head_img

空の巣症候群とは

空の巣症候群とは、子どもが自立し自分から離れて時、心に一種の空洞が生じ、心身の不調に陥る状態のことです。

本来ならめでたい事でもあるのですが、「荷おろし」の心理反応として不定愁訴が生じたり、うつ状態に陥ったりすることさえあります。

とくに子どものことを心配し、子育てを頑張ってきた母親は、頭の中が子どものことでいっぱいの生活を送ってきたのですし、子どもの夢や目標が自分の夢や目標となっていたのですから、子どもが巣立った後の空間は、それこそぽっかりと穴が開いたように感じてしまうのも無理はありません。

「自分がいないと子どもが上手くやっていけない」と思っていたら、いなくても上手く回っていくことに、つまり本来なら喜ぶべきことなのに、無意識の中ではガックリと落ち込んでしまうわけです。

言葉を替えると、子育てを頑張ることが無意識のうちに自分の存在感や価値となっていたのが、子どもが自立することによって自分の存在価値の減少目標(未来)の消失というダブルパンチとなってしまったんですね。

空の巣症候群に陥りやすいタイプ


子どもが自立したからといって、どの親でも空の巣症候群に陥るわけではありません。

やはり陥りやすいタイプというのがあり、下記のうち5つ以上あてはまるとメンタルヘルスに注意した方がよいでしょう。

・自己肯定感が低い
・自分を後回しにする
・~べき主義(〇〇であるべき)
・自分の感情が把握できていない
・自分のモノサシがはっきりしていない
・誰かの目標(夢)が自分の目標(夢)になっている
・趣味が少ない

また、空の巣症候群に陥りやすい家族システムというのもあります。

まず下図をご覧ください。
子どもが有る程度しっかりするようになると、世代間境界線というのが必要となってきます。

親は親同士、そして子どもは独りでものごとができるようになっていくという感じですね。

家族1
しかし夫婦間の関係が薄く、母子密着となってしまうとその世代間境界線が形成されません。

家族2
この形は実は不登校のケースでよく見られる家族システムなのですが、このままの形で子どもが大きくなり、子どもが結婚してからもこのシステムが続いていくと、子どもの夫婦関係もかなり不安定となってしまいます。

空の巣症候群テスト


空の巣症候群の日本人向きの簡易テストを作成してみました(但し標準化は行っておりません)。
(Copyright(c)合同会社ベルコスモ・カウンセリング不許複製)

よく当てはまる場合は3点、まあまあ当てはまる場合は2点 たまに有る程度なら1点、当てはまらない場合は0点を付けてください。

・これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う
・注意が集中できなくなる
・以前なら楽々できるようなことが達成できない
・倦怠感
・不安やイライラが増えた
・投げやりになってしまう
・虚しい
・健康や自己管理がおろそかになる
・不眠、食欲不振、体重減少などの身体の不調
・孤独感をよく感じる
・わけもなく涙が出てくる
・出かけるのが億劫になって、引きこもりがちになる
・笑うことが減った
・時間を持て余す

合計が35点以上だと注意が必要となります。
お医者さんかカウンセラーに相談してみては如何でしょうか。

空の巣症候群とアダルトチルドレン


空の巣症候群ではないかとご相談に来られる方の中には、夫婦のどちらか(もしくは両方)がアダルト・チルドレンというケースが珍しくありません。

自分の夢や目標がないという人の多くは、本来の自分を出すことが許されず、現実適応に忙しすぎて理想を考えられない環境が続いたのかもしれません。
言い換えると、子どもでいられなかった子ども時代を過ごしたかもしれないということです。
(アダルト・チルドレンについてはNPOハート・コンシャスの下記ページをご覧ください。
https://heart-c.org/accounseling.html

しかし私たちは誰かの親としてだけに生まれたのではなく、一人の人間として自分の道を歩く為に生まれてきたのです。

フランクルという精神科医はこう言いました。

「『人生』があなたに意味を問いかけている。
大事なのは、未来で貴方を待っているモノ。
貴方に発見されるのを待っているモノ。
そして貴方によって表されるのを待っているモノ。」


想い出は人生の証です。
そして、想い出は今からでも創り続けることができるのです。

物語はまだまだ続きます。

そしてどんな物語になるかは、その人次第なのです。

空の巣症候群の対処法


やはりもし上手くやっていきたいのなら、夫婦そろってのカウンセリングをコミュニケーションの問題に詳しい専門家の助けを借りるのが近道だと思われます。

空の巣症候群や夫婦の関係、第2の人生に関する悩みにおいては、傾聴という従来からのカウンセリングでは、「悩みを聞いてもらって楽にはなったが問題は解決しない」と言われる方が多いのも事実です。


NPOハート・コンシャスでは、空の巣症候群には認知行動療法家族療法(システムズ・アプローチ 解決志向アプローチ)で対応しています。

そこで、ここではその解決志向アプローチを使った1人でもできる対処法を、1つご紹介しますね。

とにかく、
「あなたは、どうなったらいいんでしょう?」
こう聞かれたとしたら、どう答えるか…。

その「どうなったらいいか」をイメージするんです。

そして、もしイメージしたものが「~べき」という類のモノ(例えば「もっとしっかりするべき」)だったら、それは却下してもう一度やり直し。

浮かんだイメージが笑顔に繋がるモノだったら、それはOK!

あとはそれをとにかく具体的に言葉にしていくのです。

家族1

このやり方は、空の巣症候群だけではなく、いろんな問題に効果があります。

是非お試しを。


家族療法⇒ https://npo-jisedai.org/brief.html
解決志向アプローチ⇒ https://npo-jisedai.org/sfa.html
認知行動療法⇒ https://npo-jisedai.org/


写真カウンセリングをお考えの方は、下記のNPOハート・コンシャスのカウンセリングページにてお申込みください。
https://heart-c.org/service.html


    Copyright(c)2016 NPOハート・コンシャス
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

この内容はNPOハート・コンシャスの鷲津が、講義の内容を元に書いております。
著作権はNPOハート・コンシャスにありますので、無断使用、複写等はできません。ご了承ください。

♪楽しく、役に立つ心理学やカウンセリング理論を学びませんか?
NPOハート・コンシャスとNPO日本次世代育成支援協会は、毎週月曜の(午後)に一宮で『心理カウンセラー講座』を開いています。
月1回の土曜集中講座(12回完結)や日曜日にベーシック集中講座もありますよ!

詳しくはコチラ→ https://npo-jisedai.org/kouza.htm

NPOハート・コンシャスの活動状況



「ネット・スマホ・ゲーム依存の予防と対処」セミナー

2024年も各地の学校でNPOハート・コンシャスの会員が講演
大分県大分大学(鷲津秀樹)
愛知県豊田市立下山中学校
岐阜県揖斐郡大野町立南小学校
愛知県豊川市立桜町小学校
愛知県犬山市立城東小学校
愛知県知立市八ツ田小学校
東京都狛江市狛江第三小学校
愛知県長久手市長久手北中学校
愛知県江南市藤里小学校
愛知県海部郡蟹江小学校
豊川市立萩小学校
岐阜県飛騨市古川西小学校
岐阜県可児市立今渡南小学校
岐阜県揖斐郡学校保健研修総会
他に各地の生涯学習センターなど多数

歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」に掲載

日本歯科新聞社が発行する歯科医院経営・総合情報誌「アポロニア21」4月号のパワハラ予防特集で【「つい口調がきつくなる」院長への処方箋(鷲津秀樹)】というタイトルで掲載されました。




大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナー

2024年3月6日に大分県立看護科学大学、日本文理大学、別府大学、立命館アジア太平洋大学、大分県立芸術文化短期大学、大分短期大学、東九州短期大学、別府溝部学園短期大学、別府大学短期大学部、大分工業高等専門学校、放送大学大分学習センター、大分大学で構成される「大分大学地域連携プラットフォーム推進機構」主催のセミナーの講師として、各校の教職員の方々対象にWEBで講演しました(鷲津顧問)。


家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」に掲載

公益財団法人 愛知県教育振興会が発行する家庭教育月刊誌「子とともに ゆう&ゆう」9月号(編集:愛知県小中学校長会、愛知県小中学校PTA連絡協議会、名古屋市立小中学校長会、名古屋市立小中学校PTA協議会)の”ゆうゆう情報局”に「ゲーム依存と子どもたちの環境」というタイトルで掲載されました。



児童とスマホの問題についてお話しました

東海テレビ「スイッチ」で、幼児や児童にスマホを見せることについてお話しました。






福井県で「ネット・スマホ依存防止セミナー」の講師を務めました

福井県坂井市教育委員会主催の「ネット・スマホ依存防止セミナー」の講師を務めました。 沢山の先生や教育に携わる方々に熱心に聴いていただき、また貴重な現場の情報をいただきました。 子どもたちの未来に少しでも貢献できましたら幸いです。



清州保健所の「自殺対策人材育成研修」

愛知県県清州保健所の職員対象に「自殺対策人材育成研修」が開かれ、講師を務めました。




一宮消防局で、「パワハラ防止」の講演

愛知県一宮消防局の「パワハラ防止セミナー」で、NPOハート・コンシャスの鷲津が講師を勤めました。





中日新聞にネット依存のコメント掲載

2018年6月5日付け中日新聞朝刊の秋葉原殺傷事件の検証記事、「孤立 ネットの虚構におぼれ」において、NPOハート・コンシャスの鷲津が取材を受けた時のコメントが載っています。
(内容は左の記事の画像をクリックしてください)








和歌山県主催のネット依存防止セミナーの講師を務めます

平成30年1月28日(土)に和歌山県主催の「ネット依存防止セミナー」が開かれ、講師を務めました。
https://npo-jisedai.org/2018wakayama.pdf






名古屋テレビの報道番組「UP!」でコメントしました。

名古屋テレビの報道番組「UP!」で、ネット・スマホゲームの問題点についてお話しました。




碧南市広報に掲載されました。


碧南市の医師会、歯科医師会、薬剤師会と行政が一体となった「碧南市健康を守る会」の総会で、NPOハート・コンシャスの鷲津秀樹が講演させていただいた内容が、碧南市の広報で紹介されました。
https://npo-jisedai.org/hekinan.pdf








 

お問い合わせはコチラへ!

icon 電話番号0586-72-7880
 icon 玉田 tamada@heart-c.org


ページトップに戻る