心理から見た「般若心経」 その7 六波羅蜜の忍辱。「見捨てられ不安」と「愛着の問題」と…。
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「六波羅蜜」の「忍辱」
「その6」では「六波羅蜜」の「持戒」と【CP】について述べましたが、今回はいよいよ「忍辱(にんにく)」についてです。
ダライ・ラマは、「持戒」を行う為には「忍辱」が必要であると述べています。
忍辱とは「耐え忍ぶ」という意味合いですが、ここではシンプルに「辛抱」として考えてみることにしましょう。
となると、心理から見るとまずは交流分析の自我状態では「良い子」の役割としてお馴染みの【AC】が、「辛抱」というイメージに近いと思われるので、まずはそこから踏み込んでみます。
(自我状態はNPO日本次世代育成支援協会ホームページ参照⇒ https://npo-jisedai.org/ego.html )
前に書いた自我状態の図(参照 https://ameblo.jp/belcosmo/entry-12904478943.html)のように、「良い子」で例えられる【AC】というのは、【CP】つまり「持戒」の矛先(ベクトルの対象)となる場合が多いんですね。
【AC】の機能としては、前に書いたように
・従順
・依存
・我慢
・抑圧
というようなものが挙げられます。
これにより「良い子」となる代わりに、自分の欲求(【FC】)を抑圧してしまうので、裏面には「反抗」や「怒り」のエネルギーが潜んでいるということになるワケです。
ここで注意が必要なのは、「良い子(良い人)」だから「大人しい」というイメージを抱いて、協調的で良く出来た人間のイメージを抱く人もいるのですが、「良い子」と言う以上、要は子どもなんですよね。
子どもというのは基本は「欲求」で成り立っているというのを忘れてはいけません。
じゃあ【AC】の欲求というのは何か?
これを筆者は「見捨てられ不安」と講義では言っていました。
「見捨てられ不安」とパーソナリテイ障害
さて、「見捨てられたくない」というのも、これはこれで強烈な欲求なのです。 だからこそ「辛抱」して「ワガママな欲求(【FC】)を抑え込んで、良い子や良い人を演じるということなんですね。 ところでここで話は少し脱線しますが、この見捨てられ不安がなぜ強烈な欲求なのかということについて、ちょっと触れてみます。 まずは生物学的な話から。 「人」という生物はタイプとしては馬や牛と同じく、本来は産まれたらすぐに立って活動する動物んですね。


「辛抱」とアダルト・チルドレン
では「辛抱」しすぎで苦しむのは、というとこれがアダルト・チルドレン。 アダルト・チルドレンとは子ども時代に機能不全家庭で育った為、大人になっても心の奥深くにトラウマを持ち続けている人のことだが、但しこれは医学的に認められた病名ではありません。 特徴としては ・自信が無い ・要求や希望を表現することが、なかなかできない ・他の人の夢や目標の達成を、自分の夢や目標にする ・察してくれることを切望する ・低い自己評価 ・他者との境界線が脆弱(図々しい人に押し込まれる) ・自分の希望を後回しにする ・嫌われないことを第一に考える ・過剰に察する ・へりくだるため、人に舐められやすい ・読みが甘い(無意識の期待) となります。「辛抱する」と「辛抱させられる」の違い
さて、見捨てられ不安についてはこれくらいにして、ここで「辛抱」に話を戻します。 人間関係の悩みの中で大きなウェイトを占めるのは、実はこの「辛抱」なのですが、ここで考えなければいけないのが ・辛抱する ・辛抱させられる の違いです。 「布施」「持戒」と同様、「忍辱」も自分がパーラミター(お釈迦様の境地)にたどり着くために、つまり【自分の為に】するものなのであって、そこを忘れてはいけません。 カウンセリングに来られる人は、ここのところを突っ込んで考えていないケースが多いのです。 だから「なんの為に辛抱しているんですか?」と聞くと、「え?」という反応となってしまうケースがよくあります。 別にパーラミターに達するためにじゃなくてもいいけど、「自分が〇〇となる為に」とか「自分が〇〇を得る為に」というゴール設定が出来ていないわけですね。
NPOハート・コンシャスの活動
私たちは『人生を、どう生きるか』に関心を持たれる方々に、どのようにお役に立てるのかを考えてまいりました。 そして認知療法や解決志向アプローチ、実存セラピーを中心としたコンサルティングやカウンセリング(有料 50分6千円)を行っております。 ご本人だけでなく、ご家族へのカウンセリングも承ります。