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熟年夫婦の上手なコミュニケーション 夫婦の問題

「仕事、仕事で毎日が過ぎていき、アッと思ったらもうすぐ還暦。
さて、それからはどうしよう?
家にごろごろしていると、妻に鬱陶しがられるし、かといって共通の趣味もないし話題もないし…」

という男性は、結構多いものです。

また、

「いよいよ子どもも学校をもうすぐ卒業。
子育てと家事に追われて今まで自分のことは後回しにしてきたけど、
これからわたしの人生をどうやって生きようかしら」

という思いが心をよぎる女性も多いようです。

さて、ここで問題が一つ有ります。

夫は仕事以外の自分の人生には、妻は当然セットとなっていると思っているのに対し、妻の方は「わたしの人生」、つまり夫はセットとなっていない場合がよくあるんですね。

ちなみに、望月嵩大正大学教授は中高年で夫婦間が上手くいっていない時の女性を、次の3つの型に分類しています。
(「中高年の幸・不幸-夫婦葛藤・離婚に見る-」現代のエスプリ331号)

まず1つ目は『母親役割型』。

夫には関心を殆ど示さず、子どもに入れ込むタイプです。
夫とははっきりとした葛藤や対立はありませんが、意識しないうちに夫との溝は深くなっていきます。

2つ目は『妻役割型』。

夫と上手くやっていきたいタイプですね。
なのに夫は仕事中心で妻を大事にしないので、不満がどんどんたまっていきます。

3つ目は『社会参加型』。

自分というものを考えるタイプと言ってもいいかもしれません。
自分の仕事や地域活動にウェイトを置くので、夫が不満を抱くこともあります。


この中で、2つ目の『妻役割型』のケースは夫が妻の不満に気付いて、努力して妻を大事にしていけば結構上手くいくこともあるのですが、問題となるのは『母親役割型』と『社会参加型』のケースです。

まず、『母親役割型』の場合は子どもが例えば遠方の大学に行ったり、就職して家を出て独り暮らしをしたりすると、生きがいを喪失した感じとなりガックリしてしまうこともあります(空の巣症候群)。

また、それを無意識のうちに防いでいる為、子どもがいつまでたっても親離れをせず、母子密着として子どものアイデンティティの確立に悪影響を与えている場合もあります。

こういう場合は、夫は無力感を感じ、非常に寂しい人生の終盤になってしまうこともあるんですね。

ただ、子どもが親離れにかかっていく時期は、逆に言えば夫にとって或る意味チャンスと言えるかもしれません。
ここで、妻の寂しさをカバーし、夫婦の人生というものを再度創り上げていくきっかけともいえるからです。


さて、妻が『社会参加型』のケースでは、夫は余程意識を入れ替えなくてはいけません。
もうすでに、仕事以外での社会参加ということにおいて、夫は妻に周回遅れとなっているからです。

こういう場合では、夫に『引き下げの心理(引きずり降ろしの心理)』が働いて、妻の活動に対して批判をし、自分の方に関心を持っていこうとするケースが結構目立つのですが、これは百害あって一利無しです。

益々、愛想をつかされてしまう可能性が高いですから。


男性にとってネガティヴな話が続いてしまいましたが、実際問題としては、熟年夫婦においては夫の方が不利なケースが多いんですね。
仕事、仕事でずっとやってきて、さて仕事がなくなった時に「これからどうしよう」と考えるということ自体が遅すぎるんです。

だって、妻の方はもっと前からいろいろと悩んだり考えたりしているんですから。

でも、だからといって諦める必要はありません。

では、どうすればいいのかに話を進めていきましょう。


熟年夫婦の上手なコミュニケーション どうすればいいか

なんといっても大事なのは、お互いに『関心』を持つことです。

伴侶は、何が好きで何が嫌いなのか。

何をやりたくて、何をやりたくないのか。


もっとも、夫は仕事に追われ、妻は家庭や生活に追われて、自分のやりたいことなんて考える暇がなかった、なんてケースも珍しくありません。

「何をやりたいか、浮かんでこない」

「どう、妻(夫)と付き合っていいのかもわからない」

そんな声が聞こえてきそうですね。

そういう場合は、若かったころの趣味や好きだったことを思い出してみましょう。
何かヒントがあるかもしれません。

また、食事や旅行というのは、多くの人が興味を持ち、また好きなことでもあります。
まずはそのあたりから企画して入っていくのもいいのではないでしょうか。

ただ、その際にとても重要なことがあります。

それは、認知の枠組みのすり合わせです。

人はそれぞれ物事の受け取り方が違うんですね。
例えばこの図をご覧ください。


この透明な壁に書かれた文字は何でしょうか?

妻がこの字書いたとしましょう。
そして妻から見れば「b」ですよね。
でも、夫はそれをどう読むでしょうか?

そうなんです。
「d」と読む可能性が高いんです。

コミュニケーションの問題は、ここなんですよね。


次の図はこれです。


1つのお茶の缶を、夫は横から見て「長方形」だと言っています。

でも、妻は上から見て「丸」だと言っています。

同じモノでも、それの見方や受け取り方によって当然形や内容は違ってきますよね。
でも、それを「長方形だ」「丸だ」と言い張っていることが多いんですよ。

こういう受け取り方のことを心理学では認知の枠組みと言っています。

その枠組みのすり合わせがないと、いくら努力しても報われないことがあります。

例えば夫が食事や旅行に誘うにしても、相手の枠組みを考えずに自分の枠組みだけで誘っていたら、それは妻にとって有難迷惑かもしれないんです。
(もちろん、その逆もありますよ)

妻は旅行に行くなら、『上げ膳据え膳』で家事を忘れて温泉でゆっくりしたいのに、夫は自分が好きだからキャンプに誘ったとしたら…?

却って離婚が近づいちゃうかもしれませんよね。


だからこういうことなんです。
  


ちょっと自分の枠組みを横に置いておいて、相手の枠組みに立って(相手の気持ちに立って)考えてから、いろいろと努力したり実行しないといけないんですね。



さて、まとめとなります。

日本人の男性は、妻に母の役割を求めるタイプが多いと言われています。

でも、妻は母ではなく、独立した一人の女性です。

そこをしっかりと心にとめて、相手の枠組みに立って考えていただけたら、きっと楽しい充実したセカンドライフを夫婦で暮らしていただけることと思います。


ご相談がございましたら、NPOハート・コンシャスが有料ですがご相談を承ります。

皆様の充実したセカンドライフを願っております。






参考文献 「Interactional Mind 2(2009)」日本ブリーフセラピー協会編




 

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