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メールマガジン

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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』その1【 I am OK 】
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子育て支援のNPO、ハート・コンシャスです。

このメルマガを通じて、皆様の子育てに少しでもお役にたてたらと思って始めました。
よろしくおねがいします。

さて、第1回のテーマは【 I am OK 】。

私たちは、≪赤い羽根助成金≫や≪あいちモリコロ基金≫などの助成をいただき、子育てのセミナー等を行っています。

そういう場で、お母さん方の悩みをいろいろと伺うことが多いのですが、つくづく感じるのは【 I am OK 】の大事さなんですね。

実は、子育てで悩んでおられるお母さん方には、【 I am not OK 】というビリーフ(信念、考え方)を持っておられる場合がとっても多いんです。

もちろん、いつもいつも【 I am not OK 】と思っているわけではないでしょう。
でも、ここ一番という時に、それが出てきてしまうんですね。

そして子どもは、親の発する言葉よりも、行動や無意識に出てくるビリーフを、しっかりと取り入れてしまうんです。

と言うことは、自分をあまり好きではない親のもとには、自分を嫌いな子どもが育ってしまうということですよね。

【 I am not OK 】と思っている子どもは、当然のことながら悩みやすく、人間関係においても苦労する可能性が高くなります。

その、悩んでいたり人間関係で苦労している我が子を見て、親も益々悩んでしまい、自分のせいかと自責感情が起こり、輪をかけて【 I am not OK】になったりして…。
こうなると完全な悪循環にはまり込んでしまうんですね。

だから、まずはお母さんが【 I am OK 】というビリーフを持てるようになる事が大事なんです!

じゃあ、どうやったら【 I am OK 】になれるのか?

そのあたりも含めて、これからいろいろなお話を書いていきたいと思っています。


今後とも、何卒よろしくお願いいたします。



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詳しくはコチラ→ https://npo-jisedai.org/kouza.htm

Copyright(c)2016 NPOハート・コンシャス



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その2
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子育てにおいて、このような質問を受けることが多いんですよね。

「ウチの子に、やる気が出るようになるには、どのようにすればいいんでしょうか?」


…確かにこれって、ホント難しいですよね~。(-_-;)
『持って生まれたもの』という理論もありますし、『環境が問題だ』という人もいます。

そこで今回は、その『環境』についてのデータをご紹介しましょう。


教師の言葉で『やる気が出るか出ないか』が決まる、という調査データがあるんです。

これは、先生が子どもにかけた言葉によって、やる気が出たり失ったりするという事がはっきりと表れているんですね。

下記をご覧ください。
(奥山・新井1991 「よくわかる発達と学習」新井邦二郎他著 より引用)
------------------------------------------------------------------
   教師に言われて・・・       やる気がでる やる気を失う
                       (%)  (%)
1.出来なければ、止めてしまえ         14.4   60.6

2.もう少しだから頑張れよ           91.2    1.9

3.まだ出来ないのか。もっと早くやれ      12.8   65.4

4.時間はまだ沢山あるから、頑張れ       84.3    4.8

5.一人で考えなさい              14.8   61.7

6.先生が見ていてあげるからもう一度考えなさい 66.8   11.7

7.出来ているが、まぐれじゃないだろうね     8.2   67.8

8.やれば出来るじゃないか           90.2    2.9

9.本当にやる気があるのか           13.6   62.8

10やる気を出せば、必ず出来るようになるぞ   87.5    2.9

11お前はどうして頭が悪いのだ          7.4   78.5

12お前は頭がいいぞ              61.7    7.7

13何度教えたら分るのか             9.3   68.1

14よく出来たね                84.6    5.1

15こんな考え方しか出来ないのか        14.4   59.3

16他に良い考えはないか。もう一度調べよう   60.9    9.3

17前にも、これと同じことを教えたはずだ    20.7   45.5

18前に学習したことを思い出してごらん     58.2   10.1



いかがですか?

かける言葉によって、こんなに変わるんです。

「どうしてそうやる気がないのっ!」と子どもに怒ってばかりいる場合ではなさそうですね。(^ ^;)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その3【しつけ】
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今回は『しつけ』についてです。

『しつけ』というと、「子どもが何か悪いことをした時に、もう二度としないように厳しく叱ること」とか、「整理整頓や挨拶など、恥ずかしくない習慣を身に付けさせる」とういうイメージを持っておられる親御さんが多いようです。

もちろん、それも大事です。

ただ、やり方に問題がある場合も多いんですね。

例えば、太郎君が小学校でお絵かきを褒められ、喜び勇んで帰ってきたとします。
その時お母さんはパソコンに向かっていたのですが、太郎君はお母さんにワッと飛びつきました。
お母さんはビックリ!
「いきなり、何をするのよ! まったくあんたはいつだって人のことなんて考えないんだからっ! やっていい時と悪い時があるのがわからないのっ!」

太郎君もビックリ。
お母さんはパソコンでネットをよくやっているのですが、いつもは優しいのに…。

「だって…」

「だって、なんなのっ!  言いたいことがあったら、はっきり言いなさい!」

「だって、学校でお絵かきをほめられたから…」

「言い訳を言うんじゃないの! 褒められたからって、急に飛びついてきていいか悪いかわかるでしょ! もう少し人のことを考えて行動しなさい。もうホントにあんたは思い遣りがないんだから」


お母さんはその時知り合いと、大事なメールのやりとりをしていたんですね。

そして、太郎君はその理由がわからず、思いっきり怒鳴られて、こう誓いました。
『どうせお母さんは、その時その時の気分で変わるし、僕の話を聞こうとは思っていないんだ。もうお母さんと一緒に喜ぼうなんて思うのはやめよう』


さて、もちろんこれは極端に創ったお話です。
ただ、これは『しつけ』にはなっていません。

『しつけ』は、【納得】と共にしていかなければ効果があまり上がりません。
大事なのは、きちっと合理的な説明をすることなんですね。

整理整頓や挨拶もそうです。
それをすることにより、子ども自身がどれだけメリットを受けるのか、また将来においてどれだけのデメリットを防げるのかを、具体的な例を挙げて説明して教えるのが大事です。

もう一つ大切なことは、子どもの特性に合わせること。

あまり言われなくても、上手に整理整頓する子どももいれば、整理整頓が苦手な子もいます(ADHDっぽい子どもは、特にその能力に欠けています)。
それを『お隣の○○ちゃんは、言われなくてもきちっと片付けるのに』等、周囲と比較しすぎると、それが深い劣等意識となってしまい、他のことにも影響して【 I am not OK 】の枠組みを持って育ってしまうことも有るのです。

子どものことを思って叱っているつもりが、子どもをどんどんダメにしていることも有るんですね。


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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その4【子どもにかける言葉】
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今回は『子どもにかける言葉』についてです。

私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師)に伺いました。

『子どもにかける言葉』について、何かポイントがあったら教えてください。

「そうですね。いろいろな注意ポイントがあるのですが、今回はとりあえず、その中で3つほどご紹介しましょうか。
まずは【気持ちを具体的に!】
例えば子どもがご飯を食べおわったあと、自分の食器を台所の流しまで持ってきたとしますね。そんな時、どう言いますか?」

------そうですね。やっぱり『ありがとう』でしょうか。

「なるほど。いいですね。そんなことぐらい当たり前と思わず、きちっと褒めるというのはとっても大事ですもんね。さて、それをもっと【気持ちを具体的】に言ってみるとどうなるでしょう?」

------う~ん、【気持ちを具体的】に、ですか。
『ありがとう。お母さんのことを思ってくれてうれしいわ』って感じかな?

「おっ!とってもいいですね。さて、子どもの立場として考えてみてくださいね。お手伝いをした時に、ただ単に『ありがとう』と言われるのと、『ありがとう。お母さんのことを思ってくれてうれしいわ』と言われるのと…」

------なるほど~。随分違いますね!

「では次にいきましょうか。2番目は【子どもが自信を持てるように!】です。これも例を挙げますね。子どもが部屋を片付けたとします。そんな時はどのようにいつも言ってますか?」

------それが悩みの種なんですよ。ほんとに片づけをしないんですよね。
まぁ、たまには片付けることもあるんですけど、そういう時は『ほら、そうやって片付けると、勉強もはかどるでしょ!』とか言っているような気がします。

「なるほど。じゃあこういう言い方だとどうなるでしょう?『○○ちゃんはえらいなぁ。整理整頓の才能もあるし、それを使って努力もするし』」

------う~~ん、確かに【自信を持つ】かもしれませんね。
それに、また片付けようという気になるかも…。

「そこなんですよね。こういう言葉を強化子と言うんですが。さて、3つめ。これが一番大事です! それは【関心と感心】。例えば子どもがテストを持って帰ってきたら、すぐに点数を見て評価するのではなく…」

------あ、ちょっと待ってください。ウチの子ってテストを見せたがらないんですよね。(T_T)

「もちろん子どもは一般的には見せたがりません。だって親はすぐ怒るか、子どもにとって不愉快な事を言いたがりますから。例えば説教したりディスカウントしたりね。
でも、テストは必ず見るようにしましょう。これはとっても大事なことです。ただ、ここで注意しなくてはならないのは、【関心を持つ】というのは、子どもをコントロールするのではなく、【見守る】ということなんですよね。だから、怒るとか説教するということとは違います。
さて、話を戻しますが、子どもがテストを持って帰ってきたら、すぐに点数を見て評価するのではなく、一度次のように言ってみてください。
『ご苦労様。ところでこのテストで、自分で《これは出来てよかったな》っていうところを教えてくれる?』
そして、それを子どもが教えてくれたら、『なるほどっ!』と【感心】するんです」

------どれだけ点数が悪くても…ですか?
「もちろんです。だって僕が話しているのは、【素敵な人に育ってもらう方法】についてであって、有名大学に入ってもらう方法ではありません。
もちろん怒ったり罰を与えなければいけない時もあります。例えば赤信号を無視したりして危険な時や、正当な理由もなく人をいじめたりした時は怒るべきでしょう。だけど、恐怖感を与えて良い成績を取ったところで、その子の長い人生においてそんなにプラスになるとは、僕は思えません。
大事なのは【 I am OK 】【 You are OK 】 という心を持てるようになることじゃないでしょうか」

------う~~~ん、ホントそうかもしれませんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その5【子どもへのフォロー】
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今回は『子どもへのフォロー』についてです。

私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師)に伺いました。

ポイントはなんでしょうか。

「『子どもへのフォロー』というと、小学生くらいのお子さんの場合にまず考えられるのが、勉強や宿題を手伝うケースです。
例えば社会科の宿題などで、子どもがわからない事が有ったとしますね。さぁ、貴方ならどうしますか?」

------そうですね。パソコンで調べてあげたり、図書館で本を借りてきてあげたりするでしょうね。

「親心としてはそうでしょうね。でも実は『情報そのもの』を子どもに与えるよりも、『情報を得るやり方』を教えることが、More Betterなんです」

------『情報を得るやり方』っていうことは、『パソコンでどのように調べるとよいか』とか、『図書館でどのようにその問題に役立つ情報を得て、コピーしたりするか』を教えるってことですか?

「そのとおりです! 」

------うわ~っ、なんだか随分手間がかかりそうな話ですね。

「かかりますね。でも大事なのは、例えばイチゴを与えるのではなく、『イチゴの栽培法』を教えることなんです。魚を与えるのではなく、『魚の釣り方』を教えることなんですね」

------なるほど。
ということは、例えば子どもが英語のスペルがわからないとしたら、知っていてもすぐに教えるんじゃなくて、辞書の引き方とかパソコンで調べる方法を教えるっていうことですね。

「そういうことです。わからない時にすぐに答えを教えたら、次にわからないことがあった時にも、同じパターンをとってしまい進歩しません。また簡単に教えると、簡単に忘れます。
これは、子どもの能力を結果的にディスカウントしちゃうことになるんですよね」

------手間がかかっても、後には実を結ぶ方がいいと…。

「はい。知識を身につけるのも結構ですが、知識を身に付ける方法を身につける、これをメタ学習と言うのですが、それが大事だと思います」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その6【好き・嫌い】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「我々ってよく『好き・嫌いを言っちゃダメ』って言いますよね」

------はい。
昨日も子どもが晩御飯のピラフのグリーンピースを残したから、そうやって言ったばかりです。
「あらま。そうですか。ではちょっと考えていただけますか? お子さんがこう言ったらどうします?
『わ~い!やった~っ!今日はハンバーグだ。おかあさんの作るハンバーグって大好きっ!』って」

------そりゃ、うれしいですよね。

「あれ? 怒らないんですか?『好き・嫌いを言っちゃダメ』って」

------え~っ?
あ、そうか。そう言われるとそうですね。好き嫌いを言っているんですもんね。

「ですよね。ということは、子どもにとっては『好き』は言ってもいいけど、『嫌い』は言っちゃダメってことですよね」

------う~~ん。(-_-;)
『嫌いを言っちゃダメ』って言わなくてはいけないってことですか。

「そういうことです。それってよく考えるとちょっとおかしくないですか? しかも、それが後々に影響するんですよね」

------影響って?

「『NO』が言えない、つまり【イヤ】と言えなかったり断ることが苦手なタイプに育っていく可能性が高いんです」

------あ、私もそうでした。こういうこと(心理学)を学んできたら、だんだん『NO』と言えるようになってきましたけど。

「それはよかったですね。お子さんも、自分の思いを大事にし、そしてそれを上手に表現できるようになるといいですね。そしてそれには、『好き・嫌いを言っちゃダメ』とか、【禁止する言葉】や【否定する言葉】は、簡単に使わずに、よく考えてみる事が大事だと思います」

------な~るほど。
じゃあちょっと質問なんですが、グリーンピースを残した時はどう言ったらいいんでしょう?

「その前に、少し考えてみませんか? あれだけ沢山の子どもがグリーンピースを嫌いっていうことは、『ひょっとしたらグリーンピースは不味い食べ物なんじゃないのだろうか』とか…」

------え~~っ!
でもよく考えたらそうかもしれない…。

「グリーンピースを食べないと死んでしまう、とかでしたら、そりゃ食べないとまずいでしょうけどね」

------そう言われるとそうですね。そんなこと、あんまり考えたことがなかったです。

「是非、考えてください。そのうえで、お子さんと『美味しくグリーンピースを食べられる方法』を一緒に考えられると、それはとっても素晴らしい子育てとなると思いますよ」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その7【自己開示】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------今日のテーマは『自己開示』ということだそうですが。

「はい。子どもの可能性が開けていくためにとっても大事なのが『自己開示』できる能力なんですね」

------自己開示って能力なんですか?

「そうなんです。もちろんスキル(技術)という面も持っていますが、『どの場面で』、そして『どれだけ』自己開示をするか、的確に判断できるというのは、或る意味能力と言っていいと思います」

------でも、自分をさらけ出すっていうのは、なんか恥ずかしいし、人から下に見られるみたいで抵抗が有るんですけど。

「そこなんですよね、問題は。サリ・ソルデンという人が、恥や内気、そして罪の意識などを『内なるバリア』と呼んでいますが、このバリアが子どもの可能性を閉じ込めているんです。
恥ずかしいから自分を出せない。ところが自己開示っていうのは返報性っていうのがありましてね」

------返報性?

「好意の返報性とか聞いたことがないですか?」

------あ、あります。こちらが相手に好意を持つと、相手もこちらに好意を持ってくれるっていうのですか?

「そうそう、それです。それが返報性なんですけど、自己開示にもあるんですよ。つまりこちらが自己開始すると相手も自己開示すると、相手も自己開示してくれるわけです」

------ありますね、そういうこと。失敗した話をしたら、相手もその失敗をしていたってことを打ち明けてくれたりして。

「そう言えば僕はそれであせった事がありますよ。4月1日、つまりエイプリルフールに、ある友人に『オレ、実はカツラなんだよ』って言ったら、なんとその友人が『え~っ、そうなのか!実はオレもカツラかぶってるんだ』って…」

------それはあせりますね。(-_-;)

「あせりましたね。まぁそんな話はさておいて、内なるバリアが強力だと自己開示できない。そしたら相手も自己開示してくれないから、深い付き合いになれない。
すると、自分は友達が出来ない人間だと、ますます罪の意識や内気が強化されてバリアが大きくなっていく…」

------うわ~、悪循環ですね。

「そうなんですよね。だから、例えば『失敗話をしたら馬鹿にされる』などという認知の枠組みは見直したほうがいいんです。実は人間って『失敗話を自己開示できる人間を尊敬することが多い』んです。
明石家さんまさんや、ビートたけしさんを見てください。僕だって交流分析のメルマガで、よく自分の失敗話を書いていますが、それでも交流分析の専門的なメルマガとしては、たぶん日本で一番読まれていますし、別に馬鹿にされたことはありません」

------そう言われるとそうですね。

「もちろん自己開示も下手にやると馬鹿にされる時もあります。ただそれはスキル(技術)が無い場合です。そして、スキルは誰でも練習すれば身に付きます。
そしてそれが身に着いたら、人も自分に自己開示してくれますし、開けっぴろげな付き合いも増えていきます」

------なるほど。そうなれば、内なるバリアも小さくなっていくということですね。
でも、そのスキルはどうすれば学べるんですか?

「これは、本当に申し訳ないのですが、文で簡単に説明するわけにはいかないんですよ。ワークと言って、実際に講師のもとで自己表現の練習を積んでいくのが一番なんです。
行動療法を主としているしっかりとしたセラピストなら、教えてくれると思いますよ。是非身に付けてください」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その8【感情表現】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------うちの子ども達は、何をきいても『べつに~』とかいうんですけど、どうしてなんでしょうか?

「最近の子どもは、確かにその『べつに~』っていう言葉をよく使いますね。これはホントに『べつに無い』のではなく、『言うのがめんどくさい』ってことだと思うんですよ」

------喋るのってそんなに面倒なんでしょうかねぇ。要らないことはベラベラ喋ってると思うんですけど。

「いや、そういう意味ではなく、実のところは『上手に表現できない』のではないかと僕は思っているんですよ」

------なるほど。

「場合によっては、『自分の気持ち』をしっかりと知ることもできていないかもしれませんね」

------え~っ! 自分の気持ちくらいわかっているんじゃないですか?

「それがそうでもないんですよ。例えば学校で、自分の好きなアイドルを誰かにけなされたとしますね。その時、親しいと思っていた友人が自分の味方をしてくれなかったとします。さあその時の気持ちはどうだったのか…」
------といいますと?

「『怒り』『悲しい』『淋しい』『悔しい』『みじめ』、いろいろあるでしょ?」

------あ、そう言われるとそうですね。

「まずこれがわかってないと、自分の気持ちを上手には表現できないですよね。ところが学校の勉強では、こういうことはあんまり教えてはくれません。ここが問題なんですよ。
よく『今の子はいきなりキレる』といいますが、確かに我慢や辛抱は昔の子どもに比べてできないものの、原因はそれだけではないと思います」

------そうか~。自分の気持ちを上手にできなくて、誰にもわかってもらえず、それで怒りが爆発すると『キレた』ように見えるってことかもしれないんですね。

「そういうことです。子どものうちはキレても許されるかもしれませんが、そのまま大人になったら大変な苦労をします。自分の気持ちを理解し、言語化して上手に表現する能力を身に付けさせるっていうのは、とっても大事なんですよね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その9【ネット・ゲーム依存1】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------最近、『うちの子は一日中ゲームばかりやっているけど、ゲーム中毒にならないかしら』と心配されるお母さんが多いのですが…。

「確かにゲーム依存症といってもいいくらい、ゲームやネットに長時間を費やしている子供が増えましたね」
------例えば1日のうち6時間も7時間もゲームをしている子に、ゲームをやめさせるにはどうしたらいいのでしょうか。

「う~ん、ここがこの問題の難しいところなんですよね。一般的に、皆さん『依存』ということを軽く考えすぎなんですよ。
例えばアルコール依存症やギャンブル依存症などを考えてみてください。依存から抜け出すというのは、本当に大変なことなんです」

------え~っ、じゃあゲームやネットの依存も?

「そりゃそうです。だってゲームやネットで収益を挙げている会社は、今や産業の中核を担う存在になるまで巨大化していますよね。彼らはゲームやネットから離れられたら死活問題です。
そりゃ必死になって人々がゲームやネットから離れられないように日々頭を振り絞っていますからね。そう簡単に『ゲームやネットで時間を潰すのは卒業しよう』というわけにはいかないと思いますよ」

------そう言われるとそうですね。

「だって今の子ども部屋って、パソコンやゲームやテレビを置いてある場合が多いじゃないですか。子どもによってはスマホまで持ってたりして…。
あれでいくら親が『早く寝なさい』って言っても、そりゃ難しいでしょう。実は、そういう環境がかなり問題なんです。最近は潜在的な『引きこもり予備軍』が増えているのではないかと、僕は思っているんですね。
昔は『引きこもり』というのは、親も辛いかもしれないけど、本人も辛かったんです。ところが最近はゲームやネットがあるおかげで、引きこもりというのは本人にとって、それほど辛いものではなくなってきつつあるんです」

------それはかなり怖い話ですね。

「そうなんですよね。そう皆さんが認識していただけるとありがたいのですが…。
依存というのは本当に怖いんです。例えば僕だって、高血圧だの糖尿予備軍だのと散々かかりつけのお医者さんに怒られているのに、晩酌をやめられないワケです。ましてや、まだ『意志』ができあがっていない子どもの場合は、陥りやすい環境なんてもっての外なんですよね」

------うちの子も、スマホも持っているしパソコンも部屋にあります。
これは真剣に考えないといけませんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その10【人の依存】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------前回は依存症についてお話していただきましたが、今回は『人に対しての依存』について伺いたいのですが。

「なるほど。確かに最近よく『今の若者は人に依存している』という言葉を聞きますね。ただ注意しなければいけないのは、人に依存することが【全ていけない】というわけではない・・・ということです」

------え? 依存したらダメなんじゃないのですか?

「そこが難しいところなんですよね。じゃあ【人にモノを頼む】というのはどう思います?」

------あ、そうですね。
私は人にモノを頼めないほうなんですよ。
それで結局自分がいっぱい抱え込んで辛くなったりすることも多いんですけど…。

「じゃあ、そういうのを『依存せずに自立している』って言っていいんでしょうか?」

------そう言われると…。

「自分でできることは自分でやる、というのは大事なことだと思います。でも【頼んだっていい】んですよね。ましてや、自分にできない事なのに人に頼めない、となるとこれは問題です」

------な~るほど。

「『頼むことができない』という人は、次の2つの枠組みのどちらか、または両方を持っている可能性があります。

1.頼むと嫌われるかもしれないという不安
2.相手を信頼する能力が育っていない
   そしてこれらは、幼児の頃に『母親という安全基地』を持っていなかった人によくあるパターンなんですね。
ボウルビィという精神分析小児科医は、アタッチメント(愛着)ということを重要視しました。母子がお互いにとるコミュニケーション、例えば微笑みあったりとかによって、幼児は愛児用とか信頼関係を作り上げていくという理論です。
このアタッチメントによって、幼児は母親のイメージを心にしっかりと持ち、段々と母親が傍にいなくなっても不安なく人と接することができるようになるというワケなんですね」

------ということは、その母子のコミュニケーションがあまり無いと、『母親という安全基地』を持てずに、人を信頼したり、自分をOKと思うことができない人になっちゃうんですか?

「まぁ、みんながみんなそうなるというワケではないんですけどね。ちょっと 『人に依存する』というテーマからずれてきたような気もしますが、その【自分をOKと思えない】っていう人が、人に依存しやすいっていうのは確かだと思います。
中には、大人になってもず~っと『母親か父親の替わりとなる安全基地』を探し続けている人も、結構多いんですよ」

------そうなんですか。
アタッチメントって、要は【心のこもったふれあい】ですよね。
本当に大事なんですね~。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その11【子どもの力を伸ばそう】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------よく、『子どもの持っている力を伸ばそう』って言いますよね。
それはそうだとは思うのですが、実際にどうやってやればよいのかがわからないんですけど…。

「なるほど。(笑) 確かにそうですよね。
『褒めるのが大事』と書いてある本は多いですけど、実際の褒め方についてはあまり書かれていない場合が多いですし、『子どもの可能性を信じろ』と言われても、具体的にどうしたらいいのかわからないって言われるお母さんが多いですから」

------そうなんですよね。 なんか、タテマエはごもっともなんだけど って思っちゃうんです。

「じゃあ、『子どもの持っている力を伸ばす』ための考え方の具体例を1つ挙げましょうか。
わかりやすくする為、ちょうど1学期も終わったことだし、通知表を例にしますね。英語、数学、国語、理科、社会の主要5教科で考えてみましょう。
例えば《英2 数4 国5 理2 社2》という成績の子がいたとしますね。この5教科の平均は、3となりますから、クラスで真ん中あたりの成績となります」

------ウチの子も高校生なんですけど平均はそれくらいです。

「そうですか。実はこの成績は僕がそれくらいだったと思うんですよね」

------えっ? そうなんですか。

「そうです。バイクだの音楽バンドだのとことん遊んでいたので、順位は真ん中よりもずっと後ろでしたけど。
まぁそれはともかくとして、お子さんがこの成績だったとしたら、どのように望みますか?」

------そうですね~。
やっぱり、英語と理科と社会のどれかを。もう少し頑張ってほしいですね。

「一般的には、そう考える方が多いんですよね。まぁそれでお子さんが頑張って《英3 数4 国5 理2 社3》に成績を上げたとします。これで平均は3.2となりますね。
でも、これは僕に言わせると伸ばしたことにならないんですよ」

------え? どうしてですか。

「最初の成績は、僕がそれくらいだったと言いましたね。そして僕は結果的にはこうなったと思うんです。《英2 数4 国7 理1 社2》って。これも平均はやっぱり3.2ですよね」

------あの、ちょっとわからなくなっちゃいました。
国語が7って何ですか?

「通知表っていうのは5までです。でも、実際の能力っていうのは上限は無いんですよ」

------あっ! そう言われるとそうですね。

「僕が今やっている仕事、つまり心理カウンセラーや講演の講師という仕事においては、《英3 数4 国5 理2 社3》じゃ難しいんです。
でも《英2 数4 国7 理1 社2》でも成り立つんですよね。もちろんもっと良いにこしたことはないですが。
そして、記憶力が人より悪い僕にとっては、英語の2や社会の2を3にするよりも、国語の5の力を7に上げるほうがずっと楽なんです。本を読むのは好きでしたし…」

------なるほど。 私なんか、ついつい『国語はもう5を取っているんだから、単語とか地理を覚えなさい』って言っちゃいそうです。

「そうなんですよね。ただ、苦手の克服も大事だけど、我々は劣っているものに、すぐに目がいっちゃって、持っている能力に意外と気付いていないんですよ。
『頭の回転が速い』というとすぐにこれは能力だとわかりますよね。でも、『しつこさ(根気)』とか『地道(努力)』とか『あきらめの良さ(気分転換の早さ)』とかもみんな能力なんです。
『ウチの子は次から次へと遊びばっかり考えてっ』というのも、それはそれで『面白がる能力』なんですよ。世間様や他所のモノサシで比べてばかりいると、そのあたりがわからなくなってしまいます。
その子のタイプをしっかり考えて、そして通知表をもう一度見直してみたらいかがでしょうか」

------う~~ん、さっそくそうします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その12【子どもを理解する】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------鷲津先生はよく『子どもを理解することの重要さ』についてお話しされますが、今日はそれをテーマにしていただけますか?

「子どもを理解するには、まず第一に、人間というのはとっても社会的な生き物だということを、しっかりと認識する必要があるんですよ」

------社会的な生き物っていうのは、たいていの親は認識していると思うのですが?

「もちろん理屈ではわかっておられると思います。でも僕から見ると、沢山のお父さんやお母さんは、子どもの行動だけではなく、子供がその行動をとっている周囲の環境や状況を、しっかりと把握していないような気がするんです」

------と言いますと?
「例えば国語のテストの点が悪かったとしますね。その場合、叱る親は多いのですが、テストの中身を自分で吟味する親は少ないんですよ。
また、『良い点か悪い点か』とか『順位』ばかり気になって、子供と先生の関係とか、子供の本棚にはどんな本があるかとか、いろいろな環境によって『テストで悪い点をとった』と考える親が少ないのではないだろうか、ということなんです。
他の話で言えば、例えば友達関係で、親から見ると気に入らない行動を子供が取った場合でも、『友達のグループはどのような力関係なのか』とか、極端な話で言うと、お弁当を持っていく場合、周囲はどんな内容なのかとかなんですけどね」

------う~~ん、なるほど。

「子どもの行動というのは、必ず何かしら意味があるものなんです。例えば先生から怒られる行動をとったとしても、それはその子の属する社会において、そうせざるを得なかったという場合も結構多いものなんですね」

------それを、先生から連絡があったからといって、いきなり叱ってしまってはいけないと…。
「そういうことです。先生には先生のモノサシがあり、子どもにはその属する社会においての行動のモノサシがあります。
もちろんそれが許されない場合もあるでしょう。でも、同じ『叱る』にしても、そのあたりを理解して叱るのと、やみくもに叱るのでは、子どもの心への影響は天と地くらいの差がついてしまうんですよ」

------でも、周囲の環境や状況を考えるのが大事っていうことはわかりましたが、親は学校や塾や遊びの場についていくワケにもいかないじゃないですか。

「仰る通りです。また親があまり神経質になるのも、それはそれで問題が起こりますしね。ただ、子どもの行動は
【周囲の環境や状況において、そうせざるを得なかったかもしれない】
という考え方もできるにこしたことはないんですよ。
そして、子どもの周囲の環境や状況も観察するにこしたことはないんですね」

------そうですね。
確かに子どもの周囲の環境や状況をあまり考えず、自分のモノサシで叱ったりすることも有るような気がします。
そういう事を頭において子どもと話すことが、子どもの理解に繋がるのかもしれませんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その13【いじめ】
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------最近『いじめ』がとっても大きな社会問題となっていますが、いじめられやすい子どもにならない為には、親はどんなことに気を付ければいいのでしょうか。

「これはとっても難しい問題ですね。その時々や環境によって違いは出てくるとは思いますが、性格心理学で著名な詫摩武俊博士が『嫌われやすい子』のパターンを次のように挙げておられます。
・動作の遅い子
・悪い癖(例:盗癖、性器をいじる等)のある子
・不潔な子
・下品な子
・ウソをつく子
・わがままな子
・暗い子
・乱暴な子
・すぐ文句を言う子
・話すのが苦手な子
・はっきりしない子
・いい子ぶる子
・とっつきにくい子
・嫉妬深い子
     (以上 『好かれる子 嫌われる子』詫摩武俊著 より引用)」

------う~ん、確かにそうなんでしょうけど、これって誰でもどれかは当てはまってしまうんじゃないですか?

「そのとおりです。このどれにもあてはまらないなんて、返って珍しいでしょうね。程度の問題というのもあるでしょうし、また親が気にし過ぎて怒ってばかりいたら逆に子どもは神経質になってしまうかもしれません。
ただ、確かに上記の特徴というのは『いじめられやすい子』にはよくある話です。躾によって変えられるなら、それにこしたことはないでしょうね」

------そうですね。
全部を無くそうと思ったら大変ですけど、いつも鷲津先生が仰る『マシ( More better ) 』になればいいんですもんね。

「そういうことです。ところでここで注意が必要なのですが、所謂広汎性発達障害、ADHDやアスペルガーや学習障害の子、またそういう傾向を持っている子は、『動作が遅い』『わがまま』『乱暴』『すぐ文句を言う』『話すのが苦手』『とっつきにくい』などの傾向を生得的に持っているケースがあります。
こういう場合は、下手に厳しく躾けると返って性格がおかしくなってしまう場合も多いので要注意なんですね」

------そういう場合はどうしたらいいのでしょう。 「これはやっぱり、そういうことをしっかりと対処できる児童精神科や小児科のお医者さんか、発達障害に詳しいカウンセラーに、まずは相談してみることが大事です。その子に合った対処法を教えてくれますから」

------そうですね。
親が自分一人で悩んでいてもしょうがないですもんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その14【子どもと一緒にヘコむ】
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------最近、うちの子がやる気を失くしちゃっているんですけど、どうしたらいいでしょうか。

「なんか原因あるんですか?」

------先日あったテストで、本人はそれなりに頑張ったみたいなんですけど結果が思ったよりもかなり悪かったみたいで…。

「なるほど」

------『落ち込んでいる暇があったら、もっと頑張ったら? やればきっとできるわよ』
って励ましたんですけど、私の言うことなんか全然耳を貸さなくって、『どうせわたしは頭が悪いから』って毎日だらだらしているんですよ。

「う~ん、難しいですね。じゃあちょっと観点を変えて考えてみましょうか。今の話じゃないけど、貴方が子育てを一生懸命考え、努力しているにも関わらず、子どもが良い評価を取れなかったとしますね。貴方は当然落ち込むと思います」

------はい。まさに落ち込んでます(笑)

「さて、そこでですね。娘さんのお父さん、つまりご主人が貴方にこう励ましたとしますね。
『落ち込んでいる暇があったら、もっと子育てを頑張って努力したら?やればきっとできるよ』 」

------ あっ!

「気付かれました?」

------はいっ!
子どもの為を思って励ましていたんですけど、違っていたんですね。
励ますよりも、落ち込んでいる気持ちをわかってほしかったんだ!

「そういうことです。お子さんの事を思って励ました気持ちはよくわかりますが、逆に『わたしの気持ちをわかってほしいのに、わかってはもらえないんだ』と、ますますガックリしてしまったかもしれないんですよ」

------そうだったんですね。

「そういう時は、まず一呼吸置くことが大事なんですね。一番いいのは【子どもと一緒にヘコむ】ことなんです。
『そうか~。そりゃガックリだね~。うまくいかないもんだね~』と一緒に困っていれば、不思議なもので子どもというのは立ち直っていく力があるんですね。それを発揮してくれます」

------なるほど。確かに私も、今主人に励まされるよりも、一緒にヘコんでもらったほうがずっとうれしく感じると思うし、立ち直れそうな気がします。
早速やってみます。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その15【子どもを叱る】
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------子育てのセミナーや子育ての本には、たいてい『叱ってはいけない』ってありますよね。
でも、どうしても叱らなきゃいけない時があると思うんですよ。
そういう時にはどうしたらいいでしょうか。
「おっしゃるとおりですね。確かに子どもの『行動の変容』を促す際には、褒めて変えられるなら、叱るよりも褒めるにこしたことはありません。
でも確かに、これは叱らなければいけない!っていう時だって当然ありますよね。ただ、そういう時はこれだけは気をつけていただきたいんです。
『叱るというのは、親の【権利】ではなく【義務】である』ということを」

------【権利】ではなく【義務】、ですか?

「そうです。親や先生は、叱る権利を持っているのではなく、褒めるという手段ではかなり不都合がある時、つまり危険な時とか絶対にやってはいけない事をした時に、子どもを叱る【義務】を負っているんです」

------なるほど。

「だからこれは、叱る方が明確な基準を持っていないとダメなんですよね」

------と言いますと?

「・やってもいい事
 ・やらないほうがいい事
 ・やってはいけないこと
 ・絶対にやってはいけないこと
の基準です。
そして、基本的には『やらないほうがいい事』や『やってはいけないこと』は、【やらなかった時に褒める】ほうがいいんです」

------なんとなくわかってきました。
そして、『絶対にやってはいけないこと』の基準を、私たち親や先生は、子どもに対して『叱ってその基準を教える義務がある』ということなんですね。

「そういうことです」

------確かに、そうやって考えると叱り方が変わってくるような気がしますし、子どもも受け止め方が違うでしょうね。

「そうですね。まずはその基準について考え、そして家庭内で、また機会があれば先生とも話し合って見られてはいかがでしょう。人によってその基準が違うと、子どももたまったもんじゃありませんから」

------わかりました。早速やってみます。(^ ^)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その16【子どもの拒食症】
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------最近は小学生の中にも拒食症の傾向がある子どもが見かけられるようになったと聞きますが…。

「そのとおりです。摂食障害とまではいかないにしろ、食べる量を抑えてほっそりとした体型を目指したり、維持しようとする子はかなり多いのじゃないでしょうか」

------体に悪いですよね。

「本当にその通りです。将来にわたって大きなリスクを背負い込みますから、親御さんには是非注意していただきたいですね。
しかしこれには困った問題も最近増えてきているんです。従来は親子間の葛藤とか何か子どもの心に陰があって拒食症に進むとかが多かったのですが、最近は明るい子が拒食症になったりするケースもあるんですよ。
そういうケースでは、よくよく聞いてみると、親が自分の子どもがスタイルがいい、もっとも僕から見ると痩せすぎなのですが、そういうことを喜んだり自慢したりするお母さんの存在が見えてくるんですね」

------それって例えば、我が子がAKBなどのようになってほしいと思っているのでしょうか。

「まぁそこまではいかないと思いますが、投影は起きているような気がします」

------投影と言いますと?

「例えば、昔はよくあった話ですが、子どものころにプロ野球選手に憧れた男性が、父親になったら子どもに野球を熱心にやらせるとか、学歴に劣等感を持っている親が、教育熱心な場合を想像してください」

------今でもありそうな話ですね。

「自分が野球選手に憧れていたから、子どもも憧れているように見えちゃうんですね。そして子どもは無意識のうちにそれを理解して、親の未完の思いに向かって努力する、という構図です」

------ということは、お母さんが心の奥底で『カッコいいスタイル』に憧れていたり、モデルやタレントに憧れていたとしたら…。

「そういうことです。娘が食事量をついつい制限してしまうことだって有り得ます」

------怖いですね。

「そうですね。もちろんそれ以外にも雑誌やテレビなどのメディアの影響も大きいと思います。でも、これは親が『成長期にはしっかりと栄養を取らなくてはいけない』というしっかりとした考えを持ち、家庭内でもそれを常に表していないといけないんです」

------そうですね~。いくらほっそりとしてカッコよくても、将来において体が弱かったら結局苦しむのはその子ですもんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その17【親が、どう在るか】
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------このところ、子育てに関する講演依頼が多いとのことですが。

「そうですね。ここ1~2年の間にかなり増えたような気がします。ただ、講演を聴きに来ていただく方の関心は、『どうやって育てるか』がメインになっているんですね」

------え? 私もそうですが。

「そうですか。もちろん『どうやって育てるか』も大事です。でも、僕が思うには『親が、どう在るか』が大事なんですよね。なぜかと言うと、やっぱり【トンビの子はトンビ】なんですよ。
【トンビが鷹を産む】っていうのは幻想の場合が多いんですね」

------う~ん、確かに…。

「モデリングって言うんですけどね。例えば『完璧主義』でピリピリしている親だと、いくら子どもに『のんびりと大らかな人になれ』と言っても無理があるんですよ」

------そうですよね~。

「特に、次のような言葉を使う親からは、どうしてもネガティヴな子どもや、周囲の顔色を気にする子どもになっちゃうんですね。
『どうせ』
『所詮』
『いつも(の後にネガティヴな言葉を続ける 例:うまくいかない)
『やっぱり(の後にネガティヴな言葉を続ける 例:できなかった)
『私なんて』
『(ネガティヴな言葉 例:わからない)~にきまっている』
こういう言葉を普段親が使っていると、子どもはそれを自分に取り入れて自分をディスカウントするようになっていき、悪循環ができてしまうんです」

------なるほど。
だから、『どうやって育てるか』の前に『親が、どう在るか』、つまりこの例だと、親が自分をディスカウントしないように変わることが大事ってことですか。

「そういうことです。人に好かれないと悩んでいる親が、子どもに『人に好かれるようになりなさい!』と言っても、やっぱり無理があります。
人に頼まれたらイヤと断れない親が、子供に『言いたいことをはっきり言うように!』と怒っても、子どもは出来るわけがないんですね」

------言われてみるとそうですよね。
確かに、自分が苦手なことを、返って強く子どもに要求しているような気もします。
『親が、どう在るか』を真剣に考えないといけませんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その18【イライラする子】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


『イライラしている子ども』が増えている、という話をよく聞くのですが。

「そうですね。確かに増えていると思います」

------やっぱり世の中がギスギスしているからでしょうか?

「もちろんそれもあるでしょうね。お父さんが会社で効率化や人件費削減などでギリギリの仕事内容をさせられていたり、お母さんも共働きだったりすると、当然家庭の雰囲気にもゆとりがないなどの影響が出ちゃいますよね。
また学校でも、先生方の仕事は以前に比べて格段に増えています。非正規教員のウェイトが大きくなったり、教育委員会への提出書類等が増えたりと、かなりキツくなっていますから、子ども達とふれ合う余裕が減っているのも事実です」

------それでは子どもがイライラしちゃうのも当然ですよね。

「ただ問題があるんですよね。子どもって、自分の感情を上手に表現できない場合が結構あるんです」

------と言いますと?

「例えば『悲しい』とか『落ち込んでいる』場合も、『イラつく(イライラする)』と言う場合が最近の子どもには多いんですよ」

------あ、なるほど。
憂鬱だったりヘコんだりしている時でも、イライラしているような表現をしてしまうっていうことですか。

「そういう事です。そして注意しなければならないのは、そういう状態が続き、うつ病になる子が少なくないということなんですね」

------うつ病ですか!

「はい。実は不登校やひきこもり、摂食障害や問題行動を起こす子どもの中には、うつ病ではないかと思われるケースが結構あるんです」

------そういう場合はどうすればいいんですか?

「これは大人の場合と一緒です。まずはゆっくりさせる事。そして児童精神科を受診されることをお薦めします」

------どんな子がうつ病になりやすいのでしょうか?

「これはいろいろなケースがあるので一概には言えませんが、やっぱり両親のどちらか、または子育てに深く関わっている祖父母がいたらその祖父母の誰かが、

●完全主義(完全を目指すというだけではなく、白か黒、オール・オア ・ナッシングという考え方をする事)
●べき主義(~すべきだ。~であらねばならぬ という考え方)
●過度の一般化(1つの事を全てにあてはめる。「あなたは【いつも】~」とか、「そんな事をしたら【みんな】に笑われるでしょ」等)

という傾向を持っている家庭に多いですね」

------なるほど~。
親の考え方が影響するってことですね。

「はい。またお母さんが不安症だったり、不安になりやすい場合も、子どもはうつ病に罹りやすいと思います」

------そうですか。
やっぱりお母さんの状態って、影響しちゃうんですね。

「そうですね。親の不安が子どもの不安な状態を引き起こすというのは、よくある話です。悪循環にならないように気をつけてくださいね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その19【励ましと共感】
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「今回は『励ます』ということについて考えてみましょうか。まずは、次の会話について考えてみましょう。

中2の娘さんが、クラブ活動のバスケットの大会で、自分のミスで試合に負けてしまったとします。

娘『私がミスしちゃったから、試合に敗けちゃった。(涙)』

母『しょうがないじゃないの。誰にだってミスはあるんだから』

娘『みんな、すごく頑張ってたのに、私のせいで…』

母『そこまで自分を責めることないと思うわ』

娘『みんなに迷惑かけちゃって。私なんかもうやめたほうがいいのかも』

母『そんなことないって。気にしすぎ、気にしすぎ』


さぁ、この会話ですが、どういう感じを受けますか?」

------なんか、自分でもこんな励まし方をよくやってるような気がしますけど、こうやって改めて読むとちょっとなんだかなぁって感じですねぇ。

「そうなんですよね。このお母さんは悪気ではなく、本当に娘さんに元気になってほしくて言ってるのだとは思います。でも、実はこのパターンが子どもが親に相談しなくなる原因の1つなんですね」

------子どもがネガティヴな感じになっていると、ついついポジティヴに励ましちゃうんですけど、逆効果ってことですか。

「そういうことです。それをされると、子どもは『自分の気持ちを真剣に聞いてくれない』と感じ、『親すらわかってくれない』とますます落ち込んだり、怒りが湧いたりする場合が多いんです」

------ヘタに励ますより、共感が大事っていうことですね。

「そのとおり。子どもが落ち込んでいる時は、一緒に落ち込むような感じがいいんです」

------そうなんですね。

「これは子どもが困っている時も同じです。ヘタに解決策や親が考える良い方法を即座に教えるより、まずは【一緒に困る】のが大事なんです。そして一段落してから、はじめて【教える】のではなく、【提案】すると、子どもはそこで『お母さん(お父さん)に相談してよかった』と、感じるんですね。
もっとも、子どもって偉いもので、親が『一緒に困っている』うちに、自分でいろいろと対応策や解決策を考えていくものなんですけどね」

------う~~ん。それを待つっていうのは、なんか『辛抱』が要りそうですね。

「そうなんですよ。そこが待てないんですよね~。こっちは答えがわかっている時なんかは特にね。子育ては忍耐力が要りますね。(笑)」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その20
【『損得の問題』と『人生の問題』】
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「今回は、我々人間には2つの問題があるっていうことについてお話したいと思います。ちょっとシビアなお話になっちゃいますが」

------2つの問題と言いますと?

「『損得の問題』と『人生の問題』です。でも我々は『損得の問題』はよく考えるんですけど、意外に『人生の問題』はそんなに考えないんですよね」

------えっ、そうでしょうか?

「そうなんですよ。例えば塾に結構お金を使う親御さん方って結構多いでしょ?」

------多いと思います。結構高いんですよね~、塾に払うお金って。

「じゃあ、何のために高いお金を払うんですか?」
------そりゃ、私の場合だと子どもにいい高校に行ってほしいので…。

「どうしていい高校に入ってほしいんですか?」

------いい大学に入れますもんね。
いい大学に入ったほうがいいでしょ?

「じゃあ、どうしていい大学に入ったほうがいいんですか?」

------そりゃ、こんなご時世だからいい会社に正社員で就職するには、いい大学の方が有利でしょ?

「なるほど。じゃあいい会社っていうのは?」

------安定していて収入とかもよくて…。
あ、なるほど。『損得の問題』なんですね。

「そうなんですよね。ところがね、ちょっと例を挙げましょうか。
僕は子育てについて講演をすることがよくあるんですが、講演が終わって帰ろうとすると、たいてい1人や2人の参加しておられた方が僕のところに来られるんです。
そして、ご自身の悩みを言われるんですね。お子さんがひきこもりだとか、発達障害ではないかと悩んでいるとか…」

------たしかにそういう方がおられますね。

「それで、僕が『次の仕事が待っているので、もうこれからすぐに駐車場に行かなければなりませんので』と言うと、こう仰る方がおられるんです。
『いや、駐車場までの歩きながらで結構ですから』」

------真剣に悩んでおられるんですね。

「真剣ですかね。僕は思うんですよ。ひきこもりとか発達障害っていうのは、そのお子さんの『人生の問題』だと」
------あっ! なるほど。『駐車場までの歩きながらで結構』な話か、と…。

「そういうことです。講演の冒頭に、僕のことはカウンセラーとして紹介されているんです。しっかりと時間に余裕を持って相談にこられてはいかがかと思うんですよね。でも意外とそういう人は来ない場合が殆どなんですよ」

------う~~ん、確かに『損得の問題』には敏感だけど、『人生の問題』についてはそんなにお金や手間や時間はかけていないかもしれませんね~。

「それが結果として、子どもに莫大な損を負わせてしまうことがあるんですけどね」

------そうかもしれませんね。
『損得の問題』と『人生の問題』ですか…。
その観点でいろいろと考えてみる必要がありそうですね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その21
【人に大事な3つの事】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は、『人にとって大事な3つの事』についてお話したいと思っています」

------3つの大事なこと?
気になりますね。(笑)

「まず1つ目は、【セルフ・エスティームを持つ】というものです」

------【自尊感情】と言われているものですね。

「はい。ただ自尊感情というと、何か人が尊敬できるものではないといけないのではないか、と考えられる方も多いんですね。でもそこまで考えず、『私って、捨てたもんじゃないなぁ』という感じで充分なんです」

------なるほど。『私って、捨てたもんじゃないなぁ』というのを、いくつか持てるといいということですね。

「そういうことです。そして2つ目は【アサーション】のスキルです」

------【自己主張】と言われているものですね。

「そうですね。そしてこれも『自己主張』というとキツくなってしまうので、これは『自己表現』と考えてください。
実はこれってかなり難しいんですよ。人って、まず『自分の本当の気持ち』に気づいていないんです。『こんなことは言うべきではない』という刷り込みが結構あって、抑圧されちゃっているんですね。だから、ついついきれい事や、本音と違う表現になってしまうのですが…」

------う~~ん。
確かに、【自分の本当の気持ち】を表現するのって簡単じゃないかもしれませんね。

「そうなんです。それにしかも【できるだけ損をしないように、得をするように表現する】のが大事なんですよね」

------そりゃ、難しい。(笑)

「3つ目は【サイバネティクス】という考え方です。これは説明するとかなり長くなってしまうので、とてもメルマガでは無理なのですが、簡単に言いますと
・まずは、気楽に目標を設定する
・そして常に、その目標に向けて、情報を取り込んでは軌道修正する
という方法です。
ミサイルがそうなんですよね。この『情報を取り込んで軌道修正する』のをフィード・バックと言っているのですが」

------なるほど。
大砲のように、ドーンと撃って終わりじゃダメなんですねぇ。

「この3つが、子どもの将来において大きな差を生みます。一つ一つについてはまた詳しくお話しますね」

------はい。是非お願いします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その22
【相談する相手】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------もうすぐ進級とか進学の季節がやってきますが、変化にとまどう子ども達も多いと思います。
そうなるとお父さんやお母さんは、誰かに相談したくなる事も出てくると思うんですが、どういう人に相談したらいいでしょうか?

「『どういう人』ですか。ちょっと漠然とした質問ですね。(笑)
まあケースによっていろいろ有ると思うのですが、これだけははっきり言えるのは、【現在から未来】のことを【具体的】に話し合える人がいいでしょうね」

------と言いますと?

「これは僕にも当てはまるから反省しなけりゃいけないんですが、相談したときに【現在の説明】や【原因追求】ばかりの話になってしまう事が結構多いんですよ。
例えば、今学校へ行きたがらないのは『分離不安が起きているのではないか』とか、不登校なのは過去の『母子関係に問題が有ったから』とかいうパターンですね」

------あ、なるほど。

「もちろん、現在の説明や過去の問題を考えることがいけないというワケではありませんよ。それはそれで大事なこともあります。
ただ、大事なのは【その子(自身)は、将来どうなりたいのか】とか、【その為には今、具体的に何をすればいいのか】なんですよね」

------う~ん、そう言えば原因追求や批判ばっかりしているような気もしますね。

「そうなんですよね。どうしてかって言うと、実はそちらの方が簡単なんです。逆に、【具体的に何をすればいいのか】を考えるのってとっても難しいんです」

------わかってたら、してますもんね。(笑)

「そうですね。セミナーなんかでよく、『子ども達には具体的に指示をしなさい』なんて講師が言っているでしょ。でもそうやって言っておきながら、具体的な指示のやり方を話さずに、次の話に移っていっちゃうことが結構あるんですよね」

------すごく抽象的な指示ですね。(笑)

「具体的っていうのは、それくらい難しいんです。だからこそ、子どもが希望する、その子の未来を考え、それを一緒に考えて具体的にどのような行動を今起こすかをしっかり相談出来る人を探さなきゃいけないんです」

------まず探すのが、大変な気がしてきました。(笑)

「具体的にどう探したらいいかを言えずにごめんなさいね。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その23
【行動の消去】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今日は【消去】についてお話しましょうか」

------消去と言いますと?

「『行動が強化の手続きをする以前と同じになる』ということなんですけど、ちょっとこれではわかりにくいので例を挙げますね。例えば太郎君が学校から帰ってきた時、帽子をその辺に投げ出して自分の部屋に入っちゃうとかしちゃうとします」

------あ、よくある話ですね。(笑)

「そこでお母さんは、玄関に帽子をかけるフックを取り付け、帰ったらそこにかけるよう、太郎君に言ったわけですね。これを先行刺激と言います」

------でもなかなか言うことを聞かないんじゃないですか?

「そうなんですよね。でも根気よくお母さんが言ったせいもあり、太郎君はある日、玄関のフックに帽子をかけたとします。(行動)
さて、貴方がお母さんだったら、この行動を見てどうしますか?」

------もちろん褒めます!

「いいですね。それを当たり前だと思うのではなく、その行動をしっかり褒めるのが大事です。この褒めるのを後続刺激と言います。
さて、なんと太郎君はその後、帽子をかけ続けたとしたとしますね。さて、お母さんならどうしますか?」

------どうしますかと言われると…。
たぶん次の何かができるように指導していくと思うんですけど。

「たぶんそういうお母さんが多いと思います。でも実はここがポイントなんですね。そこで【消去】が起きちゃうんですよ」

------あ、『行動が強化の手続きをする以前と同じになる』…。

「そういうことです。また帽子をほったらかして遊びに行っちゃうんです」

------ありますあります。
すぐに元に戻っちゃうんですよね~。
じゃあどうしたらいいんですか?

「褒めればいいんです」

------毎日毎日、帽子をかけることを褒め続けるんでしょうか。

「それだと同じことばかりで、効果が薄れちゃう可能性があるんですね。もっとも、『褒めないよりはマシ』ですが。ただ、他にありませんか?褒めるところは」

------あっ! ひょっとしたら『続いていること』ですか?

「偉い! そのとおりです。帽子をかけることができたら褒め、次に続いていることを褒めたらいいんです。3日続いたら3日も続いたことを褒め、1週間続いたら1週間続いたことを褒めるんです」

------なるほど~。
当たり前と思っちゃいけないってことですね。

「そういうことです。当たり前と親が思った瞬間から、せっかくの素晴らしいお子さんの行動の【消去】が始まっちゃうんですね」




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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その24
【気を付けないといけない言い方】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は【気を付けないといけない言い方】についてお話しますね」

------どんな言い方でしょうか?

「これってよく子どもに言っていると思うんですよ。
・ちゃんと
・しっかり
・きちっと(きっちり)
という言葉なんですけど」

------しょっちゅう言ってます。
『ちゃんと明日の用意をしたの?』 とか。
これっていけないんですか?

「子どもに何か指示する時にとっても大事なことって【具体的に】なんですよ」

------あ、そうですよね。
そう言えば『ちゃんと』って、ものすごく曖昧な指示なんですね。
言われて初めて気がつきました。

「そうなんですよね。そして何かそのあと子どもが忘れ物でもしていたら、『しっかり』しなさい!って怒っちゃうんですよね」

------『しっかりしなさい』っていうのも、そう言われると抽象的ですね。

「そこです、問題は。万能薬みたいに、あらゆる失敗に対して注意できる言葉なんです。でもよく考えてくださいね。
『ちゃんと明日の用意をしたの?』と言ったあとに子どものミスを発見し、『しっかりしなさい!』怒るっていうのはどうなんでしょうね?」

------そう言われるとそうですね。

「一を言われて十を知る子どもなんて殆どいないんですよね」

------大人でもいないですもんね。
だから、『ちゃんと』とか『しっかり』とか『きちっと』という指示じゃなく、具体的に言ったほうがいいということですね。

「そういうことです。是非お願いします。ちょっと話は変わりますが、親が子に言う言葉で『おかしいな』っていうのは他にも結構あるんですよ。
例えば、よく『楽をするんじゃない!』なんて子どもを怒っているお母さんがいるんですよね。でも、そういうお母さんが乾燥機付き全自動洗濯機や食器洗い機を使ってたりして…」

------おまけに掃除は『ルンバ』だし。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その25
【ナナメの関係】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は【ナナメの関係】についてお話しますね」

------ナナメの関係と言いますと?

「これは藤原和博先生が考えられた言葉なんですけど、親と子どもの関係とか教師と生徒の関係というのは『縦の関係』と言えますよね」

------直属の関係ということですね。

「はい。そして、同級生の関係というのは『横の関係』と言えます」

------なるほど。水平の関係ですか。

「そういうことです。ところが兄や姉、また近所の年上の子どもたちというのは垂直でもなく水平でもなく…」

------わかりました。それが『ナナメの関係』なんですね。
となると、今はあまり無いかもしれませんが、私たち親の世代が小さい時にはよくあった、近所のおじさんやおばさんやお年寄りと子どもの関係も『ナナメの関係』となるわけですか?

「そうです。そしてそれが重要な問題点なんですよ。今の時代はそういうナナメの関係が、『少子化』とか『無関心の時代』ということもあり、本当に減っちゃったんです」

------そう言われるとそうですね。

「ところが我々はそういうナナメの関係からいろんな事を学んだり、また助けられたりして育ってきたんですよね」

------それは、子どもの頃だけではなく大人になりたての頃でもそうでしたよね。
会社に入っても直属の上司じゃないけど面倒見のいい先輩がいたりして。

「僕も本当にそういう方々にお世話になりました。 これは私事なんですけど、僕は大学が東京だったのでアパートに住んでいましてね。近くの小さな居酒屋、当時は赤提灯って言っていたんですけど、そこのオヤジさんにとっても大事な事を教えられました」

------へぇ~、どんな事ですか?

「僕は昔、人に何かをしてもらう事に対して遠慮がすごかったんです。なんか気が重くなっちゃう感じがあったんでしょうね。
だから、その僕の行きつけだった居酒屋で、カウンターとかで知り合った他のサラリーマンのお客さん、つまり人生におる先輩方が僕にビールとかつまみとかをおごってあげると言ってくれても、ついつい遠慮して断っていたんです」

------あ、私もそのタイプかもしれません。

「そしたら、一度そこのオヤジさんに思いっきり怒られましてね。『謙虚なつもりかもしれないが、見てて不愉快だ! オマエは【ニコッと笑ってごちそうさん】が出来んのか!』って…」

------うわ~っ。怖いオヤジさんなんですね。(笑)

「ほんと怖いオヤジさんだったんですよ。ガッシリしてて目がつり上がってて、しかも坊主頭で」

------そんな人に怒られちゃったんですか。

「ええ。(笑) でもそのオヤジさんはすごくお客さんに好かれてたというか、尊敬もされてましたね。超一流企業の役職の人とか新聞社の記者とか、つまり世に言うエリートの人達も結構オヤジさんにいろんな相談をしに来ていましたしね。
それでね、僕はそうやって怒られた時に初めて、自分の問題点がわかったんですよ」

------【ニコッと笑ってごちそうさん】が出来ないってこと…。

「そう。そしてオヤジさんはこう続けたんです。『みんなはワシちゃん、当時そう呼ばれていたんですけどね、が喜ぶ顔を見たいから、おごるって言っているんだ。それをオマエは何を偉そうに断っているんだ?』って」

------う~~ん。 なんか深い話ですね。

「そうなんです。僕はそれまで親からも先生からもこんな話はされた事がなかったんですね」

------なるほどなぁ。
縦の関係や横の関係じゃなく、ナナメの関係なればこそ、ですね。

「大事でしょ? 僕は未だにオヤジさんに言われた言葉、【ニコッと笑ってごちそうさん】を大事にしています」

------でも、今はもうそんな育てたり助けたりしてくれるお店の人がいる居酒屋さんなんて、ないですよね。

「そうですね。今や居酒屋は余裕どころか極限まで効率化されて、いっぱいいっぱいの状態のスタッフばかりですもんね。あっちが『助けてくれ』みたいな感じで…(笑)」

------でも、本当に我々が少しでもそのナナメの関係を真剣に考えないといけないかもしれませんね。

「そういうオヤジさんを目指しますか(笑)」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その26
【アサーション】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は【アサーション】についてです」

------最近よくアサーション・トレーニングとか聞きますね。

「そうですね。企業の社員研修などでよく有ります。以前は『自己主張訓練』と言われていましたが、最近は『自己表現訓練』と言われることが多いようです」

------自己主張というと日本人にはキツく感じるのかもしれませんね。

「奥床しいのが美点とされてきましたからね。さて、この【アサーション】、つまり自己表現ができない子ども達が多いんです」

------ウチもそうです。
言いたいことがあったら、はっきり言うようにって言っているんですけど…。

「じゃあお母さん、すなわち自分は『はっきりと言いたいことを言う』ほうなんですか?」

------いえ、言えません。(笑)

「お母さんが言えないのに、子どもに『上手に自己主張しなさい』って言うのは、ちょっと無理がありますね」

------そう言われるとそうですね。(笑)

「『上手に自己主張できる』っていうのは、【スキル(技術)】ですからね。上手に自己主張できる親だったら、子どもはそれをモデリングして身に付けるでしょうけど、真似する対象がなかったら、やっぱり子どもにそれを望んでも難しいでしょう」

------じゃあどうしたらいいんでしょうか?

「まずは子どもが何か口答えをした時、じっくりそれを聞いてみませんか?」

------え? 私、すぐに『屁理屈を言うな!』って怒ってますけど。

「例え『屁理屈』でも、理屈は理屈なんですよ。それがしっかりと合理的に言えたら【論理的な反論】になる可能性があるんです」

------え~~っ、そうなんですか?

「そうなんです。『言い訳』も、ヘタに言うと『言い訳』となり、上手に言えば『もっともな理由』になる時も結構多いんですよ」

------そう言えば、鷲津先生が言うと『もっともな理由』になりそうですもんね。

「あまり、深く考えないでくださいね。(笑)  そしてもう一つ大事なことがあります。それは言葉の中に【主語】、特に【私】をしっかり入れる事」

------そう言われると、【私】という言葉をあまり入れてないですね。
英語では【I】から始まりますけど。

「だから、外人と比べると我々は【私の気持ち】というものをあまり意識しないんです。自己主張とか自己表現において大事なことは、まずは【 I wish (私は~したい)】ということを自分でしっかりと認識することです。それには、言っている言葉の中に【私】を入れればいいんですね」

------そうすれば、確かに自分というものを意識しますもんね。

「そういうことです。まぁ、まずはお母さんから始めてみることをお薦めしますが」

------わかりました! (笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その27
【アサーション2】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回も【アサーション】の続きです。
先ほどこちらに向かって歩いていたら、お母さんと小学生の女の子が向こうから歩いてきましてね。ちょうどすれ違う手前くらいの時に、その子がお母さんにこう言ったんです。
『お母さん、ティッシュ』
そしたら、お母さんがすぐにバッグからティッシュを差し出したんですね」

------やさしいお母さんですね。

「そうですね。でも実はここには大きな問題があるんです」

------え? そうなんですか?

「人にモノを頼むとき、これでいいと思います?」

------そう言われるとそうですね。
『ティッシュをちょうだい』ですよね。

「そうなんです。もっと正確に言うと、『お母さん、わたしにティッシュをちょうだい』なんですよ。もちろん親子間では、そこまで言わなくても通じます。
ただ、将来的に【誰が】とか【誰に】、また【どうしてほしいか】を上手に言えないと、まずい事が多くなってきちゃうんですね」

------『わかってくれない』となっちゃうワケですか。

「そういうことです。やさしいお母さんは、すぐに『察してあげよう』とするんです。でも実は、それが子どものコミュニケーション・スキルの発達を邪魔しちゃうことって往々にしてあるんですね」

------なるほどなぁ。
ということは、子どもが言いたいことを察することができても、わざとわからないふりをする事も必要な場合もあるってことですね。

「そのとおりです! 」

------ちょっと我が家のコミュニケーションも見直してみます。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その28
【叩かない子育て】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「ちょっと前の朝日新聞に『たたかない子育て』という記事があったのですが、今回はそれについてお話しましょうか」

------叩いてはいけないというのは、殆どの親がわかっているはずなんですよね。
でも、理屈ではわかっていても…。

「そうなんですよね。叩いてはいけないとか、怒るより褒める方がいいってことは、皆さん頭では理解されているんです。でも、今言われた『理屈ではわかっていても』なんですよ。我々は神様でも仏様でもないですからね~」

------ついついこっちがいっぱいいっぱいの時は手が出ちゃうんですよね。

「あ、大事なポイントが出てきましたね。そこなんですよ!問題は。実は、その『親がゆとりがない時』というのが問題なんです。つまり、親にどうやってゆとりを持ってもらうかが、一番近い解決法なんですよ」

------なるほど。
でも、『ゆとり』っていうものは、『持とう』と思って持てるものじゃないですよね。

「とってもいい疑問です。そのとおりです。『ゆとりを持たねばならない!』なんて考えると、かえってキツくなっちゃうっていうパラドックスが起きたりします。ゆとりというのは『生じる』ものなんですよ」

------じゃあ、どういう時に生じるんですか?

「『やらねばならないと考えている事』に『やれる事』が追いついている場合と考えたらどうでしょう」

------という事は、『やらねばならないと考えている事』が多ければ多いほど、ゆとりが無い状態に陥っちゃうってことですか。

「そういう事です。だからお母さんやお父さんは、自分の『やらねばならないと考えている事』をチェックしてみる必要があるんですね。それはひょっとしたら『やるにこしたことはない事』かもしれませんし」


------う~ん。
子どもをたたくとかいう話って、ついつい子どもの行為や親の人格の話になっちゃうんですけど…。

「そうです。実は、まずはどうやったら、親が『気持ちの上でのゆとり』を持てるかを考えるのが大事なケースが多いんですね。
さて、ちなみに朝日新聞の記事の中に、育児情報誌『miku』に寄せられたこの件に関する投稿で、なるほど!と感心したのがありますから、引用させていただきますね」

【カーッとなってもたたかないために】(朝日新聞4月20日版より)

・子どもが生まれた時のことを思い出すようにする
・子どもの手を握って話す。手を握っているのでたたけない
・他人をたたいてもいいと子どもに思わせてしまうと考えるようにする
・自分を落ち着かせるために、自分用のヒミツのお菓子を用意する



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その29
【青少年の犯罪】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回はあまり愉快な話ではないのですが、ちょっと知っていただきたいものを用意しました。青少年の犯罪についてのデータです」

------増えているってことでしょうか?

「いえ、全体としては減っているんですね。平成15年の未成年者の検挙数が約14万4千人だったのに対し、平成24年は6万5千人ですから、少子化が進み未成年全体の数が減っている以上に減っています」

------よかった~。

「ところが問題もあるんです。ある項目においては増えているんですよ」

------えっ? なんですか。

「例えば未成年の知能犯の検挙数は平成15年は784人だったのに、平成24年には962人に、また風俗犯は425人から566人に増えています」

------全体の数が半分以下に減ったのに?

「そうなんです。ちなみに性犯罪(強姦・強制わいせつ)は、中学生の検挙・補導人員は287人となり、昭和62年以降で最多となっています」

------中学生が! ショックです。

「ですよね。実は14歳くらいの年頃って本当にいろんな悩みを抱えているんですよ。僕は18歳までの子ども達に無料でメール・カウンセリングを行っているのですが、その中で一番数多いのは14歳なんです」

------不安定な年頃というわけですね。

「そのとおり。青少年の刑法犯の初犯者は平成18年まで16歳が最多だったのですが、平成19年には最多は15歳に下がり、平成20年以降は14歳が最多となっているんです」

------青少年の刑法犯の初犯者数は中学2年生が一番多いってことですか!

「そういうことです。そして、それが発覚して、問題を初めて知ったという親が本当に多いんですね」

------心の問題に気をつけなくてはいけないということですね。
確かに、塾とか成績に関することには気を使ったりお金を使ってりしてますけど、心の問題にはあまり気を使わなかった気がします。

「14歳というのは大事なポイントですが、それ以下の年齢もやはり大事です。
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年少女を法の上では『触法少年』と言うのですが、これも平成15年に補導されたのは355人ですが、平成24年にはなんと1076人と3倍近くに増えています。心配りが本当に必要だと痛感しています」



      (データは警察庁の「少年非行情勢」より引用)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その30
【疑問を持てない子ども】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は『Because』という言葉についてお話したいと思います」

------『Because』ですか。『なぜなら』っていう意味ですよね。

「はい。僕は大学生を見ていると、この 『Because』という考え方ができるかできないかで、その人のコミュニケーション能力がかなり決定するのではないかと思うんです」

------と言いますと?

「欧米の大学生は、日本の大学生よりも説得力のある発言をすることが多いんですね。それで気付いたのですが、この『なぜなら○○だから』、つまり 『Because』を使うために、自然と自分の気持ちや考えを整理して相手に伝えるクセがついちゃっているのではないかと思うんです」

------なるほど。自分の気分や考えを言いっ放しじゃなく、同時に理由を伝えているっていうことですね。

「そういうことです。 『Because』を使うっていうことは、『なんとなく』とか『べつに~』ではすまされないんですね。『どうしてか』を考えて、それを言葉にしているんです。
でも、なんかこうやって言うと難しい事のように聞こえてしまうかもしれませんが、実はこれって子どもの頃は誰でもやっているんですけどね」

------あ、子どもがよく言う『どうして?』とか『なんで?』っていうアレですか。

「それです。それを大人が答えるのを面倒くさがって、段々と『疑問を持てない子ども』に変化させているんです」

------う~~ん、耳がいたいですね。我々大人が面倒くさがって答えない、つまり 『Because』を使わないから、子どもや大学生も使えなくなったってことですか。
でも、ちょっとお聞きしたいのですが、子どもに『どうして?』と聞かれてもわからないことって結構あるじゃないですか。
そういう時はどう答えたらいいんでしょう?

「いい質問ですね。そういう時は『お母さんもわからない』で構わないと思います。ただ、お子さんが例えば小学校の高学年以上とかだったら、図書館での調べ方やネットでの調べ方を教えてあげることができましたら、もう最高です。
『子どもが魚を欲しがったら、魚を与えるのではなく、釣り方を教えろ』と言いますからね」

------なるほど。 『Because』を使うようにしてみます。
『なぜなら』子どもに説得力のある言い方ができるようになってほしいから。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その31
【コミュニケーションの達人】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は、子どもに将来『コミュニケーションの達人』になってもらう為の、大事なコツをお話したいと思います」

------えっ? そのコツ、わたしが知りたいです! (笑)

「そうですね。別にいつから始めてもOKですし、お母さんができるようになったらお子さんもつられてできるようになりますので、是非チャレンジしてください」

------はい! でも難しいのだとできるかどうか…。

「やり方は簡単です。【あいさつに一言を加える】だけでいいんです」

------え?

「例えば朝『おはよう』って顔を合わせた時に言うじゃないですか。これに一言付け加えるんですね」

------と言いますと、例えば『髪の毛が逆だってるよ』とかですか?

「う~ん、まぁそれでもいいんですけど、あまり【注意をする】言葉ばかり付け加えると、うざいとか言われちゃいますよ?」

------じゃあ、『おはよう、今日はいい天気だよ』とかは?

「いいですね。じゃあ『おかえり』は?」

------『おかえり、なんか疲れた顔してない?』っていうのはどうなんでしょう?

「とってもいいです。子どもに関心を持っている気持ちが現れてますよね」

------あ、そういうことですか。

「おわかりいただけましたか? あいさつの後に一言付け加えるっていうのは、【相手に関心を持っている】という気持ちの現れなんですね。
そして、それが相手の心に伝わり、コミュニケーションが上手くいくんです。例えばご主人が晩御飯のあとにあなたに『ごちそうさま。あ~美味しかった!』と言ったら、どんな感じです?」

------なるほど。確かにうれしいです!
大事だというのが、よくわかりました。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その32
【決断ができない子】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今の子ども達を見ていて気になることがあるんですよね。『決断』ができない子が、年々増えているんです」

------あ、それは私も感じます。
『どうするの?』って聞いても『わかんな~い』、『どっちにするの?』って聞いても『どっちでもいい』…。

「そうなんですよね。そしてそのまま大きくなっちゃっているんです。だから僕が教えている大学生でも、どうしてこの大学に入ったかというと自分の意思ではなく、高校で先生から偏差値からみて受かるところを勧められたから、っていうのが多いんですよ。
そして就職も、自分で決められずおろおろしちゃって」

------どうしてなんでしょう?

「これはやっぱり、親がいろいろと『子どもの気持ちを察して、先回りして提案する』からじゃないでしょうか」

------そう言われると、確かにやっていますね。食事でも『パンにする?』とか、『友達と映画でも見に行ってきたら?』とか…。
「そうそう。確かに子どもの事を思って言ってあげているのはわかるんですけど、そのおかげで子どもが自分で決断する機会が少なくなっているんですよね」

------やっぱり、『パンにしようか?』じゃなく、『何を食べたいの?』って聞いたほうがいいということなんでしょうね。
でも、『何を食べたいの?』って聞くと『なんでもいい』って答えが返ってくるんですよね~。

「その聞き方、つまりいろいろと幅広く答えが考えられる聞き方をオープン・クエスチョンと言うんですけど、確かにそれだと『なんでもいい』という答えが返ってくる場合が多いでしょうね。
ですので、『はい・いいえ』とか『2者(3者)択一』で答えられるクローズド・クエスチョンで聞いてみてはいかがでしょうか」

------という事は、『パン食べる?』とか『パンにする? それともご飯?』という聞き方ですね?

「はい。そうです」

------でも『どっちでもいい』っていう答えが帰ってきたらどうしましょう?

「その時はこっちで決めちゃえばいいんですよ。但しその場合は【絶対に後から文句を言ってきても聞かないこと】が大事です。
『どっちでもいい』というのは、それはそれで一つの意思決定です。その自分の意思決定に責任を持たねばならないことを理解してもらわなければいけませんから」

------そこに厳しさが必要なんですね~。

「そうです。大事な自分の子どもなんですから、【決断のできる人間】になってもらいましょうよ」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その33
【なぜ勉強が好きではないのか?】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------新聞には、毎日と言っていいほど沢山の塾のチラシが入っています。
学歴とか人の評価に親が心を奪われると、子育てにおいてすごくデメリットが多いというのは鷲津先生から何度も伺っているのですが、やっぱり気になってしまうんですよね。子どもの成績って…。
「そうですよね。では今日は『勉強』についてお話しましょうか。まず考えていただきたいのは、子どもはなぜ勉強が好きではないのでしょうか?」

------つまらないからじゃないでしょうか?

「いい答えですね!僕もそう思います。じゃあ『知らないことを知る』というのはつまらない事なんでしょうか?」

------そう言われると考えちゃいますね。 うちの子なんか小さい頃は『なぜ?』とか『どうして?』と、親に質問ばかりして困らせていたような気がしますし…。

「そうなんですよね。じゃあ、例えば問題集なんかをやりたがらない子は多いと思うのですが、では『質問に答える』っていうのは嫌いなんでしょうか?」

------『質問に答える』ですか。そういう切り口で考えると、一概に嫌いとは言えないような気がします。

「そうですよね。テレビのクイズ番組を好きな子って多いですもんね」

------そう言われると、そうですね。
テレビの回答者と一緒になって、考えたり答えたりしていますもんね。

「だからこういう事なんです。【面白く】しさえすれば、子どもは勉強が嫌いにはならないんですよ。だから、子どもが勉強が嫌いというふうになったのは、大人に問題があるんです」

------先生の教え方に問題があるってことですか?

「もちろんそれもあります。また『教えなければいけない量の設定』にも問題があるでしょう。ただ、勉強というのは何も学校の授業だけではありません。【面白く学ぶ】ことの大切さを考えない親に、学校の先生ばかりを非難する資格が有るとは思えませんが…」
------そう言われるとそうですね。

「塾のチラシは確かに僕が取っている新聞にも沢山入ってきます。でもどれも似たような感じですね。殆どが受験対策ばかり考えていて、その子の人生にとって大事である【面白く勉強する方法】などの心理的な話を書いてあるチラシはなかなかお目にかかれません。
もちろん中には灘中合格者が多いことで有名な浜学園のように『まず、学ぶ楽しさから』というコンセプトを打ち出しているところもありますけど」

------『学ぶ楽しさ』ですか。

「ええ。例えば『円の面積』を、そのまま公式で覚えるのではなく、円を中心点から扇形のように細かく切って交互に並べ、長方形のようにして縦×横で面積を出してみるとかされているようですね。この方法は一時あるサイトでも有名になったようですが、なかなか面白いと思いますよ。
------【面白く】学ぶって、ほんと大事かもしれませんね。
『勉強は辛いのが当たり前であって、それを我慢して成し遂げねばならない』という考え方についついなってしまいがちですけど。

「もちろん、それができる子も中にはいるでしょう。でも、その考え方のおかげで、返って才能や能力がうもれてしまうのが怖いんですよね」

------そう言えば鷲津先生の座右の銘は【おもしろき ことも無き世をおもしろく】ですもんね。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その34
【依存の恐ろしさ】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


NPOハート・コンシャスは、児童虐待防止や発達障害児対応をテーマに、子育てセミナーを連続して行っていますが、こちらの方の講師もまた宜しくお願い致します。

「こちらこそ宜しくお願い致します。ところでそれとは別の話になりますが、来月も子育て講座があるんですよね。こちらは玉田理事長も講師をされるそうで…」

------はい。宜しくお願いします。
「その中に『増え続けるインターネットや携帯依存症』というタイトルでお話をされるそうですね」

------そういう事も、親は知っていないといけない時代になっちゃったんですよね~。

「そうなんですよね。実はスマホが流行りだしてから、子供達にとってかなりよくない環境に急激に変化しているんです。
以前ニュースで、厚生労働省研究班の調査では、全国の中高生のうち『病的な使用』と判定され、ネット依存が強く疑われる生徒が8・1%に上ったと出ていました。研究班はネット依存の生徒を約51万8千人と推計しているそうです」

------恐ろしい数字ですね。

「本当にそうです。しかも【依存】ということの恐ろしさをあまり知っていない人が多いんですね。依存から脱出するのって本当にすごく大変なんですが…」

------でもどうして依存してしまうんでしょう?

「それについては、まず【刺激】というものについて考えていかなければいけません。
実は人の心は、いつも振動していたいのですね。『心が揺れる』とか『心が震える』とか『心に響く』とか言うでしょ?でも振動する為には、心を振動させる何らかのエネルギーがなくてはなりません」

------それが『ネット』ということですか。

「そうです。例えば心を風鈴に例えてみましょうか。風鈴は常に鳴り続けていたいんですね。そしてその為には風鈴を鳴らすエネルギー、風鈴だと風ですね。でも心だと【刺激】が必要であり、故に人は刺激を欲しつづけているんです」

------なるほど。

「ただここで問題なのは、心が欲している刺激というのは、【良い悪いを区別しない】ということなんです。つまり悪い刺激、例えば極端な話『人を傷付ける』とか、『自分を傷付ける』とかでさえ、心を振動させる為に人は欲することがあるんですね」

------あ、だから残虐なゲームがはやったりするんですね!

「そういうことです。また、人の心は振動が何も無い状態を一番恐れるわけです。『刺激をもっとくれ!』と凄く強い力で要求するんです」

------それが依存を引き起こしてしまう、と……。

「そうなんです。だから、ネットに限らずアルコールやギャンブル、そして女性に多い買い物依存や恋愛依存など、これら全てが大変脱け出しにくい恐ろしいものなんです」

------いつか治るだろうという簡単なものではないということなんですね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その35
【児童虐待と発達障碍】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は、児童虐待についてお話したいと思います」

------年々増えているそうですね。

「そうですね。統計を取り始めて毎年増加しており、平成23年度の虐待対応件数は59,919件で、平成11年度の約5.2倍となっています」

------虐待といってもいろいろあると思うんですけど。

「主に4つのパターンにわけられています。そしてその割合は身体的虐待が21,942件(36.6%)で最も多く、次いでネグレクトが18,847件(31.5%)、3番目が心理的虐待で17,670件(29.5%)で、最後が性的虐待の1,460件(2.4%)となっています。
ちなみに虐待を受けた子どもの年齢構成比は小学生が36.2%と最も多く、次いで3歳から学齢前児童が24.0%、0歳から3歳未満が19.2%となっており、小学校入学前の子どもの合計は、43.2%と高い割合を占めています」

------虐待の原因としてはどういうのが挙げられるのでしょうか?

「親の問題としては、望まぬ出産やゆとりの無さ、親の性格や心の問題、例えば依存症やパーソナリティ障害、親自身が虐待を受けていた等が挙げられます。
環境の問題としては家族の仲が悪い場合や経済的問題が多いようですね。そしてこれが大変厄介な問題なのですが、『子どもが思い通りにならない』ということについて考えなければいけません」

------『子どもが思い通りにならない』というのは、当たり前の事じゃないんですか?

「当たり前の事です。ただ程度というのが有るんですね。そしてここのところが一番大きな問題なのですが、アスペルガーやAD/HDなどの発達障害児、またはそれに親和性を持っている子どもは、その『思い通りにならない』程度が凄いワケです」

------それは言えますね。一般的な子どもの10倍くらい大変だって言いますもんね。
その上、周囲からは『親のしつけがなってない』とか責められますし。

「そうなんですよ。しかもアスペルガーやAD/HDは遺伝性もありますから」

------あ、アスペルガーやAD/HDで攻撃性の強い子どもの親が、やっぱりアスペルガーやAD/HDで攻撃性が強かったとしたら、これは大変なことになっちゃいますね。

「だからこそ、発達障害の知識の普及が大事なんですね」
 


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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その36
【子育ての不安】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今日は、『子育てにおいて漠然とした不安』を持っておられる親御さんのために、何かアドバイスをお聞きしたいのですが。

「増えてますよね、そういうお母さんやお父さんが。
核家族で、聞いたり尋ねたりする人がいないというのも一つの原因でしょうし、また逆にインターネットのおかげで膨大な情報が簡単に手に入り、しかもそれを自分では吟味できないというのも最近の問題のような気がしますが」

------ネットの影響というのは、確かにありますね。
沢山のネットの情報の中から、どれを選択して、またどう決断するのか返って不安が増えてしまうことって多いような気がします。

「そうなんですよね。実は選択とか決断って、かなり大きなストレスなんです。だからこそ、【信頼できる相談相手】というのが必要なんですね」

------正しいことを教えてくれる人ということですね。

「あ、そこが問題なんです。子育てって、何が正しくて何が正しくないか、その子によって違う場合が結構多いんですよ。それに何が近道で、何が遠回りなのか、あとになってみないとわからないことも多いと思うんです」

------それは言えますよね~。
正しいと思ってとか、良かれと思ってした事が全然子どもにとってよくなかったりして…。

「そうなんですね。だからこの【信頼できる相談相手】というのは、『その人の意見を聴いて決断し、例え失敗しても、後悔の念があまりおきない人』という意味なんです」

------そんな人って、そうそういないような気もしますけど。

「だから、常日頃から探していないとダメなんですよ。それと、漠然とした不安というのは【目的地】が見えない時、または【現在地】を把握していない場合、もしくはその両方の時なんですね。
目的地と現在地がわかれば、例え苦労しそうでもそれは乗り切れるし、辿り着く道もいずれは見つけることができるんです」

------なるほど。
百貨店とかに行っても、目的の売り場と現在地が書いてある地図を、エスカレーターの降りた所とかで確認しますもんね。(笑)
だから、子どもにとっての【目的地】はどこかとか、【現在地】はどこ
かを相談できる人が必要ってワケですね。

「そういうことですね。(笑)」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その37
【親の感情の影響】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今日お話したいのは、『親の感情が子どもに大きな影響を与える』ということについてです」

------親の感情と言いますと?

「感情と言ってもいろいろとありますよね」

------そうですよね。
『うれしい』とか『かなしい』とか『怒り』とか。

「それについて、親はもっと注意を払っていただきたいんです。例えば子どもを褒める時は親はどんな感情なのでしょう?」

------そりゃ、やっぱり『うれしい』だと思います。

「そうですよね。そして子どもは、自分が褒められた事だけではなく、親を喜ばせたことにもすごく満足感をいだくんです。
しかもその事によって、『自分は親を喜ばせることができる人間だ』という自信を、無意識のうちに積み上げていくんですね」

------そうなんですか。

「はい。逆に親が悲しんだ時、子どもは反省するんですよ」

------あ、なんとなくわかります。
わたしも子どもの頃、怒られてもあまり反省しませんでしたが、親が悲しんだ時は心の中で『もう二度とこういうことはしないでおこう』と反省してたような気がします。

「そうなんですよね。子どもは親の怒りにはよく反発するものですが、親の悲しみには弱いんですよ。
さてここで褒める場合について話を戻しますが、日本人は感情を素直に表現するのが苦手なんですね。だから、親が照れたりして褒める時に『うれしさ』を表さない場合がよくあるんです」

------あ、そうかもしれません。
ホントはとってもうれしいのに、それを押し隠して淡々と褒めたり…。

「そうなんですよ」

------でもそれじゃ、『親を喜ばせたことの満足感』や『親を喜ばせることができる人間だという自信』はつかないということですか。

「そういうことです」

------なるほど。
感情の表現って、子育てには重要ということなんですね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その38
【引きこもり】
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「今日は『引きこもり』についてお話しましょうか」

------引きこもりですか。
ということは不登校もその中に入りますか?

「一緒というわけではありませんが、大いに関係しますね」

------鷲津先生のところには、そういう引きこもりについての相談もあるのですか?

「あります。というより、結構多いですね」

------原因はどういうことが多いのでしょうか。

「そこなんです。我々はすぐに【原因】を考えちゃうんですね。もちろん原因を考えるのも大事だとは思いますよ。でも、例えば原因は母子関係に問題があったからとしますね」

------こういう話では、大体そこに話がいきますよね。

「そうなんです。ところが、母子関係が原因だったとしても、それがわかったから引きこもりが治っちゃうかってことなんですよ」

------原因がわかったからと言って、問題が解決するとは限らないってことですか。

「そういうことです。『私の育て方が悪かった』と自分を責めるお母さんが多いのですが、それで解決すればいいんだけど、逆にますます子どもが『自分が引きこもるようになってしまったのは親のせいだ』と責任転嫁して、状況が悪い方向に向かっていくことが多いんですよね」

------確かにそういう話はよく聞きます。

「そうしてみると、今やらなきゃいけないのは、原因を探したり責任を追求することより、【回避したり先送りせず、問題に向き合って行動する】ことなんですね」

------なるほど。

「実は引きこもりの人は、その【回避】や【先送り】や【向き合わない】ことが問題なんです。そして多くの場合、親もその傾向があるんですね」

------そうかもしれませんね。
いつか、社会に出て仕事をしてくれるだろうとか、根拠の無い希望を持って先送りしちゃう場合って多いと思います。

「引きこもりの相談って、本人は引きこもっているんだから、当然親がカウンセリングに来られるワケです。そしていろいろとお話をさせていただくのですが、その際に『わかりました!わたしも腹をくくります。それで今後どのようにしたらいいでしょうか?』と仰る親御さんの場合は、良い結果に結び着く場合が多いんですね。
でも、『わかりました。一度家族と相談してからまたお電話します』という煮え切らない場合は、結局上手くいかないことが多いんです」

------決断できないんですね~。

「確かに、決断するってことは大変なことですし、難しいことだと思います。でも、向き合わずに自分を責めていても、時が経つにつれて子どもがますます問題に向き合えなくなっていっちゃうんですよね。
カウンセラーだってこんなグサッとくるような事を言わず、『長い間悩んでおられ、苦労されて大変ですねぇ』とやさしい言葉で共感していた方が楽なんですよ。(笑) でもねぇ…」

------いくらやさしい言葉をかけてもらって共感してもらっても、事態が改善せずに悪化したら何にもならないですからね~。
やっぱり引きこもりって難しい問題ですね。

「本当にそうです。うつ病とか不安症は認知療法でかなり高い確率でよくなるのですが、引きこもりは僕にとっては一番難しい問題ですね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その39
【上手な質問】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今日は『質問』についてお話したいと思います。自分の持っている能力を上手く伸ばしていく子どもって、お母さんやお父さんが質問上手な場合が多いんですね」

------質問上手といいますと?

「その前に、質問下手というのから入っていきましょうか。これは『親が期待している答えを子どもに言わせようとする質問』とか、『責める気持ちを疑問形にした質問』なんですが、これが一般的にはとっても多いんですよ」

------あ、なんとなくわかります。
『いつまでゲームやってるの?』とかいうのですね。

「それです」

------確かに、親が子どもにする質問には、コントロールしたいという思いが含まれていることって多いかもしれませんね。

「そうなんですよ。でもそれじゃ心理的リアクタンス(抵抗)が起きるか、もしくは『良い子』となって自分の感情や考えを抑圧してしまい、コミュニケーションが続かなくなっちゃうんです」

------なるほど。そういうことですか。
だから会話が減っていくんですね。

「そういうことです。ところが上手な質問というのは、『相手の枠組み』を尊重した質問なんですね。つまり子どもが自分の期待と違った反応をしても、怒ったりがっかりしたりせず、『そうなんだ』と受け止めるわけです」

------難しいですね。

「確かに難しいです。でも、『なるほど』とか『そうなんだ』と親が受け止めてくれる事によって、初めて子どもは自分の気持ちや考えを表現できるんですよね。そして、アイデンティティ、自分という存在や自分の生き方が造り上げられていくんです」

------鷲津先生がよく言われる【 I am OK 】という生き方ですね。

「はい。それと、子どもに対して『相手の枠組み』を尊重した質問をすることには、もう一つ大きなメリットがあるんですよ」

------と言いますと?

「そういう上手な質問の仕方や答えの受け止め方、すなわちスキルを子どもが身に付けてくれることです。これが大きい。
実はコミュニケーションの問題だけではなく、学業においても『上手に質問できる子』って、本当に少ないんですね。そして上手に質問ができないが為に、よくわからないまま、出来ないままどんどん過ぎていく場合が多いんです」

------なるほど。
たずね方って大事なんですね~。

「大事です。まずはお母さんから『相手の枠組み』を尊重した質問の仕方を是非学んでいただきたいですね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その40
【工夫が大事】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


過日行われました『子育てセミナー』では、鷲津先生にもコーディネーターをお願いしたのですが、本当にお疲れ様でした。 講師をお願いしました吉川徹先生(愛知県心身障害者コロニー中央病院児童精神科医)も、子育てにとって大事で、しかも意外と知られていないことを、とってもわかりやすく、また楽しくお話していただき、参加された皆様に大好評でした。

「本当に大変有意義なセミナーでしたね。吉川先生は日本に数少ない(全国で400名ほど)児童精神科医で、また名古屋大学で教鞭もとっておられた方ですが、一般のお母さんやお父さん方にわかりやすい内容で、とってもよかったですね」

------そうなんです。
吉川先生は発達障害の専門家なんですが、発達障害に限定したお話ではなく、誰もに役立つ子育てにおいて大事な話をしていただけたので、どなたにも喜んでいただきうれしかったです。

「そこですね、ポイントは。実は発達障害の子供たちに対しての大事な育て方というのは、特別なやり方ではないんですね。健常児に対してもすごく大切な接し方・育て方を、もっと丁寧に根気よくするということなんです。
昨日、吉川先生は、その【工夫】を沢山教えてくださいましたが、僕も本当に工夫が大事だと思います」

------褒め方や叱り方の工夫ですよね。

「そうですね。つまり【子供がどのようになってほしいか】が大事であって、その為の【具体的】な【工夫】なんですね。どうやって『やる気』を出させるか、そしてその『やる気』を継続させるかということなのですが…」

------その【具体的】っていうのも大事なんですよね~。
鷲津先生が調査された、大学生が親に言われて嫌だった言葉の第一位が『何度同じ注意をされたらわかるの』っていうのには思わず笑ってしまいました。

「そうなんですよね。(笑) 叱られた言葉でよく有りそうな言葉を37個挙げて調査したのですが、それがブッチギリのトップでした。
この『何度同じ注意をされたらわかるの』って、意味がないんですよね。というか、こうやって学生の心に残るっていう悪影響しかない言葉なんですよ」

------具体的じゃない『怒りの言葉』だからですよね。

「そういうことです。『何度注意しても、相手の行動に変容がなかったとしたら、それは【注意する方法】に問題がある』んです。 だからこれは応用行動分析(ABA)の立場から言うと、お母さんに『何度役に立たない注意をしてるの?』と言いたいんですよね。(笑)」

------子供の行動の変容が起きるように、『工夫して』『具体的な注意』をしなくちゃいけないってことですね。

本当は講演の内容を詳しくご紹介したいのですが、著作権の関係もあり、お伝えできないのが残念です。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その41
【自己肯定感】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


------ある先生が、近頃の子どもはすぐにくじけてしまうと嘆いておられたのですが、これについてはどう思われますか?

「確かにそういう面は有ると思います。くじけたからといってさほど困らない環境、言葉を変えると『途中でやめても親や周囲が何とかしてくれ、そんなに不都合が起きないという事を子ども達が知った』ということでしょうね」

------う~~ん、そう言われると親としては考えちゃいますね。

「これについて大事な点は、自尊心が低い子どもが多いということなんですよ。この自尊心というのは、変なプライドではなく自己肯定感という意味ですが…」

------そういう場合、親はどうしたらいいんでしょうか?

「そこが問題なんですけどね。自己肯定感が低い子どもって、大体親も低いんですよね~」

------あ、そうかも…。(笑)

「自分を低く見ちゃう、つまりディスカウントしてしまう親のもとにはディスカウントする子が育つ場合が多いんです。不安が強い親のもとには不安が強い子が育つのと同じですね。だからまずは親が変わらないといけないのですが」

------そういうことですか。

「そうなんです。例えば親が何か失敗して『私って本当にどうしようもない人間だ』と自分を責めたり、『私なんかいなくなった方がいい』などと自分をディスカウントしたりすれば、子どももそれをモデリングしちゃうんです。
そうじゃなく、例えば失敗しても『今まで失敗しなかった人というのは、今までチャレンジをしなかった人だ』とか言って次を目指す親だと、子どももくじけない考え方の枠組みを身につけていくんですね」

------なるほど!

「もう一つ大事なことがあります。くじけやすい子は、目標設定や、目標に至るプロセス造りが苦手な場合が多いんですよ。だから『くじけるな』とか『強くあれ』とかの叱咤激励ばかりしていないで、子どもと一緒に目標設定の仕方をいろいろと考えたり、くじける前に、つまりめげそうになったらすぐに、プロセスの修正や再検討をしてほしいんです」

------目標設定のやり方やプロセス修正を子どもと共に学ぶということですね。

「そういうことですね。但しあくまでも【具体的に考える】のが大事ですので、それをお忘れなく」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その42
【子育ての悩みの質問回答】
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今回は私たちNPOハート・コンシャスの顧問でもある鷲津先生が、ZIP-FMというラジオ局の『OPENER』にゲストで出られた時の1つの内容をご紹介します。


番組名:OPENER(オープナー)※20~30代の働く女性をターゲットにしたプログラム。 ナビゲーター:堀江美穂

------OPENERではおなじみのこの方を、スタジオにお招きしました。
合同会社ベルコスモ カウンセリング代表、心理カウンセラー、さらに名城大学で教壇にも立っている、鷲津秀樹先生にお話をお伺いします。
先生こんにちは~。先生には今日は、ZIP-FM WEBサイトに寄せられた、ママZIPPIEの質問にお答えいただきます。
“子育て”という分野は、鷲津先生の専門でもいらっしゃるんですよね。よろしくお願いします。

「こちらこそ宜しくお願いします」

------まずは3人のお子さんがいるというイニシャルTさん。

『13歳男の子、10歳女の子、3歳女の子がいるんですが、長男も長女も【同じ】にしないと怒るんです。3歳の娘におやつあげれぼ「欲しい」といい、「自分で出して食べなさい」と言うと「何で?」という始末。
3歳の娘のお菓子を取り上げて食べてしまう時もあります。年上の自覚を持たせるにはどうしたらいいんでしょう?』

これは、兄弟姉妹をお持ちの方はよくあるお悩みですね。
先生、いかがですか?

「まず、子育てで有効な『応用行動分析』についてお話していいですか?
子どもの行動に変化を求める場合についてのお話です。
流れについて考えるわけですが、『先行刺激』 『行動』 『後続刺激』というのが有るんですね。
例えば、『歯を磨きなさい!(先行刺激)』→『歯を磨く(または磨かない 行動)』→『ほめる(または叱る 後続刺激)』ということです。
このTさんのケースでは、例えばお母さんが末っ子にお菓子をあげたら、上の子が「欲しい」と言ったり末っ子から取り上げたりするんですよね。つまり、上の子にとっての先行刺激は『お母さんが末っ子にお菓子をあげる』ということになります。
それに対しての上の子の行動は、『「欲しい」と言ったり末っ子から取り上げたりする』わけです。この場合の後続刺激、つまりその行動に対してのお母さんの言動は、たぶん『叱る』ということなんでしょうね。
 さて、このケースではその後続刺激が役に立っていないという悩みだと思うんです。上の子の行動は変化していませんから。
ということは、他の有効なやり方を考えないといけないんですね。簡単に言うと、期待した行動をした時にその子が得をするようにすればいいという事です。
末っ子にお菓子をあげた時に、もし上の子が要求しなかった時、すごく褒めればいいんです。できたらご褒美もあげたら、もっと効果的です。
先行刺激も、「これから末っ子にお菓子をあげるけど、長男としてそれを許すという態度をとってくれたら、お母さんはとってもうれしいなぁ」と、まず言うわけですね。
そして、長男が自分も要求せずにそれを許したら、「えらい!お母さんは本当にうれしい!」と言って、かまってあげるわけです。これが後続刺激ですね。
この流れを、その望ましい行動が定着するまで継続するんです。そして、その行動が身に付いたら、次の課題に進んでいくということですね」

------なるほど~。お次は、セイカさんのお悩みです。

『1歳の男の子がいるのですが、6ヶ月頃から人見知りや場所見知りがひどいです。スーパーで「かわいいねー」と声をかけられても、その人と目が合うと大泣き。
公園や支援センターに行っても私にくっついて離れません。ずっとこんな感じなのか心配です。時期がくればおさまるものなんでしょうか?』

はずかしがり、人見知りは先生、どうしたらいいでしょうか。

「まず、内向的という持って生まれた性格である可能性と、親のどちらかが不安になりやすい性格だったり、完全主義の家庭とか厳格な家庭であったりという環境の影響である可能性があります。
新しい状況になると、『用心せよ』というキーワードが働いちゃうんですね。もちろん両方が絡み合っている場合も多いのですが。
ただ、人見知りというのは『低い自己イメージ』を持っていたり、自己肯定感が低かったりする場合が多いのですが、それらを改善していけば、段々とおさまっていきます」

------はい。そして、ミカさんです。

『うちには子供が3人いるんですが、いちばん上のお姉ちゃんは来年から小学校。そろそろ習い事を始めさせたいのですが、本人にどんな才能があるのか、何を習わせるべきか、その見極め方がわからずに悩んでいます。
本人に聞いても、「友達がいるから、コレがいい」と言いますし。どうしたらいいでしょうか』

本格的に何かをするなら早いうちに!と親は考えますよね。先生、お願いします。

「これは難しい質問ですね。見極め方といっても、その子その子によって違いますから。
また、『得意・不得意』という基準だけではなく、『好き・嫌い』という基準も考えなければいけませんし。
ただ気をつけなくてはいけないのは、親が子どもに『期待』する場合、親の心の深くにあるものが投影されたり、コンプレックスやその反動が影響する場合があるんですよ。
それらに気を付けて、子どもの人生において生きがいとなるものを注意深く探していくのが大事だと思います。

------続いて岡崎市のトモコさん。

『義理の両親が子育て方針に、理解を示してくれません。買ってくるなと言っても、会う度におもちゃを買ってくる。
気持ちはわかるけど、子育てに責任のない祖父母が子育てに干渉してくるのは、困りもの。
余りにわかってもらえないので、もう子供達を合わせたくないと本気で思うようになりました』

義理のご両親とのコミュニケーション、悩んでいる方多いですね。先生、どうでしょうか。

「これはよくある話なんですよね。『子どもが甘えるのを許す』のと『甘やかす』というのは全くの別物なんです。
『子どもが甘えるのを許す』というのは親の役割であり親の心なのですが、『甘やかす』というのは、実は【自分が好かれたい】ことの表れなんです。
『子育てに責任のない祖父母』と言っておられますが、確かにこの『甘やかす』場合は、外見は祖父母であっても、心の中は『孫に好かれたいというチャイルドの気持ち』なんですよ。
だから、その『好かれたい』という気持ちは理解した上で、子ども相手にするように『ルールを作成』してそれを守らせるようにしていくのが一番ですね。
その際は、『祖父母の面子を立てながら』徐々に実行するのが大事です」


------では最後の質問です。 心理カウンセラーの鷲津先生が思う、「楽しく子育てをする鍵」、とは何ですか?

「子育てというのは、自分の人生において、沢山の思い出づくりにもなります。
感動もいっぱい与えてくれます。
だから、自分の思い出づくりの為、自分の人生を有意義にする為、つまり自分の為だと思って取り組んでみてはいかがでしょうか」


------PEOPLE BY PEOPLE、今週は、合同会社ベルコスモ カウンセリング代表、心理カウンセラー、講師でいらっしゃる鷲津秀樹先生にお話を伺いました。
ありがとうございました。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その43
【拡散的思考力】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今日は教育についてお伺いしたいのですが、先生はよく『記憶するのではなく考えろ』と仰ってますよね。

「はい、そうです。それについてはちょっと次のクイズを考えていただきましょうか。これはもうご存じの方もおられるでしょうが。


『君は路面電車の運転手。さてこの電車はブレーキが壊れ時速100kmで暴走している。
この電車の先には5人の作業員がいて、このままではその5人は死んでしまう(と仮定する)。
ところが線路は枝分かれしていて、ハンドルを切って支線に進めば5人は助かるが、逆に支線にいる1人が死んでしまう。
さあ君はハンドルを切りますか?それとも…』

さぁ、いかがですか?」

------私ならハンドルを切ると思います。

「なるほど。ハンドルを切るという行為をし、そのおかげで5人は助かり、1人は死ぬというわけですね。ではまた別の展開を考えてもらえますか?

『君は路面電車のレールの上にかかる陸橋にいる。
さて路面電車がブレーキが壊れ時速100kmで暴走している。
この電車の先には5人の作業員がいて、このままではその5人は死んでしまう(と仮定する)。
ところが陸橋の上の君の横にはとても大きな体の男が身を乗り出してそれを見ている。
その男を走り来る電車の前に突き落とせば5人は助かるが、その男(1人)が死んでしまう。さあ君はどうしますか?』」

------これは無理ですねぇ。
でも、これって2つとも或る行為の結果5人が助かり1人が死ぬということなんですね。

「ですよね。ところでこんな話を大学で僕が講義中に話していたとしたらどうですか?」

------えぇ~っ? 大学の講義中でこんなクイズみたいなことをやってたら、なんか批判が来そうな気がしますけど。

「そうなんですよね。フロイトは何年にこういう理論を展開したとか、ネオフロイト派の対象関係論についてとかいう講義の方が、『勉強した!』って感じになる人が多いんですよ。まあこういうのが僕の言うところの記憶する勉強なんですけどね。
ところで、先程例に挙げたクイズというのは、あのハーバード白熱教室でマイケル・サンデル教授が学生に向けたものなんですよ。『正義について考える』授業の冒頭部分です」

------ええっ!そうなんですか。

「そう聞くと、高尚な講義に聞こえるでしょ?(笑) 僕が言うと『ふざけてるんか!』って怒られちゃうんだけど…。(笑)
さて、我々が受けた教育っていうのは、1つの正解が有って、それを答えることができた人を優秀だと認定するシステムなんですね」

------センター試験なんて、それの典型ですね。

「ええ。こういうのを『収束的思考』と言います。それに対して、答えが有るかどうかわからないし、また有ったとしても1つとは限らないことを考えていく思考を、『拡散的思考』と言います」

------なるほど。
でも実際問題として、社会に出たらその『答えが有るかどうかわからないし、また有ったとしても1つとは限らないこと』の方がずっと多いですよね。

「そうなんです! 官僚を目指すとかなら別ですが、いや、本当は官僚こそ必要なのですが、『拡散的思考』は重要なんです。そしてどうしてハーバード白熱教室が話題になったかというと、この拡散的思考力を鍛えるための講義だったからなんですね」

------そうだったんですね。

「ところが日本においては先程述べたように、収束的思考ができる人が優秀であるという思い込みをしている人がとっても多いし、逆に本来とっても大事な拡散的思考をできる人なのに低い評価を受けているケースもよくあるんです」

------もったいないですね~。

「そのとおり。だから、せめてお父さんやお母さんは、そのあたりに惑わされずに子育てをしていただきたいというのが僕の願いです」

------わかりました。
『少年よ、拡散的思考を磨け!』ですね。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その44
【自分のモノサシ】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「そうですね。じゃあ今日は【基準】についてお話しましょうか。その前にちょっと伺いますが、去年の大晦日はどんなテレビをご覧になりましたか?」

------わたしは『紅白』でした。

「あ、それじゃあ話がしやすいな。紅白で泉谷しげるさんが初出場だったんですけど、あの『春夏秋冬』っていう歌は僕が高校1年生の頃、つまりもう40年以上前の曲なんですね」

------随分前の曲なんですね。

「ええ。その曲で『となりを横目でのぞいて、自分の道を確かめる』というところがあるんです」

------なるほど。
自分の【基準】を持っているかどうか、ということですか。

「そういうことです。僕のところに相談に来られる方に共通することは『その家の基準が無かったり、あやふやである』ということなんです。
ある時は先生の言うことが基準、ある時は世間で言われていることが基準、ある時はノウハウ本に書いてあることが基準、こういう家で育った子どもは、当然不安定になりやすいんですよ」

------う~~ん、わかります。

「【基準】というのは、モノサシです。『となりを横目でのぞき 自分の道を確かめる』くらいならまだいいのですが、『となりを横目でのぞき それによって子どもの評価や進行方向を変える』なんてことをいつもやっていたら、それはモノサシが伸びたり縮んだりするワ、身長を体重計で測ったりするワ ってことと一緒なんですよね」

------でも、やってしまいがちですね。(笑)

「自分たちの家庭において、何が大事か。これはお父さんとお母さんがしっかりと話し合っていただきたいですね。そうすれば子どもも自ずと【基準(モノサシ)】を自分の中に持つようになり、しっかり安定していきます。そしてこれがアイデンティティとなっていくんですね」

------なるほど。アイデンティティの拡散とかで『自分探しの旅』に出かけなくてもよくなるワケですね。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その45
【ABA(応用行動分析)】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


以前NPOハート・コンシャスが主催した子育て講座で、名古屋市児童福祉センター元所長の金山先生(小児科医)と共に、鷲津先生にもお話していただいたのですが、それが大変好評でしたのでそれについて少しお話いただけますか?

「やはり、テーマが<「超苦手なことを持つ子」の育て方>ですので、ABA(応用行動分析)中心の内容でしたね」

------当日参加者に配布した鷲津先生の資料には、いつものようにわかりやすい言葉が並んでいますね。
・子どもが褒められた気がしない褒め言葉は、褒め言葉ではない
・うれしくないご褒美は、ご褒美ではない
・叱られても行動が変わらない場合は、叱らないのと同じ
とか…。
こういうのが、ABAということでしょうか。

「そのとおりです。他にもこういう例があります。
僕が大学でアンケート調査した中に、『親からよく言われた嫌な言葉』というのがあるんですね。そしてその堂々第1位は『何遍言ったらわかるの!』でした」

------私も子どもに言いました。(笑)

「そうですよね。殆どの親が言っていると思います。(笑) でもこの言葉、ABAから見るとこうなるんです。
・言っても【期待した行動】に変容しない場合は、先行刺激(指示等)や後続刺激(褒める、叱る等)に問題がある
・本人が頑張って出来たのに、適切な後続刺激が無いとその行動は【消去】してしまう
・叱られても行動が変わらない場合は、叱らないのと同じ 」


------そこなんですよね。大事なのは!

「例えば1つ目のことについて説明しますね。『靴下を脱いだらカゴに入れなさい(先行刺激)』と言っても、いつまでたっても行動が変わらない場合は、それは【役に立たない先行刺激】なんですね。だから工夫が必要なんです」

------そこになかなか気づけないんですよね~。
ついつい『何遍言ってもいうことを聞かない子』となっちゃうんです。
他にも役立つお話をいろいろとお話いただきましたが、また是非お願いしますね。(笑)

「はい。わかりました(笑)」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その47
【しつけ1】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今日は『しつけ』について伺いたいのですが…。

「しつけですか。今の時代はしつけが出来ていない子どもが多いと、よく言われますね。ではちょっと伺いますが、なんの為にしつけというのが必要なんでしょうか?」

------なんの為、ですか。
当然必要なものとばかり思っていたので、あまり深く考えたことがなかったですね。
『人の迷惑にならない為』でしょうか。
「そうですね。どうしてこれを聞いたかというと、【目標】を持って行った方が上手くいきやすいからなのですが…。
では『人の迷惑にならない為』にしつけをしたとして、その子が受けるメリットは何でしょうか?」

------メリットですか?

「ええ。随分ドライな話になっちゃうんですけどね(笑)」

------メリットとしては、『人に迷惑をかけない人』となりますから、褒められたり尊敬されたりするんじゃないでしょうか。

「いいですね。(笑) 本当はもっとじっくり考えて、メリットを沢山探し出してほしいのですが、まぁ今日は時間もあまり無いので次に進みましょう。ではデメリットは何でしょうか?」

------う~~ん、『人に迷惑をかけない』となると、やりたい事を我慢したり、やりたくない事や面倒くさいことをやらなきゃならないって事があるでしょうね。

「そうなんですね。そしてそのデメリットは、子どもはすぐにわかるんですよ」

------なるほど!
ということは、そういうデメリットを上回るメリットが有るんだと、子どもが理解してくれれば『しつけ』を受け入れるというか、上手くいくわけですね。

「そういうことです。頭ごなしに『しつけ』をやるから、なかなか身に付かないんですね。最終的には【自分にメリットが有る言動のパターン】である、と子どもに理解してもらうのが大事なんです」

------そこですか。

「『しつけ』については、もう1つ大事な事がありますので、次回お話しますね」

------はい。お願いします。
 


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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その48
【しつけ2】
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今回は、前回の『しつけ』のお話の続きということで…。

「はい。では『しつけ』についてもう一つ考えなければならない事についてお話しましょう。『しつけ』というのは、言葉を変えて言うと、【ルールを教え、それを実行するように導く】ことなんですね」

------なるほど。

「ということは、その【ルール】が合理的で、しかもしっかりとしたものでないとまずいわけです」

------確かにそうですね。
ルールということは、『法律』ですもんね。

「そうなんですよ。そして法律として考えるとわかりやすいのですが、日本にはまず柱となる法律として憲法がありますよね。そして具体的なものとして、刑法とか民法とかに続いていきます。
実はこれと一緒で、子育てにおいてのしつけも、柱から枝へとしっかりとした形が必要なんです」

------というと、例えば前回の話に出た『人に迷惑をかけない』というのが柱だとしたら、その具体例を重要なことから優先順位をつけて形作っていくということですか。

「そういうことです。『気分』で運用してはまずいんですよ。子どものある行動について、この前はダメだったけど今日はOKとかね」

------でもルールを形作ると言っても、そんなことをあまり話し合う家庭ってないですよね。

「そこが問題なんです。父親と母親が食い違っていたり、母親と姑が全然違う法律、つまりルールを運用していたりとかが、よくあるんです」

------ありますね~。(笑)

「もちろん、いくら大事だからと言ってルールでがんじがらめにするのはよくありませんが、子どもが【納得】がいくルールを、お父さんとお母さんが話し合って造るのは大事なんですよね。
それともう一つ、『しつけ』というと、そのルールを破った時に叱ることだと思っておられる親御さんが多いんですよ」

------えっ! 違うんですか?

「違うわけではないんですけど、つまり叱る場合もあるのですが、【ルールを守っている時に褒める】のも、しつけなんですよ」

------あ、なるほど!
例えば、『人に迷惑にならないように何かに気を使っている』時に、それを褒めるわけですね。
そして、それも『しつけ』だと…。

「それこそが、とっても素晴らしいしつけです!」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その49
【子どものうつ病】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は、最近増えていると言われている『子どものうつ病』のお話ということで…。

「はい。僕のところにも確かに『うつが疑われるお子さん』の問題で相談に来られる方が増えています。実は北海道大学(傳田健三博士)による約2万人の小中学生に対する調査では、小学生1.6%、中学生4.6% トータルで2.6%がうつ病と推定されています。
また、北海道大学の研究チームの小中学生3300人を対象とした調査では、小学生の8%、中学生の23%に抑うつ症状が確認されました」

------小学生の8%といったら、12~3人に1人ですか!
中学生だと4人に1人に抑うつ症状!

「そうなんですよね。また、子どものうつ病の研究が進んでいるアメリカのデータでは、少し古いのですが1998年で300~600万人の子供がうつ状態と想定されています。そして毎年2千人の子供が自殺しているのです。
アーカイブス・オブ・ジェネラル・サイカイアトリーに掲載された全米保健統計センターの研究報告では、躁うつ病だと診断される米国の子供の数が、1994年から2003年までの10年間に40倍の80万人に急増したことがわかりました」

------ということは、現在ではもっと多いと…。

「そういうことになりますね。そして日本では、小学生のうつ病による自殺は2008年で9人 というデータがありますが、アメリカのように増えていく可能性は高いのではないかと言われています」

------やはりストレスが問題でしょうか。

「それもありますが、ストレスを発散する場が少なくなっていることも問題ですね。また親や教師がそれに気づいていなかったり、軽く見ている場合も多いんです。
うつ病は再発性が高いので、早めの対処と継続したケアが大事なのですが、現状はそれとはかけ離れているように思えます。
なお、下記は大人のうつ病の診断基準をもとに作った『簡易版子どもの抑うつ傾向診断表』です。気になる方は試してみてください」



【簡易版子どもの抑うつ傾向診断表】
(Copyright(c)2016 合同会社ベルコスモ・カウンセリング)

1カ月以上続いているものに○をつけてください。


1.落ち込んでいる気分の状態が多い

2.楽しいと思うことや面白いと思うことが殆どない

3.誰に対しても、話すのが億劫だ

4.自分がダメな気がしてあせる感じがよくある

5.いつも疲れている気分がする 元気がでない

6.なにか問題があると自分のせいだと思ってしまう

7.考えがまとまらない 物事を決められない

8.あまり食べたいと思わなくなった

9.よく眠れない、あるいはあまりにも寝すぎる

10.成長過程なのに体重があまり増えない

11.生きているのが面倒くさい

1番から10番までは○を1点、11番は○を2点として合計点を出してください。
合計で6点以上の場合は抑うつ傾向があるので、児童精神科のお医者さんに相談しましょう。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その50
【続・子どものうつ病】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は、前回の『子どものうつ病』のお話の続きということで…。

「はい。前回、【子ども用うつ病テスト】等を引用しましたが、小児うつ病の診断基準として、A・ワインバーグらは次のような項目を挙げています。
・子どもが不幸な気分と自己を過小評価する傾向の両方。
・次のうちの2つ以上の症状
 1 攻撃的行動
 2 睡眠障害
 3 人と交わることへの欲求の減少
 4 学校への態度の変化
 5 学業成績の低下
 6 身体的な訴え
 7 いつもの活気の消失
 8 異常な食欲あるいは体重の変化

これらの症状はいつもと違っていて、少なくとも1カ月以上続いていなくてはならないという条件がついていますが、確かに注意が必要な項目ばかりですね。
他にも
・欲しいものがあまりない(減った)
・動作がのろのろするようになった
・身だしなみが雑になった
・夜は元気があるのに午前中は気力が無い(日内変動)
などが注意点です」

------これって、結構当てはまる子が多いんじゃないですか?

「そうなんですよね。そして問題は、子どもは大人と違って、上手く自分の症状を伝えられないということなんです。特にアスペルガーの傾向(コミュニケーションが苦手)を持つ子どもは、自分の感情を表すのが大の苦手ですから、うつ病になりやすいと言えます」

------ところで、どうして子どものうつ病が増えてきているのでしょう?

「前回お話しましたように、やはりストレスが増えていること。そしてストレスを発散できる機会が減っていることが大きいでしょうね。
また、これも大きな要因ではないかと思っているのですが、【期待されること】が増えたのではないでしょうか」

-----期待されること、と言いますと?

「例えば、成績はその最たるものでしょうね。今の子供達は、親や先生、そして塾の先生からまで絶えず期待されているじゃないですか。
他にも【良い子】であることを期待されたり、いろいろな特技を期待されたり、場合によってはAKBとかの人気タレントになることを期待されたり…。
子ども達の話を聞いていると本当に大変だなぁって感じることって多いんですよね」

------なるほど。

「普通の子じゃいけないんですかね。生まれてくる時は、『とにかく健康でありさえすれば』なんて言っていたのにね(笑)」

------ほんとですね。

「そして、その『期待された子ども』が、期待に応えられなくなった時がピンチなんですよ」

------うつにはまり込んでいくということですね。

「そういう事です。ただ、ちょっと付け加えておきますが、期待することが全てダメということではないですよ。『期待すると伸びる』という有名なピグマリオン効果というのもありますし。
ただ、『常に期待されている』とか『過度の無理な期待』、『際限のない期待』とかが問題だということですからね」

------わかりました。気を付けます。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その51
【子どものうつ病3】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回も、最近増えていると言われている『子どものうつ病』のお話の続きということで。


「前回、原因についてお話しましたね。それの補足ですが、これはよくある話なんですけど『自分が原因で、子どもがうつになったのではないか』と心配されるシングル・マザーの方が多いんですね。それについては大変興味ある論文が有ります。

京都教育大学紀要 No110-2007
  「家族関係と児童の抑うつ・不安感に関する研究-子どもの認知する家族関係」 内田利弘・藤森崇志著より一部抜粋

『今回の調査においては、父子・母子家庭に特有とされるような抑うつ・不安の高さは見られなかった。
それどころか、抑うつ得点に関しては両親がいる家庭の、非バランス群よりも低い結果が得られた。
調査に使用した尺度による影響も考えられるが、父子・母子家庭の子どもの精神的健康性ひいては強さが示されたように考える。
抑うつ状態に関しては、子どもが自分の中に父母の別離を消化できていなければ、抑うつ状態を誘因することも考えられるが、今回の調査においては子どもの中に現在の親子関係が強く内在化していることから、抑うつへの耐性があるのではないかということが推察される』

つまり、離婚してもその後の流れさえうまく整えれば、子どもはうつ病になるどころか、かえって耐性を付けて精神的健康性や強さを身につけるということなんですね」

------そうなんですか。

「ええ。だからあまり自分を責めないでくださいね。また、これはシングル・マザーに限らないんですけど、行き過ぎた『自責』や『自罰』は子どもに良くない影響を与えますから、注意が必要です」

------『わたしが悪かったから』とかですか?

「はい。その『自責』や『自罰』を、子どもはモデリングする、つまりその思考パターンを取り入れちゃうんですよ。そして『自責』や『自罰』はうつの大きな要因なんです」

------つまり、悪循環になってしまうと。

「そういうことです。また、もう一つ問題が有るんですね。うつというのは『怒り』が大きな要因なんです。その『怒り』は、お母さんの『自罰』に乗っかりやすいんですよ。『僕がこうなったのは、おかあさんのせいだ!』という感じに」

------荒れるということですか。

「そうなりやすいんです。お母さんが過去の自分の育て方を100回責めたからって、事態が改善するわけじゃないんです。それよりも『今、どうするか』にエネルギーを注いでいただきたいんですね」

------どうすればいいんでしょう?

「まずは、親が『~べき主義』や『完全主義』になっていないかのチェックです。『~べき主義』とは『~すべきである』、『~ねばならない』という思考ですね。もしそういう言葉をよく使うようでしたら、是非『~であるにこしたことはない』に変えてください。
また『完全主義』というのは、『常に完全を目指す』というだけではなく、『白か黒か思考』、つまりオール・オア・ナッシングの考え方のことを言います。白か黒かではなく【グレー・ゾーン】も考えられるように努めていただきたいです」

------確かに、世の中って白とか黒っていうことより、グレーゾーンの方が多いですもんね。

「そうなんです。これらに気を付けるだけで、すごく子どもが明るく変わっていくんですよ」

------明るくなれば、うつから脱出できるということですね。
 


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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その52
【子どものストレス】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


前回までは『子どものうつ病』についてでしたが、今回は?。

「前回のお話と関係があるのですが、『子どものストレス』についてお話したいと思います。
ここにスウェーデンの子どもと日本の子どもにアンケートを行った、とても興味深い調査結果があります。かなり違いがあった項目を紹介しますね。
左側が日本の中学生、右側がスウェーデンの中学生の回答(%)です。

≪いらいらする≫           19.2  7.1
≪わたしは、家でストレスを感じる≫  20.0  4.0
≪わたしは、よく死にたいと思う≫    6.9  2.8
≪わたしはカッとしやすい≫      26.7  6.7
≪わたしの生活はつまらない≫     17.6  8.9
(Tanaka.H.etal 2005 参照「子どものこころ」の見方、育て方」田中英高著)」

------ストレスを感じていることがよくわかる数字ですね。

「そうですね。また学校や家庭についてではこのようになっています。

≪勉強や友達のことが気になる≫    23.7  3.7
≪学校の先生が嫌い≫         22.3  9.4
≪わたしは成績が悪くなった≫     43.3  10.6
≪学校の友達との間でトラブルがあった≫45.8  12.7
≪クラブ活動で嫌な思いをした≫    38.3  9.5
≪学校で恥ずかしい思いをした≫    43.0  7.5
≪わたしはだれかをいじめたことがある≫29.2  7.6

≪私の家族は私の努力をわかってくれる≫33.0  73.8

≪親にひどくしかられた≫       31.8  6.1
(引用 同上)」

------うわ~、ショック!

「ですよね。親も教師もショックを受ける数字です。ところで意外な数字もあるんですよ。

≪私の両親は別々に離れて暮らしている≫ 7.2  24.0
(引用 同上)」

------ということは、スウェーデンの中学生の4人に1人は片親ということですか?

「そういうことでしょうね。前回の『父子・母子家庭の子どもがうつ病になりやすいわけではない』というのにも繋がります。スウェーデンでは片親が日本の3倍以上なのに、子どもの精神状況は日本より遥かに良好なんですから」

------親が考えている以上に子どもってストレスを感じているんですね。

「ええ。しかも親に心配させまいと、ストレスを感じていることを隠しているこどもが多いんです。そういう子が、ストレス耐性の限度を超えると、『死にたい!』ってなっちゃう。もうその時は、既にかなり重い状況なのですが…」

------怖い話ですね。
子どもが話すことだけを全てと思っていたら…。

「そうなんです。ところでこの調査結果には他にも考えなければいけない指標がありますので、次回お話しますね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その53
【今の子どもの問題点】
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「前回はスウェーデンの子どもと日本の子どもの比較をお話しましたが、今回は指定都市教育研究所連盟の昨年のデータについて気になる事を取り上げたいと思います。
約2万2千人の小中学生にアンケート調査を行ったものなのですが、その質問項目の中に『あなたは、家の人と食事をしていますか』というのがあるんですね」

------これは興味がありますね。

「回答は、次の4つの中から選ぶことになっています。
1.朝食も夕食も家の人と食べる
2.朝食だけ家の人と食べる
3.夕食だけ家の人と食べる
4.殆ど一人で食べる
さて、この結果から2番と4番の割合を足せば、『夕食を家族と食べない』子どもの数字が割り出せますよね。
その数字はこうなっています。小学4年生で4.9%、6年生で7.3%、中学2年生では11.2%」

------えっ!
中学2年生だと9人に1人が、一人で夕食を食べているんですか!

「そういうことになりますね。さて、ここからが問題です。政府や政治家は、日本の高齢化や少子化による労働力不足を女性が仕事に就く事でカバーしようとしていますよね」

------でも、お母さんが働きに行けば、当然のことながら一人で夕食を食べる子どもは増えますよね。

「そうなんです。日本人が勤勉なのは結構なことなのですが、お父さんの多くが企業戦士となった結果、子どもとお父さんの繋がりが弱くなってしまいました。
今の子ども達の『切断能力』、つまり決断とか立ち向かっていく力が弱くなったのは、家庭でお父さんの影が薄くなったのと関係があるのではないかと言われています。
そして今度はお母さんの影が薄くなったら、『抱合力(やさしさ、面倒見など)』まで弱くなりかねないのでは、と心配しているんです」
------確かに、夕食を一人で食べている子どもがそんなにいるとなると、これは心配ですね。

「実際、その懸念は大きくなっています。心理テストで『文章完成テスト』というのがあるんですね。
例えば『わたしが生まれた時…』という言葉が書いてあり、その後に何でもいいから言葉を繋げて文章を完成してもらうというテストで、これがうまく文にならないと、その項目に何か問題があるのではないかとカウンセリングをしたりするのですが」

------あ、わたしも鷲津先生の講座で一度やってみたことがあります。

「そうですね。その文章完成テストで、『我が家の食卓は…』という設問を出すと、その後を書けなくなる大学生が増えてきているんですよ」

------何かそれについて、心の中でひっかかっちゃっている?

「これだけで一概にそうとは決めつけられませんが、あまり良い傾向じゃないのは確かですね」

------やっぱり夕食は家族で食べたほうがいいですよね。

「そうですね。出来ればテレビをつけず、スマホや携帯も持たずに、というのが望ましいですね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その54
【認知療法】
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最近の子どもはキレやすいという話をよく聞くのですが、今日はこれについてお話いただけますか?
「はい。確かにそういう気がします。ただこれはいろいろな要因があると思うんですね。まず、第一に考えられるのは、少子化という事もあるのでしょうが、親が子どもの気持ちを先取りすることが多いと、子どもは自分の気持ちをうまく表現できなくても家庭内では通っちゃうんですね。
ところが一歩外へ出ると、人は自分の気持ちを察してくれない」

------なるほど。それで自分の気持ちをわかってもらえないからキレてしまう、と…。

「そういう事ですね。また、これも少子化ということもあり、家庭内で我慢することが減り、我慢するとか辛抱するとか待つということへの耐性が落ちていることも挙げられます」

------そうですよね。
でもそうやって考えると、『自分勝手』と一言で片付けてしまいがちですけど、キレやすくなってしまう要因はいろいろとありそうですね。

「そうなんです。他にもAD/HDや自閉症スペクトラム(アスペルガー)の子どもは、その特性上キレやすいですよね。そして教育現場ではそういう発達障害の子どもや、それに親和性を持つ子どもが実感として増えているという声が多いのも事実です」

------という事は、対処法もいろいろになってしまうということですか?

「そうですね。ただ、あまり広げすぎてもわかりにくくなりますので、ここでは認知行動療法の考え方をご紹介しますね」

------認知行動療法と言えば鷲津先生がカウンセリングで行っている療法ですよね。

「そうです。これは子どもにも有効なんですよ。もちろんお母さんやお父さんにもとっても役に立つものなんですけどね。
では、まずはキレやすい子どもに対して、その子どもの認知の枠組み、これをスキーマというんですが、これについて考えてみましょう。これは、このケースで言うと、『人が自分をキレさせるのではなく、自分の考え方が自分をキレさせている』っていうことなんです」

------そこのところをもう少し詳しく説明していただけますか?

「人や出来事が自分を怒らせるのではなく、自分の心の枠組みが自分を怒らせているという例をお話しますね。
例えば電車に乗っていて、その電車が揺れた時に近くの女性がよろけて、人の足を踏んだとしますね。しかもその女性はハイヒールのとんがった靴を履いていたとします」

------うわ~。

「さあ、そこで踏まれた人はどう思うか、ということなんです」

------そりゃ、怒りが生じるでしょう。

「そこなんですよ。一般的には、『踏まれた(出来事)』→『怒り(感情)』という流れを、当たり前だと思いますよね。ところが認知療法だと違うんです。
『踏まれた(出来事)』→『揺れても人に迷惑をかけない為に、つり革などに捕まっているべきだ(考え方、心の枠組み)』→『怒り(感情)』と考えるんです」

------ああ、そういう考え方があるから、怒りが発生したと…。

「そういうことです。では、そうじゃなくて『僕の存在は誰からも大事にされない』という心の枠組みがあったらどうなるでしょう?」

------『踏まれた(出来事)』→『僕の存在は誰からも大事にされない(考え方、心の枠組み)』ってことですよね。
そしたら、『悲しみ』とか?
あ、『怒り』じゃなくなるんだ。

「そのとおり。おわかりいただけましたか? 認知(考え方)の枠組みによって、感情は変わってくるんですよ。中には『怒り』や『悲しみ』ではなく、『もっとハイヒールで踏んで m(_ _)m』 となるかもしれませんし…(笑)」

------その枠組みは勘弁してください。(笑)

「子どもだって一緒なんです。先生が自分の期待通りにかまってくれなかったとして、『かまってくれない(出来事)』→『先生は親のようであるべきだ(枠組み)』となると『怒り』が生じるでしょう。
でも、『かまってくれない(出来事)』→『先生は親のようであってほしいが親ではない。また例え親でも、子どもが40人近くもいたら、そんなにかまってくれないだろう(枠組み)』となれば…」

------なるほど! 確かに、怒りはそんなには出て来ないかもしれませんね。
このお話はもう少しお聞きしたいので、次回も宜しいですか?

「はい。わかりました」



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【続・認知療法】
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前回は認知行動療法のお話だったのですが、今回もその続きということで宜しいでしょうか。

「はい。前回は『感情というのは、その人の【認知の枠組み】によって生まれる』というお話をしました。ところでこの枠組みの中で、『怒り』に密接に関係しているものがあります。それが、僕がよくお話する【完全主義】と【~べき主義】なんですね」

------その2つが、怒りを生みやすいというわけですね。

「そういうことです。親がこの2つの枠組みを持っていると、子どもに対してついつい『完全を目指せ』とか『~であるべき』というメッセージを出しがちなんです。そして子どもはその命令を自分の中に取り込んでしまいます」

------ということは、自分に対して『完全を目指せ』とか『~であるべき』という命令を、自分が出し続けることになりますね。

「はい。そして子どもはその取り込んだメッセージに沿うように頑張ります。でも『完全』なんて無理なんですよね。ここの所が問題なんです。
例えば我々はよく『頑張れ!』って声をかけますよね。これを英語にすると『Do your best』となります。でもね、『Do your best』っていうのは本当はBESTを尽くしたら、そこで褒められて終わりなんですよ。ところが我々が言う『頑張れ!』っていうのは終わりが無い場合が結構あるんですね」

------そう言われるとそうかもしれません。
80点を取ったら90点を目指せ、90点を取ったら100点…。

「そして 100点を取ったら『それを維持し続けて、今度は他の教科もその調子で頑張りなさい!』って…(笑)」

------確かにきりがありませんね。

「完全を目指すとそうなっちゃうんですよね。そこへ持ってきて『楽をすべきではない』とか、『~べき主義』まで入っちゃうと、これはどこかで無理が出て当然です」

------だからキレちゃうわけですね。

「そうなんです。だから『ちゃんとしなさい!』なんて言い方は、実際のところ、あまりよくないんですよ。どこまでどう頑張ったらいいのかわからない。
また、頑張ってやったのに、『ちゃんとしなさいって言ったでしょ!』なんて言われた日には…」
------もうキレるしかないですね。(笑)

「ジャンケンの後出しみたいなもんですからね、『ちゃんとしなさい』とか、『ちゃんとやった?』という言葉は(笑)」

------なるほど。
だから【具体的】に言わないとダメなんですね。

「そうですね。この【完全主義】と【~べき主義】が強いと、その家は『怒り』が支配します。もしそうだったら、是非緩めていただきたいですね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その56
【叱るより褒める】
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今回は【叱る】ということについて伺いたいと思います。
まず、よく『叱るより褒めろ』って言いますよね。

「はい。これは本当ですね。『叱る』のも『褒める』のも、【親が期待する言動を、子どもにしてもらう手段】なんですが、『叱る』よりも『褒める』方が、圧倒的に効果が大きいんですね」

------効果が大きい…。

「ええ。これは色々なテストではっきりと出ています。例えば『叱る』というのは『褒める』よりも、慣れやすいんです」

------あ、わかります。
最初のうちは聞いてますけど、何回目かになると、もう聞いていないですもんね。

「そうなんですよ。それに引き替え『褒められる』というのは、何度でもうれしいんですね。あと、『叱る』というのは『期待した方向に進まない』場合があるんです」

------と言いますと?

「例えば『寝る前に歯を磨く』ようになってほしかったとしますね。この場合、磨かなかった時に叱るとします。そうすると、磨くようになってくれればいいのですが、磨いたふりをするとか『叱られないように努力する』場合があるんですよ(笑)」

------そんな努力をする暇が有ったら、磨いてくれればいいのに…。

「親はほんとにそう思いますよね。ところが『磨いた時に褒める』というのは、こういう問題は出てきません。それとね、もう一つ厄介な問題が有るんです。『叱る』と、【その事が嫌いになる】ことが多いんです」

------あ、なるほど!
『歯を磨きなさい!』って叱ると、歯を磨くことが嫌いになると…。

「そういうことです。ところが『褒められる』と、そのことが好きになる可能性が高くなるんですね」

------う~~ん、そういうことですか。

「そういうことです」

------じゃあ、絶対に叱っちゃいけないっていうことですか?

「いえ、本やセミナーでは、『子どもを絶対に叱っちゃいけない』という言葉がよく出てきますが、僕はそうは思っていません」

------え? そうなんですか?
では次回、それについてもう少しお願いします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その57
【叱り方】
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今回は前回に続いて【叱る】ということについて伺いたいと思います。
叱るということは絶対にいけないというワケではないという事でしたね?

「はい。まず第一に、叱ることで効果のある子どものタイプがあるんですね」

------叱っても効果がある?

「ええ。例えば子どもの中でも成績が良い子は、叱っても効果がある場合もあるんです」

------と言うことは、悪い子は…。

「これは、もう『叱るより褒めろ』です。『叱る』と、かえってやる気を無くしたり自己評価が益々低くなったり、本当にデメリットが多いんですよ」

------なるほど。

「また、外向的な子どもの場合にも叱っても効果がある場合が認められます」

------と言うことは、内向的な子はやっぱり…。

「そういうことですね。先程のケースと一緒です。
つまり『成績が優秀で外向的』な子どもは、叱っても効果がある場合もありますが、但しもちろんその場合でも『叱るより褒めろ』んなんですけどね、『成績があまり良くなく内向的』な子どもに対しては、叱るということは本当にデメリットが大きいんです」

------でも、ちょっと待ってくださいよ!
わたし達って逆をやってません?
つまり、『成績が優秀で外向的』な子どもは褒めて、『成績があまり良くなく内向的』な子どもを叱っちゃう…。

「そこなんですよ、問題は。結構、自己評価の低い子どもって、このケースが多いんですね」

------じゃあ、そういう子どもは絶対に叱っちゃいけないですね。

「ところが、親としては叱りたくなっちゃうんですよね。そこで大事なのが【叱り方】なんです」

------よく、『感情的に叱ってはいけない』って言いますよね。

「そうですね。そしてそれは確かにその通りなんです。ただね、我々は神様でもなければ仏様でもないんです。そう簡単に『怒りを制御』できたら苦労はないんですよね」

------そうなんです!
だから、是非知りたいんですよね、『叱り方』を。


(次回に続きます。)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その58
【叱り方2】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回も前回に続いて【叱る】ということについて伺いたいと思います。
いよいよ【叱り方】についてですが。

「はい。ただその前に、叱る時というのは『~してほしいのに、してくれなかった』、若しくは『~してほしくないのに、した』という場合が殆どなんですね」

------そうですね。

「という事は、順序として、まず叱るのではなく『~してほしい』とか『~してほしくない』ということを、わかりやすくはっきりと伝えるのが大事ですよね」

------なるほど。親の考えが子どもに明確に伝わっているかどうかの確認ということですね。

「そういうことです。できたらこれは、文として書いておいた方がいいですね」

------それでも言うことを聞かなかったら?
例えば、前に出た例ですけど、食後に歯を磨かないとか。

「そうなんですよね。伝えてもなかなかやってくれないのが、子どもなんですよね。でもどうしてやってくれないんでしょう?」

------面倒だからじゃないですか?(笑)

「そうなんですよ! そのとおりなんです。わかってるじゃないですか!
じゃあ、どうしてそういう時に『何でやらないの!』って怒るんでしょうね~(笑)」

------あ、そう言われるとそうですね。
何の意味もないですね、『何でやらないの!』って怒り方は。

「そのとおりなんです。意味がないことを言ってお互いが不愉快になっているんですよね。だからそれよりも、『面倒な事をやったら、その面倒さを上回る【得】をするシステム』を作った方が早いんです。
逆に言うと、『やらないと、得られるモノが得られなくなってしまうシステム』ですね。これが【効果的な叱り方】なんですよ。これを具体的に考えていくのが大事なんです」

------う~ん、なんか面倒なんですね~。

「面倒でしょ? でもよく考えてくださいね。『子どもに面倒なことをやってもらう』んでしょ?」

------なるほど!(笑)
親がめんどくさがっていちゃ、話にならないですね。

「そうですね。ところでまずは順序としてそこから話してきましたが、僕としてはそういうやさしいやり方だけではなく、厳しい叱り方も実は大事じゃないかと思うんです。それについて次回お話しますね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その59
【叱り方3】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回も前回に続いて【叱る】ということについて伺いたいと思います。
【厳しい叱り方も実は大事】という事でしたね?

「はい。例えば僕には娘がいるのですが、小さい時に厳しく叱ったのは【健康】と【安全】に関わる時と決めていたんですね。
例えば、眼が悪くなるような姿勢で本を読んでいたり、近所で遊んでいる時に道路へ飛び出したりした時とか…」

------なるほど。
『こういう事に関しては、叱るよ』と。

「そういう事です。だから、大事なのはルールを作ることだと思うんですね。そうなると、まず第一に考えないといけないのは、【ルールの明文化】です。
例えば、日本という国で考えると憲法が有り、刑法が有り、民法や商法がありますよね。そしてそれに反するとその法律に明記されている量の罰が与えられます」

------どういう事をしたらいけないか、またそれをするとどういう罰が与えられるかをはっきりしておくという事ですね。

「ええ。その時その時の親の気分しだいで罰を変えてはいけないということです。そしてその罰も合理的なものでないといけません」

------『叱る』には【明確さ】が必要だと。

「はい。これが出来ていると、意外と子どもって叱られても納得してくれるものなんですよ。ただこれについては大事なことが一つあるんです。レディネスの問題なんですね」

------レディネスの問題と言いますと?

「器(うつわ)の問題と言ってもいいでしょう。例えば算数をやるには、数字というものの概念が既に無ければ無理ですよね。それと一緒です。
器がまだ出来ていないと、いくらルールを作ってもうまくいかない場合が有ります。例えば『人に迷惑をかけない』というルールを作って明文化したとしても、5~6歳にならないと、この概念は子どもにはわからないんです」

------あ、なるほど。
じゃあ3歳の子どもに、いくら『人に迷惑をかけてはいけない』と叱っても、無理があるということなんですね。

「そうなんですね。それと、もし子どもを叱った場合は、できるだけそれをノートか何かに書き留めていただきたいんです」

------『怒った事ノート』ですか。

「そうです。それをやって、たまに内容を整理していただくと、気づく事がとっても沢山あるんですね。また、それを系統だてていくと知らないうちに『叱るのが上手』になっていくんです」

------へぇ~、そうなんですか!
いいですね!『叱るのが上手』って。
是非、なりたいです。

「なってください(笑)」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その60
【目標設定】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は【目標】ということについてお話しましょうか」

------目標ですか。実はわたし、目標を立てるのが苦手なんです。

「おや、そうなんですか。僕もそうなんです」

------えっ、そうなんですか?

「ええ。子どもの頃から苦手でしたね。ところでちょっと面白い実験というか、統計を考えた人がいるんです。これはアメリカでの話なんですけどね。『成功の秘訣』を、沢山の成功した人に聞いて回ったプロジェクトがあったんです」

------それは興味がありますね。秘訣はなんだったんですか?

「それがね、成功した人たちは、成功の為に必要なモノを親切に言ってはくれたのですが、それぞれに共通するものがなかなか見つからなかったんですよ。
ある人は『あきらめないこと』が大事だと言うし、ある人は『継続』、またある人は『辛抱』が大事と言ったり…」

------なるほど。

「ですので、このプロジェクトのスタッフ達はもう諦めようかという話にまでなったんですけど、そこであるスタッフがハタと気が付いたんです。
よく考えたら、成功した彼らは色々と違う要因を言ったようにみえるけれど、『あきらめきれないほどの魅力ある目標』や『継続できるだけの魅力ある目標』、また『辛抱できるほどの目標』を持っていたのではないかと…」

------あ、そういうことですか。

「ええ。大事なのは【目標を持つこと】なんですね」

------そう言えば、『やる気が起きない』っていう子どもは、目標を持っていない場合が多いですもんね。

「そうなんです! やる気が起きる、起きないっていう問題には『目標が有るか無いか』が重要なファクターなんですよね」

------目標を持つって大事ですね~。
でも、わたしみたいに目標を設定するのが苦手な人や子どもはどうしたらいいんでしょうか。
そのあたりを次回、お願いできますか?

「はい。わかりました」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その61
【目標設定2】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は目標を設定するのが苦手な人はどうしたらいいか、というお話を、お願いします。

「はい。まず簡単に言ってしまうと、目標を設定するのが苦手な人というのは、今までに『目標を立てても、いいことが無かった』人なんですよ。つまり、目標が達成できなかった経験が多いわけですね」

------あ、確かに。

「どうして達成できないか。これを考えてみると、目標設定が苦手な人の傾向がよくわかります。まずは『高い目標を設定する』場合が多いんですね」

------なるほど。だから達成がなかなか難しい…。

「そういうことです。逆に言うと、ある程度簡単に出来そうなことは『目標』として掲げないということなんです」

------あ、そうかもしれません。

「ということは、出来そうなことは目標として設定せず、難しいことを目標として設定するワケですから、当然に達成率は低くなりますよね」

------言われてみるとそうですね。

「達成率が低いということは、当然面白いことではありませんよね。しかも親や先生に怒られたりして…」

------なるほど。
そうだと確かに『目標を立てても、いいことが無かった』経験が増えますね。

「もう一つ、注目したい傾向があるんです。それは『目標設定が苦手』な人って『目標の修正も苦手』なんですよ。つまり、目標を立てたら立てっぱなしなんですよね」

------わかります。(苦笑)

「僕もわかります。(笑) 目標を修正するっていうことは、実は『新しい目標を設定する』ことと殆どいっしょなんですよ。だから目標設定が苦手な人は、ついつい面倒だから修正せずに、そのままほったらかしにしちゃう…」

------そこですか、問題は。

「ここです。考えてみると、達成率が低いのは当たり前ですよね。高い目標を設定し、しかも修正もしないでそのまま行っちゃうんですから。そして、達成できなかった自分を【 not OK 】と思い、しかも叱られたりして(笑)」

------それでますます目標設定するのが嫌いになっちゃうワケですね。(笑)

「そうなんです」

------なんとかなりませんか?
次回、是非続きをお願いします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その62
【目標設定3】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は目標を設定するのが苦手な人はどうしたらいいか、というお話の続きです。

「前回、目標設定の苦手な人の特徴をお話しましたよね。もう一つの特徴なんですが、目標を頭の中に置いておきにくいタイプが多いんです」

------ということは、逆に言うと、目標を設定してそれに向かっていける人は、目標が常に頭に在るってことなのでしょうか。

「そういうことです。まぁ、常にということはないかもしれませんが、目標を意識していられる時が多いってことですね。となると、目標設定が苦手な人の対策は、頭の中に置いておけないのなら、【目につきやすい所に書いて貼っておく】ということになります」

------あ、例えば受験の時に『○○大学合格!』とか机の前に貼っておく子がいますよね。あれですか。

「そのとおり! あれは実際『良い方法』なんです。そういう子は確かに合格する率が高いんですよ」

------えっ!

「他にも受験の時は神社へ合格祈願に行ったりしますよね。その時に絵馬に『合格したい学校名』と『自分の名前』をしっかりと書く子は、『希望校に合格しますように』と曖昧に書いた子より、やっぱり希望校に合格する率が高いのではないかと僕は思います。
もっともこれは何十人という単位でしかアンケートとしてはとっていませんので、確実なデータではないのですが」

------恥ずかしがらずに、明確に具体的に設定した方がいいってことですね。

「そういうことです。それでね、目標を設定するっていうのは習慣付けなんですよ。そしてそれは、実際面倒なことなんですよね。だからまずは、楽しいことから目標を設定するクセをつけてみてはいかがでしょうか」

------例えば旅行とか、遊びに行くこととかってことですか?

「そうです。他にも、何か買ってほしいものがある時は、多少は嫌なこと、例えば勉強とかね、それを我慢してやるってことが大事なんです。
そういう時を利用して、○○が達成した時はギターを買ってあげるから、計画を立てなさいっていう感じで徐々に習慣付けていくといいんですね」

------トークン・エコノミーですね。

「はい。そう云えば昔はそろばん塾とか習字塾って沢山ありましたよね。それらの塾をやっておられた方は、このトークン・エコノミーを利用して子ども達に計画を立てさせるのがとっても上手だったんですよね」

------いましたね。計画達成したら次はもっと魅力的な景品とか用意して、なかなか塾をやめさせないっていう名人みたいな先生が。(笑)

「いましたいました。(笑) 叱ってばかりいても、計画作成能力は付きませんし、ましてや計画を達成して内的モチベーションを持つことも難しいと思います。
まずは【計画を立てるだけでも、何かいい事(ほめられるとか)がある】というところからスタートするのが一番でしょうね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その63
【アドラー心理学の子育て法】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


最近、子育てセミナーなどでアドラー心理学ってよく聞くんですけど。

「アドラー心理学というのは、確かに子育てにマッチする理論ですね。『横の関係』を大事にするっていう考え方なんですけど」

------『横の関係』と言いますと?

「例えば、仕事で言うと『縦の関係』が多いですよね。指示とか命令とか、上司と部下の関係っていうとイメージしやすいかな?」

------なるほど。
じゃあ『横の関係』っていうのは友達とかってことですか?

「まぁ大雑把に言うと、そういうことになります。でも、実際には友達同士でも微妙に『縦の関係』だったりしますけどね。ところで、親子関係とか、先生と生徒の関係は何だと思います?」

------そりゃ、『縦の関係』でしょう。

「ですよね。ところがアドラー派の人は、それも『横の関係』で行こうってことなんですよ。何も『縦の関係』じゃなくてもいいでしょってことなんですね」

------なるほど。でもそうなると、指示や命令はどうなるんですか?

「上から下へではなく、『横の関係』で『お願い』すればいい、ということですね」

------え~っ! 先生が生徒に、親が子どもに『お願い』するんですか?

「そういうことです。『宿題をやってくださいね』とか…」

------でも、それで宿題を子どもがやらなかったらどうするんですか?

「その時は、『お願い』の仕方が悪かったと考えるんですよ」

------う~~ん。 なんか『叱る』より『褒めろ』っていう話と似ていますね。
難しそう…。

「そうですよね。ただ、この『横の関係』っていう考え方を知っていると確かにいいんじゃないかなと思うんですよ。
これは僕がよく思うことなんですけど、例えば子どもがゲームで遊んでばかりいるって厳しく怒る親をよく見かけるんですよね。子どもに『意志が弱い!』って怒っているんです。
でもね、僕は自分が子どもの頃に今みたいなゲームが有ったら、果たしてピタッとやめられるかというと、難しいんじゃないかな」

------なるほど。
自分の子どもの頃と比較するってことですか。

「そういうことです。環境も条件も違っているのに、ただ単に叱るっていうのは、あんまりフェアじゃない気がするんですよね」

------そう言われるとそうですね。
上から押さえつけるようにモノを言ってばかりじゃ、子どもの心も離れていっちゃいますよね。

「そうなんです。もちろん、いつも『横の関係』でいるっていうのは難しいでしょうけど、逆にいつも『縦の関係』だと、ひょっとしたら開く花も開かないかもしれませんし…」

------上手に『お願い』ができるようになれるといいですね。(笑)



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その64
【続・アドラー心理学の子育て法】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


前回の続きなんですが、あるアドラー心理学のセミナーで、『褒めてはいけない。勇気付けが大事だ』って聞いたんですけど、そこのところをお話しいただけますか?

「エンカレッジメントのことですね。それはこういう事です。まずは考え方の枠組みの話から入っていきましょうか。
例えば学校の成績重視で音楽には関心の無いお母さんがいたとしますね。そしてそのお子さんが、勉強をやらずに太鼓ばかり叩いていたとします。この場合、お子さんが太鼓が上手くなったとして、お母さんは『褒める』でしょうか」

------褒めないでしょうね。かえって『そんな暇が有ったら勉強しなさい』って叱るかも。(笑)

「そうなんですよね。実は『褒める』というのは、相手が自分の枠組みで期待することに応えた時するものなんです。つまり、上から下への【縦の関係】の時によく行われることなんですよ」

------なるほど。だから自分の考え方の枠組みに添わない『太鼓が上手』であることに対しては褒めないわけですね。

「そういうことです。褒められるとちょっと嫌な顔をする子は、無意識の内にそれに気付いている場合が多いんです。だから、何でもかんでも褒めればいいっていうもんじゃないんですよね」

------なるほど。
じゃあ『勇気付け』というのは?

「わかりやすく言うと、【横の関係】の『褒める』ということです。別に太鼓に興味がなくても、『上手に叩けてすごいなぁ!』というのがそれに当たりますね」

------あ、鷲津先生がよく仰る『感心することが大事』というのは、ここにあるんですね。

「そうなんです。言われた方が思わずうれしくなる、なんかもっとやる気が湧いてくる、自信を持っちゃう、そういうプラスのストローク、つまり人間関係の刺激がアドラーの言うところの『勇気付け』なんですね。僕はもっとわかりやすく『感心する』って言っていますが」

------よ~くわかりました。
でも、この場合で言うと、もっと太鼓ばかり叩いて勉強を益々やらなくなりませんか?

「太鼓は太鼓、勉強は勉強です。太鼓が上手になったのは『感心』して『やればできる』という自信を持ってもらい、勉強は勉強でどうやって面白く感じられるように工夫すればいいんじゃないですか。好きな太鼓をやめさせたら、勉強にやる気出して頑張るとは僕には思えませんが。もっともバランスには気を配る必要はありますけどね。(笑)」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その65
【「わかる」と「考える」が大事】
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NPOハート・コンシャスの顧問でもある鷲津先生(ベルコスモ・カウンセリング 代表カウンセラー)にいつもお話を伺っているのですが、このところ鷲津先生は大学のテキストの執筆や、立て続けに入っている講演に追われて超多忙の為、今回は以前書かれた他のメルマガの子育ての話をご紹介いたします。

以下鷲津先生のメルマガから引用


: : : : : : : : : : : :

今年前半は、子育てとか教育について講演することが本当に多かったんですね。

そして、なかなかうまくいかない現状を、沢山の先生方やPTAの方々からいろいろと伺いました。

難しいですね。
皆さんそれぞれ、『よかれ』と思って行動されているのですが…。

しかしよくよく考えてみると、子供どころか我々しっかりした大人でも出来るのかな?という事を子供達に命令している場合が結構あるんです。

例えば『やる気を出せ!』がそうですね。

やる気って『出せ』と言われて『はい!出します』ってできるものなんでしょうか?

同様なものとして、
『落ち込むな!』
『恐れるな!』
『自信を持て!』
『好き嫌いはダメ!』
『いつも前向きであれ!』
などがあります。

確かに【ごもっとも】な話です。
でも、これを疑い無く実行しようとする子ども(大人もそうですね)が、心の病にかかりやすいんです。


さて、話は変わりますが、日本人って子どもの頃から【出来る】ことを要求されているんですね。
そしてそれをクリアーするために、我々は【記憶する】という勉強法をとります。

でも、大事なのは【わかる】ことなんですよね。
そしてわかる為には、【記憶する】ことではなく、【考える】ことが必要なんです。

【記憶】して【出来る】ことを、教育システムで要求された子どもは、【わかる】ために【考える】ということをやらずに大きくなり、結果的に社会に出て苦労しています。

僕の(大学の)授業でも、150人もの学生が受講しているのに、「質問はありますか?」と聞いても殆ど手が挙がりません。

欧米の大学の授業風景と比べると、【疑問を持ち、考える】ということにおいての違いは明らかです。

お上(国家)の言うとおりにやっていれば上手くいき、欧米の真似をしてモノを造れば売れた時代は、これでよかったのかもしれませんが…。


でも、これからはこの【わかる】ということ、そして【考える】ことができないと、生きていくのが大変という時代に移行していきます。
それらについて、もっともっと発信していかないといけませんね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その70
【本当にやりたいこと】
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「ノーベル物理学賞に輝いた赤崎教授が、こんなことを仰っていましたよね。 『本当に自分がやりたいのであればやりなさい』 確かにその通りだと思います。しかし、その【本当にやりたいこと】を見つけられないまま、歳を取っていく人が多いのではないでしょうか。僕もそのうちの1人なのですが」

------私もです。(笑)

「例えばノーベル賞などという凄い賞ではなくとも、『賞をもらいたい』とか『人に尊敬されたい』と思う人は多いでしょうし、またそれはいけないことではありません。ただ、問題は『何をやって?』ということなんですよね」

------貰うためには、何かできないといけませんものね。

「そうなんです。でも実は、その『何か』を見つけること自体が難しいんですよ。
そこで、僕が名城大学の講義で使っていたパワーポイントの中の1つのスライドに書いてあることをご紹介しますね。
=================================
【成功した人に秘訣を聞くと、
「あきらめないこと」 「継続が大事」 「辛抱」
などという言葉が返ってくるが、
彼らは
「あきらめきれないほどの魅力ある目標」
「継続できるだけの魅力ある目標」
「辛抱できるほどの目標」
を持っていたのである】
=================================

これは、あるアメリカで行われた調査をまとめたものです。どうしたら成功するかを数百人の成功した人にアンケート調査したそうなんですが」

------なるほど。
目標を持つことがいかに大事かというお話ですね。

「はい。こうやって考えると、まずは【目標設定できる能力】を育てるのが大事なんですね」

------う~~ん、ただ『頑張れ』とか『辛抱しろ』とか『継続が大事だ』とか言っていてもしょうがないということですね。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その71
【コンプレックス】
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今回は『コンプレックス』についてだそうですが?

「はい。カウンセリングに来られる方の多くは、実は沢山のコンプレックスを持っておられ、それがいろいろと厄介な事を引き起こしている場合が多いんですね。そしてそれらのコンプレックスは、実は子どもの頃に形成されていることが多いんです」

------なるほど。私も沢山有りますよ。鷲津先生みたいに上手にしゃべれないとか。(笑)

「そうなんですか。(笑) ただ、ちょっと言わせていただくと、実はコンプレックスというのは、今言われた『鷲津先生みたいに上手にしゃべれない』というような『意識されているもの』というよりは、『無意識』の領域に潜んでいるものが多いんですよ」

------無意識ということは、自分では気付いていないっていうことですか?

「そういうことなんです。よく『僕は無意識のうちに君を好きなのかもしれない』なんて言う人がいますが、あれは『意識』なんです。(笑) 無意識なら気付きようがないんですから」

------なるほど。
じゃあ、コンプレックスを持っていても本人がそれに気付いていない場合もあると…。

「そのとおり。そして、だから厄介なんですよ。コンプレックスという言葉は一般的には『劣等コンプレックス』のこととして使われています。実は劣等以外にも有るのですが、ここではとりあえず『劣等コンプレックス』のことをお話しますね。こんなことはありませんか?
人から何か言われた時にカチッと来て、過剰反応、例えば喰ってかかったりして驚かれた事って」

------なんかあるような気がします。
言った人は、そんなに酷いことを言ったつもりじゃないから驚いたって事は…。
それに、自分が誰かに何か軽い気持ちで言ったのに、すごく怒らせてしまって困惑したこともあります。

「それって、その人のコンプレックスに触れた場合が多いんですよ。ではちょっと説明しますね。
人は、何か受け入れられない事や、それを意識の中に持っていると心が持たない場合は、『防衛機制』というのを働かせるんですね。例えば好きな女性にふられた時に、『あんな性格の悪いコにふられてかえってよかった』とか勝手な理屈を付けちゃうとか」

------ありますあります。

「その『防衛機制』というメカニズムの中に、【抑圧】というのが有るんです。これは『何か受け入れられない事や、それを意識の中に持っていると心が持たない事』を、意識のエリアから心の奥底の無意識のエリアに放り込んでしまう機能なんです。
例えばある子に、親が冗談で『おまえは本当は要らない子だったんだよ』と言ったとしますね」

------わかりました。
その子にとっては、その言葉は耐えられないから、無意識の中に放り込んでフタをしてしまうということですね。

「そういうことです。ところがこれは、噛み砕いて消化したワケではありませんから、時々悪さをするんです」

------なるほど。
例えば、何かの時に理由もなく、低い自己評価をしてしまうとか…。

「そうなんです。だから『劣等コンプレックス』というのは『劣等』であるとは限らないんですね。
例えば勉強が出来なくても、親がその子の存在というのをしっかりと認めている場合は、劣等コンプレックスは起きにくいんです。
ところが勉強が標準レベルよりもかなり高くっても、例えばその子のお兄ちゃんがもっと出来ていて、事あるごとに親が比較してはその子をバカにしていると、成績がよくても劣等コンプレックスは生じます。
つまり、【優・劣】だけではなく、【感情】が絡むものなんですね」

------そしてそれが心の奥底の無意識の部分に巣食ってしまって、その子の人生に悪い影響を与えてしまう、と…。

「悪い影響ばかりとは限りませんけどね。中にはそれがあるからこそ頑張って、逆に偉人になった人もいます。ただ、大抵は悪い影響を及ぼしますね」

------なるほど。気をつけなくてはいけませんね~。
ところで不要なコンプレックスを子どもに抱かせてはいけないという事はよくわかりましたが、もし、もう持っていたという場合はどうしたらいいでしょうか。

「そこなんですよね。もしコンプレックスによって辛い状態になっていたり、その人が不利益を被っている場合、カウンセリングではゆっくりとそれを意識の中に引っ張り出し、少しずつ噛み砕いて片付けていきます。
そうすればイライラや苦しさが随分減って楽になりますし、自信も大きくなっていきます。認知療法を学べば、お父さんやお母さんでもOKですし、またお父さんやお母さん自身にもプラスになりますよ」

------そうなんですね。
有難うございました。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その73
【回避】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「今回は『回避』ということについてお話したいと思います」

------回避というと『逃げる』ということですか?

「それも入りますが、もう少し広い意味として『向き合わない』という感じで捉えてみたいと思うんですね。これって実はいろんな事に関係しているんです。例えば不登校がそうですね」

------学校に行くことを回避しているということですね。

「本人はそのつもりがなくてもね。それに、他の問題を回避していたら学校に行けなくなったとか、親が回避するタイプだったから知らぬ間にそれをモデリングしていたりとか、いろいろとこの『回避』ということが関係しているんです」

------親が回避するタイプですか。

「はい。もっともそれもいろんなパターンがあるんですね。親が問題に向き合わず先送りするタイプだったり、表面的には、例えば仕事なんかでは積極果敢に行くように見える父親なんだけど、家庭でき夫婦の話し合いや子どもとの付き合いを回避するタイプとか…」

------なるほど。

「他には『いじめ』問題にも回避ということが絡んでいます」

------これも親の回避ですか?

「そういう場合もあります。しかしまずはいじめというのは『いじめる人間』と『いじめられる人間』、そして『いじめる人間に付随する人間』、最後に『傍観者』という構造の場合が多いんですね。
そして『いじめる人間に付随する人間』と『傍観者』は回避が存在するケースが殆どなんです。学校で言うと、時には教師も問題を回避する場合もありますね」

------そうですね。
確かに、いじめに関しては向き合うことが大切と言いますが、いろんな所に回避というものがあるんでしょうね。

「そうですね。また最近は、回避の受け皿にスマホやゲーム、ネットというものがあり、それが今度は問題になっています」

------こうやってみると、回避って確かにすごく大きな問題なんですね。
次回、もう少し詳しく伺いたいと思いますが、よろしくお願いします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その74
【続・回避】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は、前回の『回避』のお話の続きということで。

「はい。子育てにおいて一番厄介な問題である『回避』なんですが、これをどうすればよいのかと言うと、よくあるパターンとしては『勇気を持って向き合え』という叱咤激励ですよね」

------そうですね。先生も親もそう言うと思います。

「それ自体は確かに間違っていません。確かに勇気を持って向き合うにこしたことはないと思います。でもね、人間ってそんなに強くないんですよ。
それに、子どもに対して叱る場合は、【具体的に】が大事なんです」

------そう言われてみれば、『勇気を持って向き合え』って漠然としてますよね。

「そうなんです。だからそうやって叱咤激励するよりも、まずは具体的にどうやっていけばいいかを【説明】することが先なんですよ。それには、まずは回避したい問題を【観察】する必要があるんです」

------観察、ですか。

「はい。極端なことを言うと、例え逃げるなら逃げてもいいんです。
例えば、子どもが学校が嫌だから行きたくないと言ったとしますね。その際、いきなり『嫌なことから逃げるな!』と言っていても、かえってゴチャゴチャにこじれてしまって、問題は解決しない場合が多いんですよ。
そうじゃなくて、例えば先生との関係がうまくいかないとか、友達ができないとか、勉強についていけなくて恥ずかしいとか、行きたくなくなった状況を観察することが大切なんですね」

------観察した上で、学校を休むということですか?

「病気を考えてみるとわかりやすいかもしれませんね。大人でも不調の時に無理して仕事に行って、病気をこじらせて入院しなくてはならないってこともありますよね」

------なるほど。早めに休みを取ってお医者さんのところへ行って検査してもらえばよかったなんていう時がありますね。

「そういうことなんです。不登校や家庭内暴力を起こす子どもは、『良い子』と呼ばれていた子が多いというのは、ここに問題が隠されているんですよね。
反抗できずに問題をかかえたまま、一見『逃げないで』戦っているように見えるんだけど、隠された問題がどんどん大きくなっていくというパターンです。
まぁこの話になるとちょっといろんな問題に流れていきそうですので話を戻しますが、とにかく回避したい何かが出てきた時は、抑圧したり、見ないようにしたり、先送りしたりしたい気持ち、これは人間だから湧き出てくるのはしょうがないとして、でもなんとか観察できるようになってほしいんですね」

------今、ふと思ったんですけど、弱さを認めた上で、というところがポイントかもしれませんね。

「そのとおりだと思います」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その75
【続・回避】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回も、『回避』のお話の続きということで。

「はい。前々回に、回避の先としてスマホやゲームということをお話しましたよね。これが今、大問題になっているスマホ依存症にも繋がっています」

------学校とか勉強とか嫌になって回避し、その先にゲームがあるという構図ですね。

「そうなんです。そしてこの回避先のゲームというのは、心理学的にも非常にうまく作られていて、嵌り出すとなかなか抜けられなくなっているんです。これはアルコール依存症やギャンブル依存症と一緒のパターンなんですね」

------こわいですね。

「本当にそうなんです。そしてこの抜け出せないパターンから垣間見えるのは、親がこの問題を回避して先送りする場合が多いということなんですよ」

------そのうち、やめてくれるだろうとか…。

「そうです。ところがゲーム会社は、その売り上げに企業の生死がかかっていますから、そう簡単に飽きられるようなものは作っていませんし、また飽きられる前に次から次へと嵌りやすい新しいものを作っていきますからね」

------そりゃそうですよね。

「そしてそうこうしているうちに、子どもは中毒になっていくんです」

------ということは、まずは親が回避して先送りなどしていないで、問題に向き合うことが大事ってことですね。

「そういうことです。例えば親が家でパソコンを娯楽に使っていたり、絶えずスマホを気にしているのに、子どもにスマホやゲームから抜け出して問題に向き合えと言うのはやっぱり無理が有ります。
お父さんも仕事でパソコンをやらざるを得ない場合はしょうがないとしても、それ以外は使わないぞという態度を示すのが先決でしょうね」



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その76
【『ごほうび』について】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は『ごほうび』について、ちょっとお聞きしたいことがあるんです。

「はい。なんでしょう?」

------よく、行動療法やABA、応用行動分析学では『ほめる』とか『ごほうび』を与えることによって行動を変化させようって言いますよね。
ただここで、『ごほうび』で釣って何かをやらせても、『ごほうび』が無くなると結局は元の木阿弥になるんじゃないかっていう心配をされる親御さんが多いんんですけど。

「とってもいい質問ですね。確かにその可能性はあります。実はE・デシ博士とライアン博士がその研究に取り組み、
『人はいったん報酬を受け取り始めると、その活動への興味はかえって低下し、報酬を打ち切られるともはやその活動をしたいと思わなくなる』
という実験結果を発表したんです」

------えっ! じゃあお母さん方の心配は当たっているっていうことなんですか。

「半分は当たっています。ごほうびというのは外発的動機と言うのですが、プラスの面もマイナスの面もあるんですね。今お話したことはマイナスの面です。
例えばゲームなんかでも、報酬をあげると約束したケースと、何も報酬がないケースでは、報酬がないヒグループの方が報酬をあげると言われてやったグループよりも『おもしろかった』という率が高いんですよ」

------となると、つまりこういうことですね。
『勉強をやったらごほうびをあげる』と言われやった子のほうが、ごほうび無しで勉強した子よりも、勉強のおもしろさは少ない、と…。

「そういうことになりますね」

------え~っ、まずいじゃないですか。

「まずいと言えばまずいのですが、これは『ごほうびがなくても勉強する子』に対してはマイナスということなんですよ」

------あ、そうですね。
そもそも勉強しない子の場合は、マイナスも何もないですもんね。

「そういうことです。そして、基本的には人って『押し付けられた勉強は嫌い』なんですよ。これは子どもだけじゃなく…」

------ですよね~。

「これは、僕がよくカウンセリング講座や心理学講座に参加されている人達に言う言葉なんですけどね。
『勉強が好きな人なんて、ほんの一部なんですよ。こうやってわざわざ休みの日にお金を払って心理学を学ぼうなんていう意志のある人は、一般的じゃないんです。通知表で言えば5の人なんです。だから、その基準を子どもにもあてはめないでくださいね。普通っていうのは≪休みの日は遊ぶ≫なんですから』って」

------そうかもしれませんね。

「さて、話を戻しますが『ごほうび』というのは確かにマイナスの面もあります。しかしごほうびとかの外発的動機がないと、やる気にならないのもこれはこれで普通なんです。
だから、とりあえずはこのごほうびなどの外発的動機でスタートし、勢いがついたところで如何に内発的動機に変えていくかがポイントなんです」

------自分の内に『やる気』を持つということですね。

次回はそのあたりをもう少しお願いします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その77
【やる気】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は前回の続きで、『やる気』についてお願いします。

「前回はご褒美などでやる気を出させる、つまり外発的動機によって行動を変容させるパターンから、自分の内に『やる気』を持たせるように変えるのが重要なポイントだということをお話しましたよね。
ところがこれがなかなか難しいんです。内発的動機、やる気というのを自分で出せるようになる子なんて、ほんの僅かですから」

------優秀と世間で言われている子ですよね。

「そうなんです。よくこの内発的動機、やる気を自分で出せるようになるには、『達成感』が大事だと言われています。例えば何かにチャレンジして成し遂げたとかですね」

------クラブ活動で大会に優勝したとか、テストで何番以内に入ったとかですよね。

「はい。そうやって目標を達成すると、その達成感の慶びが自分の内発的動機になるということなんですね」

------なるほど。

「ところが、これってそもそも優秀な子ならいいんですけど」

------ですよね。
弱いクラブとか、成績が下位だったりすると…。

「まぁレベルが少し上がったとして、全く達成感が感じないわけではないでしょうが、モチベーションがそんなに上がらない場合も多いんです」

------じゃあ、世間で言うところの優秀な子じゃない場合でも有効な手ってないんでしょうか?

「いい質問です。あるんですよ、これが。しかも凄く強力なのが…」

------えっ!なんですか?

「お母さんやお父さんが喜ぶことなんです。例えば300人中280番の子が、ちょっと頑張って260番になったとしますね。その時に如何に喜べるかが勝負なんです」

------え? そんなことでいいんですか?

「そこなんです。ここで喜べる親って意外に少ないんですよ。逆に『そんなレベルで喜んでいたらダメ』って言う人は多いんですけどね」

------あ、そうかも。

「子どもにとっては、『親のうれしそうな顔を見る』っていうことは、結構大きな内発的動機に繋がるんですよ。嫌な勉強でも、親の喜んだ顔のイメージが心の中にあると、やる気が出るんです」

------なるほど。

「だから、例え少しでも子どもが何かをやって頑張った時とか、子どもが内心うれしい時に、いかに親が【一緒になって喜べるか】が大事なんですよね」

------そうなんですか。
勉強をやれやれとせかしたり怒ったりばかりしていないで、たまにとか偶然にやっている時にうれしそうな顔を見せたほうがずっといいってことですね。

「そういうことです。それに、そういうことを親が気を付けていると、子どもは自分が【人を喜ばすことができる】人間だというふうに、自分の存在に自信を持って育っていきます。是非、うれしそうな顔を見せてあげてください」

------はい。わかりました。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その78
【続・やる気】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


「前回、内発的動機ということで『やる気』について少しお話しましたけど、もう少し付け加えたいと思います。『やる気』が出ない時ってどんな感じの時が多いでしょうね?」

------そりゃやっぱり、かったるいというかだるい時じゃないですか?

「ですよね。そういう時って動きたくないじゃないですか。でもね、この『動かない』っていうのが実は大きな問題なんですよ」

------え? 『動かない』って、体の問題ですよね。

「そうです。そうなんですけど、脳って体に影響されるんですよ。だから身体を動かすと、脳も動き出すことが多いんです」

------ということは、かったるくてやる気が出ない時でも、『えいやっ!』って体を動かしたら脳が動き出してやる気が出ることもあるってことですか?

「大いにあります。脳が動き出し、何かを始めたら、あとは勢いがついてグングン進んでいくことだっていくらでもあるんです」

------なるほど。
じゃあそういう時に、逆に体を動かさなかったら…。

「いつまでたっても脳は活性化せずにだらだらとし続け、かえってもっとだるくなる場合が多いと思います」

------そうなんですね。

「だから、まずはちょっと散歩に行くとか、そういう行動が大事ですし、それにより目に映る物が変化していくとやる気に繋がったりしやすいんですよね。
やる気がおきないからゴロゴロしていると、ゴロゴロしているから益々やる気が起きなくなるんです」

------思い切って、まずは体を動かすことが大事なんなですね!



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その79
【子どもを愛せない?】
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今回も私たちNPOハート・コンシャスの理事でもある鷲津先生(名城大学心理学非常勤講師、(同)ベルコスモ・カウンセリング代表)に伺いました。


今回は、『自分は子どもを愛せない人間なのではないか』という、あるお母さんの悩みについて伺いたいのですが。
『役員や子ども会が面倒で、子どもの授業参観も行くのが億劫。子どもの為に頑張ろうという気持ちが普通の親御さんのように起きない』ということなんですね。

「なるほど。ところでそのお母さんは、だから役員にもならず子ども会にも入らず、授業参観には行ったことはないのでしょうか?」

------いえ、『嫌々役員をやったり子ども会に参加している』そうですし、授業参観も気が進まないけど行っているそうです。

「でしょうね。『頑張れない』って言う人って、大体は『何とか頑張っているんだけど、それが辛い』っていう人なんですよね。全く頑張っていない人は、そもそもそういう意識や思考は生まれてきませんから」

------言われてみるとそうかもしれませんね。(笑)

「ところで、確かに活き活きと役員をやったり、子ども会に参加かしたり、授業参観に行くのが楽しみという人もいるでしょうけど、そんな人が大多数なんでしょうか?」

------いえ、そういう人は少ないと思いますよ。
私も本音としては面倒でしたし、億劫でした。

「ですよね。授業参観に行くのが楽しみ、なんていう人は、よっぽど優秀な子どもの親なんじゃないですか?僕の親なんて、僕が落ち着きのない子どもだったから、いつもはらはらしていたって言っていましたよ」

------そうだったんですか。(笑)

「さて、役員や子ども会や授業参観に積極的に参加したいという人が、そんなに多くはないとすると、その悩んでいるお母さんは、こう言うのが合理的だということになりますね。
『私は役員や子ども会が面倒で、子どもの授業参観も行くのが億劫。子どもの為に頑張ろうという気持ちがあまり起きないすごく【普通】の親です』って」

------そういうことになりますね。

「自分を責めるのも、合理的な基準とか水準と比較してやってもらわないと、意味がありません。『こうあるべき』という架空のイメージを基準にして自分を責めたって、事態がよくなるどころか『自分を責める癖』が子どもに移っていくだけです。
架空の理想の像のところに目線を置いて物事を見れば、何を見てもダメに見えます。理想の自分とか、理想の子どもなんて、あくまで理想であって現実の自分や子どもじゃないんです。
仮想イメージと比較して自分を責めたり子どもを叱っても、暗くなったり自己評価が下がるだけです。現実の自分のところに目線を置いて、そして自分なりの生き方とかを考えて、その上で目標を設定していかないとね」

------なるほど。そういうことなんですね。

「子どもの愛し方なんて人それぞれ違います。ヘタに理想のイメージを自分や子どもにかぶせちやうと、それこそ子どもを愛せなくなっちゃいますからね。
『~であるべき』という思いに縛られず、『まぁ、こんなものだ』とか『しょうがないものはしょうがない』という言葉を持つことも大事だと思いますよ」

------ほんとにそうですね。
有難うございました。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その80
【PTA学習セミナー】
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------今年も沢山の学校で講演されましたね。

「そうですね。ただ、僕も今年還暦を迎えたので、ハードワークは少々きつくなってきました。ですので来年からは、小学校のPTA学習セミナーとかは、お弟子さんにまかせることにする予定なんですね」

------そうなんですか。

「ええ。でも実際に小学校や中学校を講演で回って、先生方や親御さんとお話をすると、年々いろんな問題が増えて行っているのがよくわかりますね」

------問題と言いますと?

「これは以前もお話しましたが、スマホ依存と見られる子がどんどん増えています。そしてそれに関連するのですが、小学校での不登校が増えています」

------関連している…。

「はい。昔は不登校の場合、子どもも家に閉じこもっているのが苦痛だというケースが多かったんですよ。ところが今やスマホやタブレットでのネットやゲームのおかげで、昔ほど家に引きこもっているのが苦痛ではなくなってきたんです」

------あ、なるほど。

「そして、引きこもって長時間ネットやゲームをやっているから、今度はそれの依存症になってしまう…」

------悪循環ですね~。

「そうなんです。こうなってくると、もう親や先生だけではなかなか事態は打開できないんですね。第三者の介入、つまり家族療法とか応用行動分析に長けたカウンセラーが必要となってきます」

------そうなる前に、親がしっかりと対応しなくてはいけないってことですね。

「そのとおり。やはり、『まずは親の意識から』なんです」

------具体的にはどういうことが大事なんでしょうか。

「これは不登校やネット依存対策に限られたものではないのですが、とにかく大事なのは、闇雲に叱ったりしないこと。『説明をして理解してもらう』のが重要なんですよね。
なぜ、それをした方がいいのか。なぜ、それをやめた方がいいのか。この理由を子どもが納得できるように説明しなきゃいけないんです」

------ということは、『説得力』が要りますね。

「えらい! そうなんですよ。もし子どもが納得しなかったならば、それは親の説得力が、まだ不十分なんです」

------う~ん、難しいですね~。
ところで、もし納得したとして、それでもまたやっちゃったとかいうことってあるような気がしますけど…。

「そこです、問題は。人間って、頭では理解していても、行動がなかなか伴わないんですよね~。だからこそ、そこからは【習慣付け】が大切になってきます」

------習慣付け というと、先生がいつか仰ってた応用行動分析という理論のやり方ですね。

「そうです。いろんな工夫をしながら、賞や罰を組み合わせて行動の変化を促し、同時に褒めたり認めたりしてモチベーションを上げたり、自信を付けていくというやり方ですね」

------わかりました。
では、その具体的な話も、また是非お願いします。



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子育てに活かせる!『ものの見方、考え方』 その81
【子どもの将来を考える】
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――あっという間に師走になってしまいました。

「本当に時が経つのは早いですね。ところで『時』というのは流れていくものなのですが、世の親御さんはこれを一部だけ切り取って考えてしまうことがあるんですよね」

――切り取る、というのは?

「我が子の将来を考える、という時です。ちょっと考えてみてくださいね。
小学5年生の子供がいたとします。そしてその子の将来を考えるとします。その時、子どもが80歳まで生きるとして、その80歳までを考えますか?」

――あ…。それはないですね。大学とか就職する頃をイメージしている気がします。

「そうなんですよね。大体は子どもが大学へ入るころから、せいぜい30歳くらいまでの『時』を切り取ってイメージしている場合が多いんです。でもね、例えばいい大学に入って一流と言われる企業に入ったとしますよ。でもその後はどうなるかは考えていないってことでしょ?」

――そう言われるとそうですね。その後はせいぜい誰かと結婚して孫ができて…。
あ、でも『孫が出来て』とか『自分の面倒を多少見てもらって』とかいうのは、『子どもの将来を考える』というよりは、『自分の将来を考えて』いるんですもんね。

「そういうことなんですよ。ところで『どういう大学に入るか』とか『どういう企業に就職するか』も大事ですけど、やっぱり一番大事なのは、『どういう人生を送るか』ではないでしょうか?」

――もちろんそうです!
なるほど。子どもの将来というのを、20歳くらいから30歳くらい迄の時を切り取って考えちゃっているというのは、そういうことなんですね。
そうじゃなく、子どもの人生全体をイメージして、いろいろと考えてあげないといけないってことですか。

「その通りです。いい大学に入ってもコミュニケーションが上手く取れずに友だちや彼女ができなかったり、一流会社に入っても家族と楽しい生活を送れなかったとしたら、果たしてその子の人生はよかったのかという話になっちゃいます。
悩んだ時に相談できる友達を持つことや、家族で楽しい休日を過ごすこと、他にもいろいろと大事な想い出がいっぱいあって、死ぬ時に『これはこれでなかなか良かった人生だったな』なんて言える人となってほしいと僕なんかは思うのですが…」

――そうかもしれませんね。
子どもの将来を考えるというのは、子どもの人生を考えるということですもんね。

年の終わりに考えさせられるお話でしたね。
今年もNPOハート・コンシャスを応援していただきました皆様に、心からお礼申し上げます。



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