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心理から見た「般若心経」 その3

「五蘊」とは?


「その2」では「自由」と「自在」について述べました。
今回はその続きです。

行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)

の後に

照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)

と続くのですが、この五蘊とは下記の5つです。

(ルーパ ⇒ 身体、物質すべて)
(ヴェーダナー ⇒ 感覚器官による苦、楽、不苦不楽)
(サンニャー ⇒ 感覚や認識によって形成されるイメージや概念)
(サンカーラ ⇒ 身体を動かす(動かしたい)、思考(考えよう)というエネルギー、ベクトル)
(ヴィンニャーナ ⇒ 認識し意識すること、認知)

と言われても色(身体、物質すべて)はともかく、他はわかりにくいので、もう少し現実的に言うと…。

これからビールの美味しい季節(←春・夏・秋・冬のどれを入れていただいても結構です)になりますが、「とりあえずビール」とまず飲む。

「受」 ビールが一気に喉から胃に流れていくのを感じる

「想」 ぷっはぁ~! 旨いっ!

「行」 よっしゃ!今日はとことん飲むぞっ! とビールをお替りする

「識」 春は桜や花を見ながらビールが一番!(暑い夏はビールが一番!、食べるものが美味しい秋はビールが一番!、冬はこたつに入ってビールが一番!)と認識する

違うかな…。


ただここでこれを言うと言い訳と思われるかもしれませんが、難しいことを難しく書くのは誰でもできるんですよね。

しかも、偉い人の言ったことをそのまま書くっていうのは、要はコピペみたいなもので、簡単なワケです。

でもそういう本が多いんですよね(心理学の本なんか、8割以上がそうじゃないかな? やれフロイトがああ言った、ロジャーズはこう書いた、ベックはこう考えた等々。それでそういう偉い人をどれだけ日本(学会)に招待したかが、自慢となっていると言うと言いすぎでしょうか)。

でも、大事なのはそれを如何にしてわかりやすく言うか、またそれについて自分はどう考えているかだと思うんですよね。

そして、間違うのを恐れていてはこれが出来ないんです。

「空」とは?


ま、そんなことはおいといて次に行くと「照見五蘊皆空」、つまり
「そしてそれら(色、受、想、行、識)は本性が空であると見抜かれた」

と書かれているのですが、今度は

」ってなんじゃ?

となります。

そこで「空(śūnya シューニャ)」をAIに尋ねてみると、Microsoft Copilotから

『仏教における「シューニャ」または「空(くう)」は、非常に深遠な概念です。
これは、すべてのものが因縁によって生じたものであり、実体がないことを意味します。
つまり、物事の本質は空であり、固定的な存在ではないという教えです。
この考え方は、執着を手放し、物事をあるがままに受け入れるための重要な指針となります。
また、「空」は単なる「無」ではなく、無限の可能性を含む場としても理解されます。』

という返事が返ってきました。


わかりにくい…。

ということで、GoogleのAIにも聞いてみました。そしたら


『「空」の考え方は、この世のすべてのものは実体を持たず、常に変化しているというものです。 【シューニャ(空)の考え方について】
すべての存在は因縁によって生じたものであり、実体のないものであるとする思想
すべてのものは、固定した実体や不変の本質を持たないことを意味する
世間の欲望は無意味であるという意味にも使う
執着からの解放を教えるものであり、自己主張の真・正・善性を標榜し、他を排除するところに闘争がくりかえされる現代の世相を思うに、顧みられるべきではないでしょうか
「空」の論理を確立した高僧として、2世紀頃の南インドに活躍したナーガールジュナ(龍樹)が知られています。』
と教えてくれました。

わからん…。

ただここで「因縁」という重要な言葉が出てきました。


「因」と「縁


因縁とはこういうことです。



種(因)が無ければこの木は存在しません。

しかし種があればこの木となるとは限りません。
そこには太陽の光や雨などが降り注ぎ(これを「与力」と言います)、また暴風雨などが無かった(これを「不障」と言います。無かったからこそ、という縁ですね)といういろいろな縁があってこうなったのです。

すなわち因(種)というのは直接原因であり、縁(日光、雨、風、その他)というのは間接原因ということです。

そこでお釈迦様は「一切は因縁により一時的に現れる現象である」と考えたワケです。

しかしここで一つ述べておきたいのは、一般的には「縁」というと、人と人との関係と考えられていますが、しかしこれは別に人に限ったモノではありません。
例えば、行った「学校」というものがそうですね。

筆者は人生のうち一番想い出がいっぱいあるのが高校時代なのですが、たまたま入学が愛知県の学校群という制度になる直前の年だったんですね。

学校群というのは、学生は2校選択するのだけれど、そのどちらかに受験の成績順に入学を振られていき、理屈上ではその2校は同レベルになるというシステムです(何のためにやったんですかね?受験戦争を和らげるためとか言っていたけど、要は今度は学校群の優劣競争になっただけなんだけど)。

そしてその制度により、自校が群のもう一つの学校より大学合格率が落ちると先生の責任となるみたいな感じで、先生方は僕らの一級下の生徒の成績ばかり夢中になった為、僕らは放ったらかしになったおかげでメチャメチャ遊べたんです。

ほんと楽しかったな~。

もっとも遊びまくったおかげで、僕らの年は創立以来最低の大学受験結果だったそうですけど。

しかしこれなんか、「縁」そのものの話なんですよね。


さて、話を戻しますが、縁と言うと「ご縁をいただく」とかいう感じで考える人が多いのですが、縁というのは当然【相互作用】が働くということであり、「こちら側が相手にどのような作用を働いているか」も考える必要があります。

つまり、世の中には「良縁」を求める人が多いのですが、実は大事なのは、自分が相手にとって「良縁」となり得るかどうかなんですね。


というところで、続きは「その4」へ。


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