心理から見た「般若心経」 その8 六波羅蜜の精進と禅定。「何でも放っておけば錆びていく」
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心理から見た「般若心経」 六波羅蜜の「精進」
悟りの世界に行く為には、6つの実践(六波羅蜜)が必要となります。
その6つとは布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧で、これまでに忍辱までを紹介しました。
ということで今回は「精進」となるのですが、これはネットを見ると「ひとときも無駄にすることなく日々誠心誠意尽くすこと」とか「最善を尽くして努力すること」といろいろなお寺のホームページに書かれています。
これは無理。
もう全然無理。
もしこれを筆者が出来ていたら、そもそも糖尿とか高血圧とか肥満になっていないし、もうちょっとマシな爺さんになってます。
これをホームページに書いたお寺さんに
「あんたらみんな、ほんとにやってるんやろーな!」
と言いたい…。
もちろん中にはやってる人もいるんでしょうけど、そりゃ自分で選んだ職ですしね(ちなみに筆者でも心理学の勉強は真面目にしてます)。
ひょっとしてお寺さんが「ひとときも無駄にすることなく日々誠心誠意尽くさねばならない」とか「最善を尽くして努力すべき」と言ってるわりに、自分はそうでもなかった場合、心理学的に言うと当然のことながら檀家もモデリングして「人に分け与えるべき」とか言いながらお布施はしないということになります。
ちなみに子育てで言うと
「どうして前向きに勉強に取り組まないの!」
と怒る親御さんをよく見かけるが、もし
「ママはいつも家事に前向きに取り組んでるの?」
と子どもに聞き返されたらどうする? という話ですね。
三角の親から丸い子は育たないと言いますが、モデリングというのは本当に重大な問題なのです。
ところで、先日テーラワーダ仏教のことを少し書きましたが、「日本テーラワーダ仏教協会法話と解説 あなたとの対話(Q&A)」というホームページには、波羅蜜についてこう書かれています(ここでは六波羅蜜ではなく十波羅蜜となっていますが)。
https://j-theravada.com/dhamma/q&a/gimon77/
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ただやみくもにやるということではないのです。
やる場合は徹底的にやるのですが、ちゃんと状況を判断しながら、結果が得られる方向へ自分の人生を持っていく …
-------------(以上引用文)
またWEBサンガジャパンの「スマナサーラ長老に聞いてみよう!」というページにはこう書かれています。
https://online.samgha-shinsha.jp/contents/b3d07cc206d7
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■退化を止める唯一の方法
五番目は「精進波羅蜜(viriya pāramitā)」です。世の中では、そのままの状態でいると退化して堕落してしまいます。地獄に堕ちる方向へ進んでしまうのです。ですから、人間は何から何まで精進・努力しなければいけません。そのように怠けない性格のことを言っています。
-------------(以上引用文)
こっちの方が聞きやすい感じがしませんか。
さて、お釈迦様の最期の言葉はこれです。
「すべてのものはうつろいゆく おこたらず精進すべし」
ということは、精進とはつまりこういうことなんじゃないでしょうか?
「何でも放っておけば錆びていく。
錆びないように頑張ろうね。自分の為に」
心理から見た「般若心経」 六波羅蜜の「禅定」
「精進」の次は「禅定」です。 心を一点に集中させ、雑念を払い、深い精神状態に入ること(心を統一して静かに対象を観察し、思索して真理を悟ること)により阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい。悟りの世界「anuttarā samyaksaṃbodhiḥ」を無理やり漢語にしてる)に達することができるとのことです。 ダライ・ラマによると、この禅定を邪魔する5つの障害があるそうです。 1つ目は「怠慢」 2つ目は瞑想の対象を「忘れる」こと 3つ目は「心の散乱(掉挙)」と「心が深く沈み込むこと(惛沈)」 4つ目は「心の散乱(掉挙)」の時に正しい対抗手段を取らないこと 5つ目はそうした必要もない時に余計な対抗手段をとってしまうこと (「ダライ・ラマ 日々の瞑想」より) そうなんだ…。 「怠慢」 「忘れる」 「心の散乱」 「間違える(「心の散乱」の時に正しい対抗手段を取らないこと)」 「要らんことをする(そうした必要もない時に余計な対抗手段をとってしまう)」 と並べると、なんとまさに筆者じゃないですか!!

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