.org/sfa.html
応用行動分析⇒ https://npo-jisedai.org/aba.html
認知行動療法⇒ https://npo-jisedai.org/

こうやって書かれた分を読んでいると、なんか難しそうに聞こえますが、実際は悩み事を思ったままにお話していただくだけでOKです。
もちろん秘密厳守ですし、クライアントの気持ちを重視したカウンセリングですので心配は要りません。


写真カウンセリングをお考えの方は、下記のNPOハート・コンシャスのカウンセリングページにてお申込みください。
https://heart-c.org/service.html


♪楽しく、役に立つ心理学やカウンセリング理論を学びませんか?
NPOハート・コンシャスとNPO日本次世代育成支援協会は、毎週月曜の(午後)に一宮で『心理カウンセラー講座』を開いています。
月1回の土曜集中講座(12回完結)や日曜日にベーシック集中講座もありますよ!

詳しくはコチラ→ https://npo-jisedai.org/kouza.htm

NPOハート・コンシャスの活動状況



「ネット・スマホ・ゲーム依存の予防と対処」セミナー

2024年も各地の学校でNPOハート・コンシャスの会員が講演
大分県大分大学(鷲津秀樹)
愛知県豊田市立下山中学校
岐阜県揖斐郡大野町立南小学校
愛知県豊川市立桜町小学校
愛知県犬山市立城東小学校
愛知県知立市八ツ田小学校
東京都狛江市狛江第三小学校
愛知県長久手市長久手北中学校
愛知県江南市藤里小学校
愛知県海部郡蟹江小学校
豊川市立萩小学校
岐阜県飛騨市古川西小学校
岐阜県可児市立今渡南小学校
岐阜県揖斐郡学校保健研修総会
他に各地の生涯学習センターなど多数

歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」に掲載

日本歯科新聞社が発行する歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」4月号のパワハラ予防特集で【「つい口調がきつくなる」院長への処方箋(鷲津秀樹)】というタイトルで掲載されました。




大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナー

2024年3月6日に大分県立看護科学大学、日本文理大学、別府大学、立命館アジア太平洋大学、大分県立芸術文化短期大学、大分短期大学、東九州短期大学、別府溝部学園短期大学、別府大学短期大学部、大分工業高等専門学校、放送大学大分学習センター、大分大学で構成される「大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナーの講師として、各校の教職員の方々対象にWEBで講演しました(鷲津顧問)。


家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」に掲載

公益財団法人 愛知県教育振興会が発行する家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」9月号(編集:愛知県小中学校長会、愛知県小中学校PTA連絡協議会、名古屋市立小中学校長会、名古屋市立小中学校PTA協議会)の”ゆうゆう情報局”に「ゲーム依存と子どもたちの環境」というタイトルで掲載されました。



児童とスマホの問題についてお話しました

東海テレビ「スイッチ」で、幼児や児童にスマホを見せることについてお話しました。






福井県で「ネット・スマホ依存防止セミナー」の講師を務めました

福井県坂井市教育委員会主催の「ネット・スマホ依存防止セミナー」の講師を務めました。 沢山の先生や教育に携わる方々に熱心に聴いていただき、また貴重な現場の情報をいただきました。 子どもたちの未来に少しでも貢献できましたら幸いです。



清州保健所の「自殺対策人材育成研修」

愛知県県清州保健所の職員対象に「自殺対策人材育成研修」が開かれ、講師を務めました。




一宮消防局で、「パワハラ防止」の講演

愛知県一宮消防局の「パワハラ防止セミナー」で、NPOハート・コンシャスの鷲津が講師を勤めました。





中日新聞にネット依存のコメント掲載

2018年6月5日付け中日新聞朝刊の秋葉原殺傷事件の検証記事、「孤立 ネットの虚構におぼれ」において、NPOハート・コンシャスの鷲津が取材を受けた時のコメントが載っています。
(内容は左の記事の画像をクリックしてください)








和歌山県主催のネット依存防止セミナーの講師を務めます

平成30年1月28日(土)に和歌山県主催の「ネット依存防止セミナー」が開かれ、講師を務めました。
https://npo-jisedai.org/2018wakayama.pdf






名古屋テレビの報道番組「UP!」でコメントしました。

名古屋テレビの報道番組「UP!」で、ネット・スマホゲームの問題点についてお話しました。




碧南市広報に掲載されました。


碧南市の医師会、歯科医師会、薬剤師会と行政が一体となった「碧南市健康を守る会」の総会で、NPOハート・コンシャスの鷲津秀樹が講演させていただいた内容が、碧南市の広報で紹介されました。
https://npo-jisedai.org/hekinan.pdf








 

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icon 電話番号0586-72-7880
 icon 玉田 tamada@heart-c.org


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