オンラインカジノ、ギャンブル依存症


今や小学生もスマホを持つのが当たり前になってきましたが、オンラインカジノのギャンブル依存問題が急激に増えています。

まずここで重要なのは、世間ではあまり知られていないのですがギャンブル依存症というのはDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引)にある「ギャンブル障害(Gambling Disorder)」というれっきとした精神病だということです。

ちなみにギャンブル依存症に限らず、依存症という精神病は「隠す」、「(そうじゃないと)否認する」、そして「嘘をつく」病気です。

しかし最近は借金もスマホで簡単に出来るようになった為、経済的に破綻する人も増えてきており、ここにきて隠したり否認したりしきれず、かなり表面化してきたということなのでしょう。。

さて、公益社団法人「ギャンブル依存症を考える会」の調査(対象10~50代男性93人)では、海外オンラインカジノの利用者でギャンブル依存症者の3割が、始めてから1週間以内に借金をしていたと出ています。

ちなみに開始から借金をするまで
・1週間以内 30.1%
・1カ月以内 33.3%
・3カ月以内 9.7%
・半年以内  11.8%
・借金無し  7.5%
となっていますから、なんとオンラインカジノを始めてから3人に2人は1カ月以内に借金を始めたことになります(もっともこれはギャンブル依存症者対象の話ですが)。

そして年齢は、20代と30代で全体の約8割を占めています。
(ここまで公益社団法人「ギャンブル依存症を考える会」より引用)

さて、ちょっと古いデータですが、2021年12月20日の日経新聞では
「国内からオンラインカジノへのアクセス数は米国,ドイツに次ぐ世界3位。 オンラインカジノへの日本からのアクセス数は,2018年 12月に月間約 70万回だったが,19年 2月頃から急増。コロナ禍が本格化した20年1月には約7820万回まで増えた。その後はいったん減少したが,20年 8月から再び増加に転じた。21年 9月は約 8300万回を記録」
という内容が掲載されています。

なお国際カジノ研究所の調査(対象1千人)では,2.3%が「オンラインカジノの利用経験がある」と回答。国内人口に当てはめて「288万人」と推計 (2022年)していますが、警察庁の2024年調べではオンラインカジノ利用者は推定337万人に上ります。

そして借金についてですが、ギャンブル依存症の借金平均値は855万円で、公営競技も今や売り上げの70~90%オンラインで若者はアプリで賭けていることを「ギャンブル依存症を考える会」は指摘しています。
ここでも『手軽さ』の問題が現れていますね。

ギャンブル依存症と犯罪

さてNPO全国ギャンブル依存症家族の会の会員による緊急アンケート結果(2024)ではギャンブル依存症の犯罪行為についてですが、「犯罪行為あり」が33.8%、「犯罪行為なし」が66.2%となっており、3人に1人は犯罪に手を染めていることになります。

犯罪の内訳は
・横領 52.6%
・窃盗 32.6%
・闇バイト 13.0%(口座売買 76.7%)
・商品の売り飛ばし 13.0%

またオンラインカジノをやっている人の割合は17.8%となっています。

なお、先ほどの(公社)ギャンブル依存症を考える会の調査では、犯罪率としてオンラインカジノを「やっていない」が26.2%、「やっている」が36.1%という数字が出ており、オンラインカジノをやっている依存症者は犯罪率が3割以上高めとなっているところが注目されます。

オンラインカジノは違法でれっきとした犯罪です。刑法は
第185条
賭博をした者は、50 万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

第186条
1 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3 月以上 5 年以下の懲役に処する。

と定めています。

しかし警察庁の調べではオンラインカジノ利用者は「違法性認識無し」が4割もいて、告知が不足しているのは間違いありません。
なお「ギャンブル依存症の自覚有り」は6割となっています。

依存症の根源は「つまらなさ」


ベティ・ギルフォードは『民族的背景、性差および父親イメージが、薬物への関わりと生きる目的の関係に及ぼす影響』(N=416)という調査で「『薬物』と『生きる目標』は関係が有る」ことを表しました。

またこのように述べています。

「生きる目標についての得点が低い学生は、薬物への関与度が高く、逆に生きる目標の点が高かった学生は薬物関与度が低かった。 これは、アルコール依存症においても同様の結果が出されている。 依存症の人は、『生きる意味』や『自分の存在の理由』が実感できていないということなのだろう。」

この内容は私たちが取り組んでいるネット・スマホ・ゲーム依存と合致します。
私たちもネット・スマホ・ゲーム依存症者は「つまらなさ」、「寂しさ」、「自身の存在感の希薄さ」が根っこにあり、それが何かのきっかけで依存に向かっていき、後は悪循環の拡大で依存に嵌っていったと考えており、罰則等を広く告知することももちろん大事ですが、心の問題も考えないとなかなかこの拡大は防げないのではないかと考えております。

なおゲーム依存やギャンブル依存においては、生まれつきの脳のタイプでなりやすいパターンが有ることも最近の研究でわかっています。 例えばADHD(注意欠如多動症)という発達障碍のタイプでは、制御機能に問題があることが多いのでかなりギャンブル依存と相関関係があり、注意が必要です。

また回避依存タイプ(回避依存については姉妹団体NPO日本次世代育成支援協会の「回避依存のページ」をご参照ください)もギャンブル依存と親和性があります。

ネット・スマホ・ゲーム依存については下記の当協会ページをご参照ください。
https://heart-c.org/net.html

依存症は脳の病気


ギャンブル依存症は慢性で進行性の脳の病気です。 快楽中枢に強い刺激が不規則に繰り返されると依存が進み、前頭前野の活動が低下していきます。

ですので、「意志を強く持て!」と叱るくらいでは治りません。

また家族が借金の尻拭いなどをして、それを助けている場合が多いのですが(この「助ける人」のことをイネーブラーと言います)、その場合は依存症はなかなか治りません。

カウンセリングとしては、認知療法、応用行動分析、家族療法(システムズ・アプローチ)が効果があります。


NPOハート・コンシャスは面談、電話、ネットでのカウンセリングを行っております(50分6千円)。
お申し込みは tamada@heart-c.org
または、0586-72-7880 まで。

NPOハート・コンシャスの講演

写真 ・ネット・スマホ依存の対策や予防


和歌山県 ネット依存防止セミナー
福井県坂井市 ネット依存防止セミナー
三重県保険医協会 スマホ依存の予防と対処法セミナー
名古屋市緑区青少年育成区民大会 ネット・スマホ・ゲーム依存防止セミナー
鳥羽市虐待防止ネットワーク協議会市民講座 ネット・スマホ・ゲーム依存防止
小牧市小中学校学校カウンセラー連絡協議会 ネット・スマホ・ゲーム依存研修
稲沢市教育委員会 ~ネット依存に陥らない為に~
稲沢市教育委員会 ネットいじめ防止
岐阜県安八郡学校保健会総会 ネット・スマホ・ゲーム依存の予防と防止
名古屋市中村区養護教諭研修会 ~スマホ・ネット依存対策~
豊川市教職組合 ネット・スマホ・ゲーム依存防止
名古屋市千代田区保健主事・養護教諭合同研修会
名古屋市港生涯学習センター ネット・スマホ・ゲーム依存防止
名古屋市東生涯学習センター ネット・スマホ・ゲーム依存防止
岐阜県環境生活部私学振興・青少年課
愛知県母子寡婦福祉連合会昭和荘(児童福祉施設)

学校関係での「ネット・スマホ・ゲーム依存の予防と防止」講演
【愛知県】
名古屋市中村区養護教諭研修会
名古屋市千代田区保健主事・養護教諭合同研修会
名古屋市女性教員自主研究会
豊川市中部中学校
豊川市一宮中学校
豊川市一宮東部小学校
豊川市桜町小学校
豊川市教職員組合
健やかな子どもを育てる豊川集会(小中学校教員とPTA)
豊川市小中学校PTA連絡協議会
設楽郡東栄小学校
刈谷市日高小学校
刈谷市子ども相談センター(相談員)
刈谷市子育てカレッジ
長久手市長久手中学校
長久手市北中学校
知立市八ツ田小学校
知立市南中学校
豊田市朝日ケ丘中学校
豊田市下山中学校
豊明市栄中学校
みよし市三好中学校
碧南市棚尾小学校
東海市立名和中学校
江南市西部中学校
江南市藤里小学校
江南市宮田小学校
小牧市小牧中学校
小牧市小中学校学校カウンセラー連絡協議会
稲沢市いじめ・不登校対策委員会(教育委員会)
稲沢市教育委員会
岩倉市曽野小学校
一宮市大和中学校
海部郡蟹江小学校
犬山市山城東小学校
【岐阜県】
高山市久々野中学校
飛騨市古川西小学校
岐阜大学教育学部付属小中学校
安八郡学校保健会総会
揖斐郡学校保健研修総会
可児市今渡南小学校
【三重県】鈴鹿市教育委員会
【東京都】狛江市狛江第三小学校
【千葉県】大網白里市白里中学校
【福井県】小浜市小浜小学校
【大分県】大分大学地域連携プラットフォーム推進機構
(大分大学、大分県立看護科学大学、日本文理大学、別府大学、立命館アジア太平洋大学、大分県立芸術文化短期大学、大分短期大学、東九州短期大学、別府溝部学園短期大学、別府大学短期大学部、大分工業高等専門学校、放送大学大分学習センター)


寄稿 メデイア取材

稲沢市広報「いじめ・不登校対策委員会」
~ネット依存から子どもを守るために~

東京新聞「都がeスポーツ」
~ゲーム依存についてコメント~
毎日新聞「論+(プラス)」
~広がる10代のネット依存~

福島テレビ「テレポートプラス」
~新型コロナウィルスによる休校と子ども達のゲーム依存の関係~

豊田市「こころの健康づくりニュースレター」を執筆
~新しい環境におけるメンタルヘルス~

愛知県小児科医会の会報に寄稿
~コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法~

中日新聞「目耳録」
~ゲーム依存防止へのプロセス~

東海テレビ「スイッチ」
~幼児や児童にスマホを見せることについて~

名古屋テレビ「UP!」
~ネット・スマホゲームの問題点~

中日新聞「アキバの傷跡」
~孤立 ネットの虚構におぼれ~




TEL 0586-72-7880
E-MAIL: tamada@heart-c.org

愛知県一宮市大志1丁目6-17 ミヤタビル3階(2020年6月1日移転)


愛知県保険医協会「子どもの健康を考えるつどい」

当協会の鷲津理事が愛知県保険医協会主催の「第34回 子どもの健康を考えるつどい」において、「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」というテーマでゲーム依存についての講師を務めました。


愛知県小児科医会の会報に寄稿

愛知県小児科医会の第56回「子どもの健康を守る会」での講演の講師をする予定でしたが、中止となった為替わりに今年度の愛知県小児科医会の会報への寄稿を依頼され、それが配布されました。
鷲津理事の内容は「コロナ禍が及ぼす子どもたちの心への影響と、その対処法」です。






小牧市の学校・カウンセラー連絡協議会の講演を務めました

小牧市小中学校の令和2年度学校・カウンセラー連絡協議会で「家族や学校でできるネット・スマホ・ゲームオ依存にならない方法」の講演を鷲津理事が務めました。受講されたゲーム依存担当の先生方やスクールカウンセラーの皆様にとって少しでもお役に立てましたら幸いです。


ネット・ゲーム依存防止の取り組みが毎日新聞に紹介されました

毎日新聞の「論+(プラス)」で、当協会の「ネット・スマホ・ゲーム依存防止」の取り組みが紹介されました。(詳しくは左の写真をクリック)




「eスポーツ」についてのコメントが東京新聞に紹介されました

東京新聞の社会面で、「eスポーツ」についてのコメントが紹介されました。(詳しくは左の写真をクリック)








児童とスマホの問題についてお話しました

東海テレビ「スイッチ」で、幼児や児童にスマホを見せることについて鷲津理事がお話しました。




【中日新聞にネット依存のコメント掲載】

中日新聞朝刊の秋葉原殺傷事件の検証記事、「孤立 ネットの虚構におぼれ」において、当協会の鷲津理事が取材を受けた時のコメントが載っています。
(内容は左の記事の画像をクリックしてください)








稲沢市広報に掲載されました

稲沢市の「いじめ・不登校対策委員会」主催の小中学校の先生方の研修会で、『ネットいじめ』について講演させていただいた内容が、稲沢市の広報で紹介されました。
inazawa.pdf






名古屋テレビの報道番組「UP!」でコメントしました。

名古屋テレビの報道番組「UP!」で、ネット・スマホゲームの問題点について顧問の鷲津理事がお話しました。(2016.8.25)




稲沢市広報に掲載されました

稲沢市の「いじめ・不登校対策委員会」主催の稲沢市の小中学校の先生方の研修会で、 『ネット・スマホ依存』について講演させていただいた内容が、稲沢市の広報で紹介されました。
27inazawa.pdf







 

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